※  かなり踏み込んだ内容を記載しています。未見の方はご注意ください ※

※  記憶違い・聞き取り間違い・誤訳等があると思います。ご了承の上お読みください ※

 

 

 

☆  1幕

 

<01.   誕生>

 

オープニングはルイ16世の戴冠式。

その後アンドレの語りでオスカル誕生のエピソードが再現されます。

成長して近衛連隊長に叙任されることになったオスカル。

オスカルが自邸から出発するシーンで、オスカルはアンドレにいたずらっぽく目配せをし、二人は右の拳を握って胸に当てる敬礼に似た仕草を同じように行い、微笑み合いました。

二人の「親友同士」な雰囲気がイイ!

この拳を胸に当てる仕草はこの後も何回も出てくるのですが、二人の絆を表しているようでグっときました~・・。

近衛連隊長となったオスカルは、祖国のために喜んで忠誠をつくす事を誓うと歌います。

 

 

<02.   パリの街>

 

街頭で新聞を配りながら街宣活動をするベルナール。

不景気のため働き口を解雇されるロザリー。

通りを歩いていたロザリーは酔った貴族に絡まれますが、ベルナールがその窮地を救います。

空腹のために盗みを働いた幼い少年ピエールを、ド・ゲメネ公爵は許すと見せかけて背後から射殺。

母の薬代のため、身を売ろうとオスカルとアンドレの乗った馬車に声をかけるロザリー。

オスカルはロザリーにお金を渡し、二度とこんなことをしないように言い残して去ります。

そして、ド・ゲメネ公爵と決闘騒ぎを起こす喧嘩っ早いオスカルww

アントワネットがオスカルに1ヵ月の謹慎を命じ、その場を収めます。(ただ、アントワネットが直接話すのではなく、ポリニャック夫人が代弁をするという形)

ポリニャック夫人はオスカルに対し、「王宮の飾り人形なら人形らしくしていなさい」と高圧的な発言。

このあたり、かなり早いペースで進行していくヨンボム演出らしい展開になっています。

 

 

<03.   マダム・ド・ポリニャック>

 

ポリニャック夫人のソロナンバー。

見知らぬ土地で見知らぬ人に囲まれて孤独な王妃さまが欲したのは友達。

その友達に私がなって差し上げて、寂しさを癒すために色々な遊びをして過ごしている(←かなり意訳)的な内容。

歌唱途中でアントワネットが登場してダンスを踊りますが、傀儡的なイメージ。

ポリニャック夫人の権勢が強調されたナンバー。

 

 

<04.   傾いた土地>

 

民衆は食事さえまともに取れず飢餓に苦しんでいることを知るオスカル。

貴族と平民の格差に衝撃を受け、真実は何か、正義はどこにあるのかと歌います。

 

 

<05.   税金を払うなら>

 

立ち寄った酒場で、貴族を敵視する客たちと乱闘騒ぎになる喧嘩っ早いオスカルww

ベルナールもその場にいて、代表して謝罪ということで握手をして和解。

駆けつけた警備兵たちを帰し、客たちも酒場を後にします。

残ったオスカルとアンドレとの間で、オスカルが毒薬の小瓶をネックレスにして身に着けていることが話題に出ます。いざという時の自害用とのこと。

酔いつぶれたオスカルからそっとその毒薬の小瓶を取り上げるアンドレ。

 

 

<06.   このまま朝まで>

 

酔いつぶれカウンターに突っ伏しているオスカルの寝顔を見つめながらアンドレが歌い始めます。

 

子供の頃おばあちゃんは言った お腹がいっぱいになって暖かい所があるよって

きれいな女の子と遊んであげればいい 浮かれた気持ちでうなずいた

俺が仕えるべき ご主人様が出来たんだ けれどお前は 俺を友達だと言ったね

 

目覚めたけれども足元のおぼつかないオスカルを支え、酒場から出るアンドレ。

 

