■Melkのソーシャルスキルトレーニング
Melkでは、就労支援のための様々なサポートプログラムを実施していますが、その中の一つにソーシャルスキルトレーニングがあります。日本語で訳すと、「社会生活技能をマスターするためのトレーニング」となるでしょう。会話をする、友人を作る、周りの人に自分の感情を表現するなど、他人とやり取りをすることは社会生活の中では欠かせません。プライベートの場面だけでなく、仕事をするにあたってもコミュニケーションを取ることは大変重要です。どのような業種・職種でも、自分一人だけで仕事が完結することはありません。同僚と話をすることもあるでしょうし、職種によってはお客様や取引先の会社の人と頻繁に話をする人もいるでしょう。
Melkでは、ただ障がいのある方の就職を支援するだけでなく、職場で長く働き続けていくためのコミュニケーションスキルを身に着けることも重要だと考えています。Melkのソーシャルスキルトレーニングを介して、職場で働いていくために必要なスキルを学ぶことができます。
■Melkの「うれしい気持ちの伝え方」
Melkの各オフィスでは、前述のソーシャルスキルトレーニングが行われています。その中の一つに、「うれしい気持ちを伝えるためのトレーニング」があります。何か自分のためにやってもらったとき、どんなに嬉しくてもそれをうまく伝えることができなければ、相手に「喜んでいないのかな?」といった誤った解釈をされる可能性があります。そこで、「うれしい気持ちを表現するための方法について」というテーマのプログラムが組まれています。
流れとしては、まずはMelkのスタッフが嬉しさの表現をいくつか実施してみます。いきなりやってみろと言われても、どうやっていいかわからないという方もいるでしょう。そこでMelkのスタッフが実践し、やり方を参考にしながら、自分なりの表現の仕方を考えていきます。自分なりの表現の仕方を実践して、周りの人から意見をもらって改善していくことで、より良い表現の仕方をマスターしていきます。この意見交換も、コミュニケーションスキルを高めるために必要なことといえます。Melkでは、ロールプレイ形式を推奨しており、頭ではなく、体で学んでいくスタイルをとります。このように、Melkのソーシャルスキルトレーニングでは、ただ単に参加しておしまいではなく、実践することに重きを置いているのです。
■Melkの「頼みごとを断る方法」
人によっては、頼まれごとをするとなかなか断れないというケースも多いでしょう。ビジネスシーンでは、「シフトを変わってくれないか?」「この仕事を今日中にやってほしい」といった頼まれごとをされることもありますが、何でもかんでも断れずに受け入れてしまうと負担が大きくかかってしまいます。そこでMelkのソーシャルスキルトレーニングでは、頼みごとを断るプログラムも実施しています。
あるMelkのオフィスで頼みごとを断るソーシャルスキルトレーニングを実施したところ、参加者の半数以上が「断るのが苦手」と答えていました。断るのが苦手な理由として多いのが、相手を傷つけてしまうのではないか、不快な思いをさせてしまうのではないかという懸念です。しかし、断り方をマスターすれば、頼みごとを断っても相手との関係を壊す心配はありません。
断るにあたっての重要なポイントとしてMelkが挙げているのは、「相手の顔を見て落ち着いて話す」、「頼みごとにこたえられないことを伝える」、「必要であれば断る理由について話す」の3点です。この3つのポイントを押さえたうえで、断り方を実践していきます。Melkのソーシャルスキルトレーニングを実際に受けた方からは、「頼みごとの断り方がわからなかったけれども、今回のレクチャーでよくわかった」という声を頂いています。
■非言語コミュニケーションの学習も
コミュニケーションには、言語を使った方法以外のものもあります。これを、非言語コミュニケーションといいますが、視線や表情、姿勢などを観察することで、相手がどのように考えているかを推測できるというものです。そして、その推測に基づき行動する場面は、日本人の場合特に多くみられます。「忖度」や「阿吽の呼吸」といった言葉がそれを象徴しているといえるでしょう。
しかし、中には自分が何気なくやった行動を、相手が誤解してしまう恐れもあります。その結果、想定外の行動をとられて戸惑ってしまう、関係がぎくしゃくしてしまうこともあるかもしれません。Melkでは、このような非言語コミュニケーションの取り方についてもプログラムを実施しています。中には何気なく自分のやっていた行動が、相手にとって不快に感じていたかもしれないと気づきを得た方もいます。
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