2011年10月7日
昨夜も痰との闘いはしたものの、少しまとまった眠りもできた。
朝食が運ばれてきた。
リクライニングで起き上がるが、これがなかなか難しい。寝ている位置によってリクライニングで起き上がり座れる位置が決まる。
今回はちょっと上に寝過ぎていたようで、起き上がった位置がテーブルから少し遠い。
(まっいいか。)
起き上がった位置がテーブルに対して、前過ぎようと後ろ過ぎようと、ずれることは大変。
お尻の位置をずらすには、切った場所に力が入ってしまう。
手術後、胸骨に力を加えることが出来ない。
こうなってみて、改めて日常生活におき、こんなにも何かと胸骨に力が入っていたんだということに気づかされた。
座った位置をずらすときに限らず、ペットボトルの蓋を開ける、立ち上がる、物を持つ、窓やドアの開け閉め、起き上がったり、寝転んだり…
ベッドにやっと座れても、今まで届いていた物に手が届かない。 (まっいいか。)
誰かが来てくれるまで諦める。
尿チューブが外され、今日からトイレに歩いていく。
点滴棒につかまりながら、ゆっくり行くのだが、これまた大変。
まず、リクライニングで起き上がる。掛け布団を足で蹴りどかす。そこで一休み。
からだの向きを少しずつ動かし、ベッドから足を降ろす。また一休み。
息を整え、自分に立つよと、言い聞かせる。点滴棒につかまり、立ち上がる。また一休み。
ゆっくり歩き出す。点滴棒にしがみつくようにして。
トイレを済ませ、やっとベッドまでたどり着き、取りあえず腰をベッドに降ろす。
そのまま暫くじっと動けず息を整える。
ベッドに横になるのに勇気がいるため、暫く座ったまま。
そして、足を片方ずつベッドに乗せる。向きを少しずつ変える。また一休み。
リクライニングを倒し、寝転がった体勢になる。
トイレに行きたくなったら行くのではなく、今行っておこう と、余裕をもって行かなくてはならない。
レントゲンは部屋にレントゲンの機材が持ち込まれ、部屋にいながら撮ることができた。 これは凄い。
毎日闘いながらも
昨日より今日。今日より明日。私は毎日快復していくのが嬉しかった。
206号室のみんなも、交代で私の個室に来てくれて
「日に日に元気になるねぇ。凄~い」と、自分のことのように喜んでくれた。
そして、2011年10月10日、私は再び206号室に戻れた。