いつだってお前を守り お前だけを見つめ

そうやって大人になって 人生を共に経験した

あの星たちの中に俺たちの星もあるのだろうか

そばにいても近寄ることのできない星

 

酔っぱらって剣を振り回したり啖呵を切ったりしているオスカル。(←かわいい)

 

俺にとって愛とはお前のために存在すること

俺の心臓もお前のもの 信念もお前のためのもの

ただお前だけが 俺の人生を許す

 

よろめいたオスカルをアンドレが抱きとめ、そのまま抱き上げて歌い続けます。

 

あの星が本当に美しい このまま朝まで 俺の胸にお前を抱いて 歩いていく

まぶしく輝くあの星たちの中に 俺たちの星もあるだろうか

そばにいても近寄ることのできない ただ見つめているだけの 俺に似た星座

 

アンドレはオスカルを抱き上げたまま、舞台上手奥に捌けていきます。

空には満天の星。

このシーン、原作の「星がきれいだ・・このまま朝までお前を抱いて歩くぞ」の一コマが完璧に再現されていて、めっちゃロマンティックで胸アツ!

歌詞も素敵だけれど音楽もすっごく素敵!!

大好きな大好きなシーンです!!

 

 

<07.   黒い騎士>

 

民衆が貧困にあえぐ中、貴族だけを狙い奪った財宝を民衆に分け与える黒い騎士が登場。

 

 

<08.   ベルサイユのばら>

 

貴族中心社会の不条理に疑問を抱くオスカル。

美しいメロディに乗せて彼女の内面を歌うナンバーですが、歌詞が抽象的なので解釈が多岐にわたりそう・・。

私の個人的な解釈としては、ベルサイユに咲く薔薇にアントワネットと自らを投影してその想いを歌っているのだと考えています。

 

薔薇よ 許してくれるなら 私は棘になって

青い月明かりの下に結ばれた 赤い花の涙を抱いて守ろう

 

サビの部分の上記の歌詞も解釈に悩むところです。

トリコロールの由来には諸説あるようですが、フランス革命当時パリの色であった青・赤と王政の色であった白が結びついて生まれたという説が有力です。

とすれば、「青い月明かりの下に結ばれた赤い花の涙」は「民衆の苦難」ととらえることもできるのではないでしょうか。

「薔薇よ 許してくれるなら」は「アントワネットが許してくれるなら」と「自らの境遇がそれを許してくれるなら」の両方の意味が込められているようにも思います。

繰り返し登場する「棘」という言葉。

美しく咲く薔薇の花よりもむしろ薔薇の棘になって大切なものを守りたい、というオスカルの意志を表しているように感じられました。

 

 

<08a. 取調室underscore>

 

ジャルジェ邸に侵入して捕えられ、取調室で尋問を受けているロザリー。

オスカルとアンドレが登場し、彼女を覚えていたオスカルはロザリーに事情を聞きます。

 

 

<09.   ロザリー・ラ・モリエール>

 

ロザリーの紹介ナンバー。

回想シーンでロザリーの母親がポリニャック夫人の馬車に轢かれて亡くなったことが示されます。

ロザリーの目的は母親を死なせた貴族を見つけ出し、復讐すること。

ジャルジェ邸には誤って侵入してしまったことが明らかになります。

オスカルはロザリーの復讐に対して助力を申し出、ロザリーはジャルジェ邸で暮らすことに。

 

 

<10.   セーヌ川の記憶>

 

ベルナールの紹介ナンバー。

貴族に捨てられたベルナールの母が幼いベルナールを抱いたままセーヌ川に身投げした哀しい過去などが歌われます。

 

 

<11.   あなたはなぜ女性なのですか?>

 

オスカルの軍服を抱きしめ、オスカルを慕う気持ちを歌うロザリーのナンバー。

軍服を相手に見立てて一緒に踊り出すロザリーが可愛い。

途中で登場したアンドレがなぜかダンスに巻き込まれるのが面白かったですww

そして最後にはロザリーに吹っ飛ばされちゃうww

ちょっとコミカルで可愛らしいナンバーで、アンドレとロザリーの仲の良さも伝わってくるなごみシーン。好きです!

