オスカル:オク・ジュヒョン

アンドレ:キム・ソンシク

ベルナール:ノ・ユン

ポリニャック夫人:パク・ヘミ

ロザリー:ユ・ソリ

ジェローデル:ソンヨン

 

 

 

※  かなり踏み込んだ内容を記載しています。未見の方はご注意ください ※

 

 

 

池田理代子氏原作の超有名名作コミック「ベルサイユのばら」をワン・ヨンボム演出&イ・ソンジュン作曲のコンビでミュージカル化。

二人のコンビ作は「フランケンシュタイン」「ベン・ハー」「英雄本色」に続いて4作目となります。

 

 

原作ではマリー・アントワネット、オスカル、フェルゼン、アンドレの4名を主軸とし、壮大な歴史絵巻とロマンスが描かれていますが、今回のミュージカルではオスカルに焦点が当てられ、激動の時代を誇り高く生きた彼女の一生を通じて、人間の尊厳・自由の価値について綴られていきます。

限られた公演時間の中で原作の世界観をあまねく描き出すことは不可能に近いと思いますので、このような再構築は舞台化にあたっての一つの選択肢ではないかと考えます。

 

 

ただ、このような再構築にあたってアントワネットとフェルゼンの比重が著しく小さくなるのは納得するとしても、アントワネットの描き方については物申したい点が多々ありました(^^;

個人的に不満な点はそのくらいで、後は大満足。

2幕終盤ではボロッボロに泣かされてしまいました・・。

 

 

かなり大胆に再構成されているので、原作との相違点も多いです。

大きなところで言えば、今作においてはおそらくオスカルのフェルゼンへの想い・初恋はなかったことになっています。

舞台上でそう明言されているわけではないので、異論のある方もいらっしゃるとは思いますが、私はそのように解釈しています。

そしてその前提で観た方が、オスカルの感情線を追いやすい脚本になっています。

 

 

ここまで大きな変更があると、「原作とミュージカルは別モノ」と割り切れる方でないとこの舞台を楽しむのは難しいかもしれません。

このような改変は、原作者の意向を踏みにじるようなものであってはならないと思いますが、臨席されたオープニングナイトでの池田氏のご様子を拝見するとプロダクションとの関係も良好のようでしたので、原作者ご自身はすでにそのあたりの問題はクリアされているのだろうと拝察いたしました。

 

 

また、ロマンス度も低め。

オスカルもアンドレも相手を大切に想う切実な気持ちはしっかりと描かれていますが、結ばれるところまでには至りません。

でも、この純愛路線が終盤での破格的な切なさを呼んでいると、個人的には思います。

キスシーンすらないオスカルとアンドレですが、二人の想い、ほんっと泣けました・・。

 

 

原作からの相違点が多いと書きましたが、それでも大筋から逸脱することなく原作テイストに包まれながら帰結していくのは、さすがのヨンボム手腕。

台詞や歌詞の構成の妙に、思わず唸らされました。

原作どおりの所ももちろんたくさんあり、そういう場面は原作の該当箇所が脳裏にうわ~っと広がりました。

ミュージカルオリジナルの部分も、納得胸アツの所が多かったです。

そして、心の琴線に触れるイ・ソンジュン氏の楽曲もイイ!

結論として、私はこの「韓国創作ミュージカル・ベルサイユのばら」が大好きです!!

 

 

レポを書き始めたらあまりにも長くなったので、いったん<総論編>としてここで切って、詳細レポは後日UPしようと思います!