ビクター:キュヒョン

アンリ:パク・ウンテ

エレン:チョン・スミ

ジュリア:チェ・ジヘ

ルンゲ:キム・デジョン

 

 

 

※  かなり踏み込んだ内容を記載しています。未見の方はご注意ください ※

 

 

 

フランケンシュタイン10周年記念公演、2公演めの観劇はキュヒョンビクター&ウンテアンリの組合せで観てまいりました!

この回は、キュヒョンの所属するスーパージュニアのコンサートの日程と重なったため、会場にはELF(エルフ:スーパージュニアのファンの呼称)がいっぱい!

終演後そのままコンサート会場に向かうと思われる、チームカラーの青の衣服を身に着けた方々(俗称:青の部族)も散見され、満席の客席はすごい熱気でした。

 

 

と、他人事のように書いておりますが、一応私もELFの端くれww

最近はミュージカル鑑賞に明け暮れて「すじゅ活」の熱量は低下気味なのですが、日本で開催されるスパショ(スーパージュニアのコンサートの名称)には行こうと思っております。(←今回のソウルコンはパスしたので、誰にともなく言い訳ww)

ちなみに、誰からも訊かれていませんがイェペン(イェソンのファン)です。

 

 

いきなり話が横にそれてしまいましたが、コロナ禍の四演で観ることができなかったキュヒョンビクター(通称ギュビク)を観ることが出来て嬉しかったです。

ウンテアンリとの声の相性も良く、<ただ一つの未来>ではその美しいハーモニーにシビレました。

四演で共演していたためか、息もピッタリ。

傲慢で高飛車なギュビクと大きな包容力で包み込むウンテアンリ。

ケミもとても素敵でした♡

ということで、レポに突入!

 

 

☆  1幕

 

<一杯の酒に人生を盛り>

 

袋叩きにされていたビクターを救い出すための方策。

「私が全部払います!ふぅ~~~~~っ↑」と、テンション高めのウンテアンリが面白可愛かったですwww

ナンバーに入ってからはギュビクがダンスの才能を発揮!

軽やかにステップを踏んでキレイに踊ってました。

ルンゲが登場して実験素材の入手を知ると、大喜びでルンゲに抱き着いて頬にぶちゅ~っと熱烈なキスww

ウンテアンリも同じようにやろうとして・・「やっぱり無理~!」な感じになる演技が面白可愛かったです(2回め)www

 

 

<君の夢の中で>

 

清らかにどこまでも伸びていく歌声が、ウンテアンリの高潔さと決意を表しているかのよう。

歌がお上手なのはもう十分に存じ上げておりますが、「絶品歌唱」というか「名品歌唱」というか、ほんっとお上手だな~とホレボレいたしました・・。

 

 

<偉大なる生命創造の歴史が始まる>

 

低音の歌声に張りがあって深い響きもあって、こんな声が出るんだ~と驚きました。

歌い上げの圧も良くて、聴きごたえ十分。

迫力のある、とても魅力的なナンバーでした♡

 

 

☆  2幕

 

<行方不明>

 

三演の時にはとっても「神々しさ」を感じたウンテけむる。

今回は少し天上から降臨してきた印象を持ちましたが、でもやっぱり発散されるカリスマは圧倒的。

2回めにアンリと呼ばれた時の怒りは、青白い炎が燃え上がるようなオーラを感じました!

 

 

<お前は怪物だ>

 

「ダンシンギュ」の魅力を遺憾なく発揮!

少し「モーツァルト!」のシカネーダーを思わせるイメージで、華麗なステッキさばきと軽やかなステップでショーアップされたナンバー。

観ていてとても楽しかったです。

 

 

<そこには>

 

ウンテけむるは三演と同じように「頭痛に苦しむマイム」を所々に入れていて、私はやはりその所作を「アンリの記憶がよみがえってきているサイン」と解釈しました。

なので、私にとってウンテけむるは三演の時と同様「アンリの記憶に苦しむ怪物」です。

チェジヘリーヌは少しぶっきらぼうな感じなんだけれど、心根の優しさが透かし見え、ウンテけむるとのやり取りがとても微笑ましかった!

ウンテけむるの全力の「かごしぽ~~~っ!(行きた~~~い!)」は可愛かったし、二人でオーロラを見上げる姿はとても切なかったです・・。

 

 

<生きるということ>

 

チェ・ジヘさんのカトリーヌは怪物への共感や同情心がとても強いカトリーヌだと感じました。

怪物に薬物入りの水の器を渡した後、ウンテけむるがにっこり笑って「あんにょん」するのを見て突っ伏して泣き崩れる姿・・。

見ていてとても胸が痛かったです。

そこからの決意と絶唱。素晴らしかった!

 

 

企みが露呈してエバに詰問されるシーンで、ウンテけむるの眼差しを見て「そんな目で見ないで!」と泣き崩れるのも切なかったです・・。

 

 

<私は怪物>

 

「世界で一人きりになるという絶望の中に陥れてやろう」と歌った後、ウンテけむるは激しい頭痛の発作に襲われます。

そして「ビクター・・ビクター・・・ビクター、ビクター!」と何度もビクターを呼びました。

周囲を見回しながら、あたかもビクターを探しているように。

このナンバーで「ビクター」と呼ぶ演技のパターンは今までに見たことはありませんでしたし、今期の他のお三方の怪物はしていなかったので、ウンテけむる独自の表現なのだと思います。

 

 

ビクターと呼びかけた後、首の傷に触れ、上腕の接合部を視認し、ウンテけむるは声を上げて泣き出しました。

これは私の個人的な解釈ですが、頭痛発作の後、意識下にあったアンリの記憶が輪郭を伴って覚醒し、ビクターを探し求めてはみたものの・・。

つぎはぎに接合された身体を見て、自分が「アンリ」ではなく「ビクターによる被造物」だと悟った。

それ故の慟哭ではないか、そんな風に感じています。

うーーーー、切ない・・・。

 

 

<傷>

 

美しく透明感のある歌声で歌われる「傷」。

静謐で神聖さのある空間。

ラストのスキャットがとてもとても物悲しかったです・・。

 

 

<後悔>

 

ジュリアの額に口づけを落とし、コートをかけてあげる姿に「愛」を感じてウルっときました。

ジュリアへの「呪い」を避けようとわざと冷たい態度を取ったりもしたのに、結局は無残に死なせてしまう結果になったこと、その悲痛な気持ちが痛々しかったです。

アンリは「死んでも後悔しない」と歌い、ジュリアは「呪いを受けても後悔しない」と歌い、それぞれ命を散らしていき、残されたビクターが「後悔」を歌うというアイロニー。

ただただやりきれなさが募りました・・。

 

 

<北極>

 

ウンテけむるから「ビクター」と語りかけられた後の、ギュビクのアドリブの連発。

あまりにも色々言っていたので、全部は覚えきれなかったです。

おおよその感じとしては、以下のとおり。

「アンリ、君だろ?」「なぜここで横たわってるんだ!」

「起きろよ!家に帰ろう!僕が連れて行ってあげる!」

「僕が助けてあげる! 助けられるよ、アンリ!」

「起きて!」「目を開けて!」「目覚めろ!」

終盤に行くとほとんど「偉大なる生命創造の歴史が始まる」のナンバーの時と同じ台詞になっていったのが、なんとも言えない気持ちになりました。

 

 

ここまで来ても、なお同じことを望む姿。

「後悔」はするけれど「反省」はしないのか?

「人間」の愚かしさを表現しているように思えて、寂莫たる想いに包まれました。

哀しく愚かしく利己的な一人の男の物語。

切ない舞台でした・・。