 

 

<12.   仮面舞踏会underscore>

 

黒い騎士に扮したアンドレに窃盗行為を行わせ、黒い騎士を刺激していたオスカル。

捕獲のための最終段階として、黒い騎士をおびき寄せるための仮面舞踏会を計画。

主催で囮となる伯爵令嬢に扮するためにドレスを身にまとうことになります。

原作ではオスカルがドレス姿になるのはフェルゼンへの切ない恋心のためですが、ミュージカル版はまったくシチュエーションが違います。

(ドレスの色が薄いブルーで白ではないところは、少しほっとしました(^^;)

舞踏会に現れたジェローデルとダンスをし、キスされそうになるところを寸前で拒絶、ジェローデルから告白を受ける・・という流れ。

 

 

<13.   私はオスカル>

 

オスカルのアイデンティティの揺らぎから、「私は私として生きる」という決意までが歌われるナンバー。

初めて女性の衣服に身を包み、ジェローデルから初めて女性として扱われたオスカルは、自分自身の心の中にある「女性」を認識して戸惑います。

「本当の私の姿とは何なのか」と問い、「ただ女というその一言で私を閉じ込めるな」と外からの圧迫をはねつけ、オスカルは自己の確立へと到達していきます。

 

女として生まれ 男として生きてきた私

誰かの強要の元に屈服したのではない

私がしたいこと 私がなりたいもの 私が着る服まで

すべてはひとえに私の選択なのだ

白馬に乗った王子は私には必要ない

人生の波は私が作る

私の運命を決めるのは私なのだ

 

ここで黒い騎士の扮装をしたアンドレが登場。

オスカルの首元からネックレスを奪うふりをすると、背後から本物の黒い騎士が「俺の名をかたるとは許さん!」と姿を見せます。

「アンドレ、準備はいいか?」「無論だ!」のかけあいも胸アツ。

黒い騎士との対決で、アンドレは目を負傷してしまいます。

逃走する黒い騎士。オスカルは負傷したアンドレを心配しますが、アンドレは黒い騎士を追って駆け出していきます。

 

ここから終盤の歌唱。

黒い騎士とアンドレを追っていくため自らドレスをビリビリと引き裂いて投げ捨て、ラストを歌いあげます

 

私の過去、私の現在、私の未来も 私の人生の物語は私が書くから

私の名前をかけて 私はオスカル

 

オスカルという名前をかけて決然と決意を歌う姿。

原作のアランの妹の「オスカルとはヘブライ語で「神と剣」を意味するのだと兄が申しておりました」という台詞が自然と頭に浮かんできました・・。

 

 

<14.   闇の果てで>

 

黒い騎士を追ってきたオスカルとアンドレは、あるアジトへとたどり着きます。

二人が踏み込むと、そこにいたのは黒い騎士ではなくベルナールたち。

彼らが革命を計画していることを知ったオスカルは、その計画が本当に革命なのか反逆なのかよく考えるようベルナールを諭します。

「見張っているからな」との言葉を残し、オスカルとアンドレは退出。

その後、ベルナールと市民たちが「生きなければならない世の中ではなく、生きたい世の中のために立ち上がろう!」と、革命の歌を高らかに歌って1幕終了。

 

 

☆  2幕

 

<15.   光り輝くお金を見るだけで>

<16.   光輝くお金を見るだけでunderscore>

 

宮廷では「フィガロの結婚」(多分)が上演されています。

その最中、ド・ゲメネ公爵にシャルロットとの縁談を提案するポリニャック夫人。

その後、黒い騎士の舞台用の変装をしたオスカルが舞台に乱入して舞台を台無しにします。

後から登場したアンドレと例の拳を握って胸に当てる動作をし合って、うまくいったぜ的な雰囲気を出していたので、何か意図あってのことだとは思いますがよくわかりませんでしたww

