超:石井一彰

海:日野真一郎

紅:MARIA-E

 

 

浅草SMOKE8回めにしてマイ楽。

めっっちゃ良かったです!

哀しみが深すぎる石井超、限りない愛で受け止めるMARIA-E紅。

そして全てを受け入れて苦悶の果てに生をつかみ取る日野ヘギョン。

心が震えるようなスゴイ舞台でした!

2024年SMOKEのマイ楽をこの公演で締めくくることができて幸せでした♪

 

 

石井さん・日野さん・MARIAさんは、お三方とも歌がすっごくお上手でその上声量もスゴイので、歌の圧がハンパなくて九劇全体が「音の渦」のただ中のようで、もうそれだけで没入感がエライことになってましたww

特に、終盤の「絶望」から「希望」への転換がとても劇的。

そして、三人の結束力というか結びつきがとても強固に感じられた組合せでもありました。

 

 

「Song.16 それでも私はあなたを」の中盤では、NWの隅にうずくまる石井超が日野海とシンクロする姿にとても胸が痛みました。

同じように苦しみ、同じように咽び、紅越しにお互いが救いを求めるように互いの姿に手を伸ばす姿が切なかったです。

「Song.17 僕の人生」に入る直前では、SWで立ち上がった日野海の瞳から涙が零れ続けていて、絶望感が涙となってあふれ続けているように見えました。

 

 

そこからの「Song18.墜落するすべてのものには翼がある」。

対峙する石井超と日野海の「絶望」と「絶望」が激しくぶつかりあう様は、昏くて深い海の中にひきずりこまれるような渦となっていて、その激流には誰も抗えないと思えるようなエナジーに満ちていました。

しかし、そんな中くずおれるように座り込みながらも、必死に原稿を差し出し「飛べるわ」と訴えるMARIA紅の優しさと強さと希望。

超と海の中点で、光を放っているように見えました。

海が鏡を撃ち砕く直前に、紅が超を抱きしめて言う台詞。

その台詞の最後にもう一度重ねられた「・・生きて!」という言葉(これ、アドリブですよね?)。

すごくMARIA紅らしく感じられ、とっても印象的でした。

 

 

統合された後の日野ヘギョンは、病状がひどく今にも息絶えそうに衰弱していました。

「Song19.  絶望」の前半を椅子に座ったままで歌い、その後歩くこともままならず這うようにして原稿を捨てたゴミ箱までたどりつき、それを胸に抱きしめる姿には命の灯を燃やすような凄絶さを感じました。

なんとか文机まで戻ってきて、ゴミ箱から原稿を取り出し、それを読みながら机の上に置いていき・・。

超や紅と会話した後、「僕たちだけでもこれを愛してあげよう」の台詞とともに、日野海はゴミ箱に残っていた原稿も全部取り出しました。

それから机の上の原稿も全部かき寄せて、机の上でその原稿たちをぎゅ~っと抱きしめたんです。

この演技には泣かされました~・・。

 

 

ラストは、感動の「Song.20  翼」。

三人が机に両手をついてお互いを見やる時には、それぞれの手が三か所とも全部机の上で重なっていたんですよね。

三人の深い結びつきを感じてウルウル・・。

そして、日野海が机に座った後紅に手を差し出すと、MARIA紅はその手を握った後にもう一方の手を重ねて両手で海の手を握りしめました。

海が反対側の超にも同じように手を差し出すと、石井超はMARIA紅がしたのとまったく同じようにまず手を繋いだ後に、もう一方の手を重ねて両手で海の手を握りしめたんです。

これは反則!

こんなの見て、泣かないわけがないじゃないですかっ!!

 

 

三人の結束と鮮やかな飛翔で締めくくられた舞台。

本当に感動的でした。

 

 

2024年SMOKE。

8回の公演を観劇しましたが、すべてが異なる組み合わせで、そのすべてがそれぞれの色合いがあり、どの回も本当に良かったです!

当初は新訳に馴染めず残念な気持ちにもなりましたが、3回目くらいからはまったく気にならなくなり公演を堪能することができました。

九劇のあの密室的な空間には、人を虜にするナニカがありますよね・・。

今後もぜひ、再演を重ねていって頂きたいです!