 

 

<17.   舞台事故underscore>

 

オスカルとアンドレの頭上にシャンデリアを落とすポリニャック夫人。

反応が遅れたアンドレをオスカルが庇い、二人はすんでの所で難を逃れます。

この一件でアンドレの視力に問題があることを察知するオスカル。

アンドレは「おばあちゃんには言うなよ」と言い残して去っていきます。

 

 

<18.   秘密結社>

 

市民たちのリーダーとなっていくベルナール。

祖国は徐々に死んでいる。いつまで奪われ続けるのか。

俺たちの自由、俺たちの権利、俺たちの平和、俺たちの希望を世界に問おう、と歌います。

衛兵たちに発見され、ベルナールと市民たちはいったん散り散りに逃走。

 

舞台奥手では夜の闇に紛れて逢引をするアントワネットとフェルゼン。

衛兵に見咎められた二人をオスカルが庇って逃します。

 

再び集結するベルナールと市民たち。

俺たちの悲しみ、俺たちの怒り、俺たちの沈黙、いつまで息を潜めて生きればいいのか、と歌います。

 

 

<19.   お前は私に与えるだけ>

 

復讐のためにジャルジェ邸で射撃の練習をしているロザリー。

ジャルジェ邸に侵入してきた黒い騎士とオスカルが揉みあいになり、ロザリーが黒い騎士に発砲。

黒い騎士の正体がベルナールだったことが判明します。

激昂して「アンドレにしたのと同じようにしてやる!」とベルナールの目をナイフで切りつけようとするオスカル。

アンドレは「武官ならどんな時でも感情で行動するものじゃない」と言ってオスカルを止めます。

アンドレの目の状態を心配するオスカルに「お前のためなら片目くらいいつだってくれてやるさ」と言い残し立ち去るアンドレ。

 

お前はなぜ与えるだけなんだ お前にとって私は何なんだ

そうやって全部与えたら お前には何が残るんだ

 

アンドレの去っていった方向を見つめながら、最初はいらだちをぶつけるように、次第に自分の心を見つめるように歌っていくオスカル。

そして今まで過ごしてきた日々を思い返すようにして歌い続けます。

 

ただ慣れてしまったのだろうか お前との時間

そばにいるお前が当たり前だったのか

お前が私のそばにいない時間は 想像もできない

そばにいつもいたから 考えられなかったのか

 

一日一日が耐え難く 人生の重みが大きく感じられて くだらない話でくつろぎたい時

力いっぱい戦っても結局負けてしまった時 世の中の皆が背を向けてしまった時

お前がいなければ 私は誰の背にもたれればいいのか

 

この後、オスカルは舞台奥手に向かって歩きながら歌い続けますが、そこには大きな窓があってアンドレが窓の外を見上げている後ろ姿がシルエットとして浮かび上がります。

その後、下手側を向き、何か物思いにふけるような様子で佇んでいるアンドレ。

その後ろ姿に向けてオスカルは歌います。

 

ある壁が私たちを遮る お互いに壊したくない壁 先に言い出せない言葉

時折お前の眼差しを見つめると 何と答えたら良いのかわからず唇をかみしめる

 

歌い終わりにアンドレが振り向きオスカルを見つめます。

オスカルはアンドレの方に手を伸ばすけれど、静かに遠ざかっていくアンドレ。

オスカルはため息をひとつつき、力なくその手を下ろします。

 

ここの演出、めちゃめちゃ好き!

オスカルとアンドレの関係を美しく切なく描き出している名場面だと思います。

ナンバー自体も胸にせまるメロディと歌詞がイイ!!

 

ただ慣れてしまったのだろうか お前との時間 そばにいるお前が当たり前だったのか

お前が私のそばにいない時間は 想像もできない

そばにいつもいたから 考えられなかったのか

一日一日が耐え難く 人生の重みが大きく感じられて くだらない話でくつろぎたい時

 

この最後を、ジュヒョンオスカルは膝をつき両手を高く差し上げ、段階的に高音になっていく心の悲鳴のような絶唱で歌い上げました。

切なかった・・・。

そして、自分の心の中を見つめるようにして静かに歌い継ぎます。

 

もしかするとそれは 恐れだろうか

もしかするとそれは 私のまた別の心

 

誰かそれは「愛」だと教えてやってくれ~!と心の中で叫びたくなりました・・。

 

 

<20.   貴族とは何か>

 

前シーンに集中しすぎたためか、ほとんど記憶が飛んでいますwww

負傷したベルナールの看病をするロザリーのシーン、ベルナールとオスカルが貴族社会について問答するシーン、だったような気がするけど自信がないです(^^;

 

 

<21.   お前なら>

 

アンドレのオスカルへの気持ちを歌った、明るい曲調のナンバー。

黄金の髪、ペガサス、オリンポスの太陽、など原作出典の単語が散在するオスカル賛美からスタート。

今まで心配な目線で見守ってきたけど、いつの間にこんなに立派になったのか

人々は勝手な事を言うけれど、お前はお前らしく生きろ

俺はお前だけの盾になる いつでも俺の肩にもたれろ

お前なら、誰にも手の届かなかった星を探して夢を羽ばたかせることができるさ

かなり大ざっぱな意訳ですが、こんな感じのナンバーです。

 

 

<22.   メヌエット>

 

ロザリーの復讐に協力するため、ロザリーを伴って舞踏会に出席するオスカル。

ロザリーに早く復讐相手を探すように告げ、アンドレとロザリーの実母の情報について相談。

その情報がたしかなものか確かめてみようと言って、アンドレは退出。

 

舞踏会を訪れるアントワネットとポリニャック夫人。

オスカルはアントワネットを切なげに見つめながら二人でダンスを踊ります。

そしてアントワネットの耳元で何かをささやくオスカル。

それを聞いてアントワネットは表情を曇らせ、オスカルを一度見つめた後立ち去っていきました・・。

 

ここは、モヤっとする演出!

オスカルがアントワネットに何を告げたのか明らかにされず、観客の解釈に委ねる感じ?

でも、今までオスカルとアントワネットの絆について何も描かれていないのに、何をどう解釈すればいいのかまったくわかりません。

こんな思わせぶりな演出なんてせずに、短い時間でいいから二人の絆をしっかりと描いてほしかったです。

大好きな本作ですが、正直に言ってアントワネット関連についてはかなり不満・・。

 

泣いているシャルロットを発見し、慰めて事情を聞くロザリー。

ド・ゲメネ公爵との結婚を母親から強要されていることを話すシャルロット。

そこへポリニャック夫人が登場。公爵が待っていると言ってシャルロットを去らせます。

ポリニャック夫人が復讐相手だと気づき、銃を構えるロザリー。

そこへ駈け込んできたオスカルとアンドレ。ロザリーに実母がポリニャック夫人であることを告げます。

動揺するロザリーとポリニャック夫人。

その刹那、シャルロットが投身。(シルエットで表現されます)

 

 

<23.   私が生きる世界>

 

シャルロットの遺体を前に、精神に異常を来していくようなポリニャック夫人。

自身の半生を振り返り(本作では、ロザリーは貧しい恋人との間に出来た子供で、使用人だったロザリーの母が引き取ったという設定になっているようでした)、シャルロットの死を悲しみながらも野望を捨てきれず、ロザリーに共に来るよう懇願する姿は狂気そのもの。

ロザリーに拒否されても「もう一度生まれ変わったら、もっと高い所で暮らしてやる それが私の生きる世界」と歌うポリニャック夫人。

錯乱とともに表舞台から退場・・という印象のナンバーでした。

 

 

<24.   離別>

 

盗品は売買したことにするようベルナールと交渉し、彼を解放するオスカル。

ベルナールと心を通い合わせていたロザリーを彼と共に行かせます。

 

 

<24a.  衛兵隊>

 

オスカル、近衛隊を辞任し衛兵隊へ。

ジャルジェ将軍は、アンドレに衛兵隊に入隊してオスカルを護衛するよう命令します。

視力低下が著しくなったアンドレは乳母と衝突。

乳母は孫のアンドレの目の異常に気付きますが、将軍家に迷惑をかけてはいけないとその事実を話さないようにアンドレに言います。

「大丈夫。それくらい言われなくてもわかってるよ」と返すアンドレ。切ない・・。

 

椅子に縛りつけられ、衛兵隊の面々に取り囲まれているオスカル。

そこへ飛び込んでくるアンドレ。

「助けに来たのか?」と兵士に訊かれたアンドレの返答は「いや、お前たちを助けに来たのさ」www

その言葉どおり、アンドレは高みの見物。オスカルが一人で衛兵隊の皆をやっつけ(めっちゃ強いww)、アンドレがやられた兵士達をヨシヨシww

このあたりはコミカルな感じで楽しかったです。

 

 

<25.   オスカル様とダンスを>

 

不穏な世情を心配したジャルジェ将軍は、オスカルを結婚させようと求婚者を募る舞踏会を開催します。

父親の思惑に対し、軍服で現れ次々に女性たちをダンスに誘うオスカル。

オスカルはアンドレにもダンスを誘うように手を差し伸べ、アンドレもそれに応えようとしますが乳母がそれを制します。

その後、衛兵隊の兵士たちも乱入して舞踏会はだいなしに。

結局、求婚者はジェローデルのみ。

ジェローデルとオスカルの婚姻話は暗黙の了解的に進んでいく雰囲気に。

 

乳母からオスカルにワインを持っていくよう頼まれたアンドレは、その途中ジェローデルと遭遇します。

しばし言葉を交わした後、「君さえかまわなければ、私は私の妻を慕う使用人を黙認することができる」と声をかけて立ち去るジェローデル。

「それは、どういう・・」という呆然としたアンドレのつぶやきから<毒杯>へ。

 

 

<26.   毒杯>

 

遠くから見つめているだけで大丈夫なのかわからない

愛しながらも決して愛さないように 周りを彷徨って結局息が詰まるのだろうが 

そうしてでもそばにいたなら

 

ジェローデルの台詞を受けてのこの歌詞なので、なんとも切ない歌い出しです。

甘い夢を見ても決してその主人公にはなれないことに絶望し、これ以上俺に希望を許すな、とワイングラスにオスカルから取り上げた小瓶から毒薬を入れ、飲みほそうとします。

(原作では無理心中をはかるアンドレですが、今作ではオスカルを道連れにするのではなく自分ひとりで命を絶とうとします)

 

まさにその瞬間「どうだ、見えるか?」とアンドレの目を心配してオスカルがやってきます。

「ああ・・衛兵たちが一緒にいると思ったのに・・」と言葉を濁すアンドレ。

「私はあの姿が私の人生の理由で最後の姿になるだろうと思った。・・だけど良かった」

「何が?」

「私を支えてくれるあたたかい眼差しに気づくのが遅すぎなくて。私は誰とも結婚しないぞ。一生!」

オスカルの言葉に感極まるアンドレ・・。

 

ここ、原作の色々な場面での台詞をうまく入れ込んでくるのがイイんですよね・・。

そしてオスカルは明るくアンドレに言い残して去っていきます。

「アンドレ、準備はいいか? 久しぶりに二人で踊ろう 舞踏会はまだ終わってないぞ!」と。

 

まだ生きている自分を実感し、毒入りのワインを床に打ち捨て、命をかけてオスカルを愛すること、命をかけて守り抜くこと、その気持ちを切実に歌い上げていくアンドレ。

 

愛しているのに愛していないふりは嫌だ

俺の愛が本当に有罪だとしても 愛しぬく 愛して守るんだ

この命をすべて捧げて

 

俺を許さないでください 俺は救済を受けることはできません

俺を彼女のそばにだけいさせてください

死ぬその瞬間まで 愛するようにさせてください

俺の全てを捧げて彼女を守れるように 俺の魂をすべて捧げますから

 

愛に代価がいるなら全部甘んじて受けますから 我を罰したまえ

 

 

<27.   革命>

 

平民議員を武力でもって解散させよという命令に従わないオスカル。

代わりに出動したジェローデル率いる近衛隊でしたが、オスカルに敬意を表して撤退。

民衆側についたオスカルに対してジャルジェ将軍は「ジャルジェ家は最後まで王家をお守りするはずだったのに」と激昂します。

将軍が斬りかかろうとするところを、立ちはだかりオスカルをかばうアンドレ。

オスカルは自らの信念を父に述べ、最後には将軍も「お前はお前の道を行け」とそれを許します。

 

暴動が発生し、オスカルは本格的にベルナールと革命軍に助力することを決意します。

衛兵隊の兵士たちもそれに賛同。

戦闘が始まり、オスカルをかばってアンドレが被弾します。

「そこにいるのか?」「オスカル・・怪我してないか?」と、最後までオスカルを案じて息絶えるアンドレ・・。

ここ、<毒杯>の歌詞が頭をかけめぐってぎゅ~っと胸がしめつけられました。

アンドレは死ぬその瞬間まで、すべてを捧げてオスカルを愛し守ったんですよね・・。

そこからの「私を撃ってくれ!」のオスカルの絶叫と慟哭・・。

泣かずにはいられませんでした。

 

 

<28.   私を包む風は私にだけ吹いたのか>

 

暖炉の前に呆然と座っているオスカル。

部屋を訪れたベルナールはオスカルに無理に出撃する必要はないと語りかけますが、オスカルはただ一言「バスティーユを陥とせ」と告げます。

 

自分が歩んできた人生を振り返り 自らの真実に従い人生のくびきを生きてきたと歌うオスカル。

途中からベルナールや衛兵隊員や民衆が集結し、バスティーユへの進撃を開始。

 

心を抑えることに どんな意味があるのか

心まで服従させることはできない 誰も所有することはできない

ひとりひとりどんな人間にも 心の自由がある

 

原作でオスカルがまだ心を開かない衛兵隊の兵士たちに訴えかけた台詞をここで歌詞として入れ込んでくるとは・・。ぐっときました。

 

さらにロザリーも合流し・・。

そしてオスカルは横を振り向き、「アンドレ、準備はいいか?」と声をかけました。

その後の静寂と寂寥感たるや!

切なすぎて嗚咽をこらえるのがやっとでした・・。

繰り返されたこの言葉は、オスカルからアンドレへの信頼と愛の証なんですよね・・。

 

生きたい世界のために 皆一緒に行こう

 

この想いを胸にバスティーユへ向かう革命軍でしたが、オスカル被弾・・。

そして「バスティーユに白旗が!」の叫び。

オスカルは泣きすがるロザリーに「泣かないで 私は悔いなく生きた」との言葉を残して息を引き取ります。

オスカルの最期といえば「フランス万歳」と刷り込まれていた私ですが、自らの選択に基づき誇り高く生きた今作のオスカルの最期の言葉として、上記の台詞はふさわしかったんじゃないかな・・と感じています。

 

亡くなったオスカルを抱きかかえ、舞台後方に去っていくベルナール。

そこへ出迎えるようにアンドレが舞台奥から登場し、オスカルに寄り添うようにして幕・・。

切なくも美しいラストシーンだったと思います。

 

 

2幕終盤は涙止まらず・・。

話は知っているし、こんなに泣くとは自分でも思っていなかったので自分でもビックリでした。

韓国版ベルサイユのばら。

私はすっかりハマりました。

早くもう一度観たくてたまりません!!