ダーウィン・ヤング:インソン

ニース・ヤング:キム・スンデ

ラナー・ヤング:イ・ドンギュ

ルミ・ハンター:ソ・ヨンジョン

レオ・マーシャル:イ・ギワン

 

 

韓国では4演となる「ダーウィン・ヤング」。

正式名称は、「ダーウィン・ヤングの悪の起源」です。

昨年、日本版を初見で観て、その魅力に取りつかれてしまった作品。

原作小説も読み、しばらくは頭からダーウィンヤングのことが離れないくらいにハマりました。

ソウル芸術団の作品は公演期間が短いために日程を合わせるのが難しく、今まで韓国版を観たことがなかったのですが、今回は満を持して観劇してまいりました!

 

 

ダーウィン役とニース役は、インソンさん&スンデさんの客演コンビ。

このお二人がとっっても良かった!

また、このお二人、雰囲気がすごくよく似ているんですよね。

16歳のニースは、ダーウィンそっくりで(時系列的にはダーウィンが16歳ニースにそっくりと言うべきかもしれませんが)、そんな所も魅力を感じました。

 

 

<M4 ウィンザーノット>

 

スンデニースはダーウィンと対する時は友達のように接し、茶目っ気を発揮したりもするのですが、眼差しに父性愛が満ち溢れているところがなんとも素敵。

対して、ラナーの話題になったりラナーと直接対峙する時には、表情がこわばり沈鬱な翳を落とす繊細さがとても切なかったです。

そんなニースとは対照的に、インソンダーウィンは満面の笑顔でラナーに「愛してる!」と言っていて、その屈託のなさが可愛かった!

可愛いんだけど、今後の展開を知っているから、何とも言えない苦しさも同時に感じました・・。

 

 

<M7 なにも怖くない>

 

韓国版では、三演までは少年時代のラナーと壮年・老年時代のラナーは別の俳優さんが演じていらしたそうです。

今回の四演では、ドンギュさんという俳優さんが日本版と同じように全時代を通して演じておられました。

ドンギュさん、少年時代から老年時代まで無理がなく自然な感じで、とっても良かったです!

(決して禅さんの少年時代に無理があったと言っているわけではありませんよww その点、誤解なきようお願いいたしますww)

 

 

<M10 鍵探し>

 

舞台上手でダーウィンとルミがアーカイブでパソコンを操作している時、舞台下手にヤング家の書斎が現れスンデニースが登場。

整理が苦手なニース(原作設定です)が一生懸命に本を探していて、ようやく見つけ出した時に苦笑しながらつくため息が格好良かったです!

ダーウィンのことを名前じゃなくて「あどぅる」って呼ぶのもなんだか新鮮でした。

 

 

<M12 怪物>

 

フードをかぶったスンデニースの顔つきが醜悪にも見えるほどに歪んでいて、どれほどの闇を抱えて生きてきたのかと胸が苦しくなりました・・。

心の闇と苦悩の表現がお見事!

この場面から1幕ラストまでは、本当に緊迫感があってすごかったです!

 

 

<M15 三銃士>

 

16歳スンデニースがあざと可愛くて、最高でした♪

ニース・ジェイ・バズのわちゃわちゃぶりも、とっても可愛い!

そんな中にも不穏な雰囲気があって、その匙加減もすごく良かったです。

ジェイ役のヨンハンさんは、すらっとしていて美形で理知的で石井さんのジェイの雰囲気に似ていたように感じました。

少年時代のジョーイは、韓国版では子役さんが演じていました。

可愛かったです~♪

ニースとバズがとっても可愛がっているのが伝わってきて、ボクシング?の真似したりして遊ぶところ、大人になってからジェイの追悼式で再会した時のバズとジョーイの所作と同じで、そんな所もぐっときました。

子役さんの少年ジョーイ、すごく自然な感じで良かったです。

(決して染谷さんの少年時代に無理があったと・・・。いや、あれはちょっと無理がありましたよねwwwwww)

 

 

<M23 夜がなければ>

 

このナンバーのインソンダーウィン、めっちゃ良かった!

爆発的でありながら繊細な感情表現、切実さを押し出しながらブレない歌唱表現。

息を詰めて見守りました。

ニースと同じように、えずきながら苦しむ様子、本当に痛々しかったです。

 

 

<M24  悪の起源rep2>

 

レオとダーウィンが駅で会う時、日本版はビデオを手にして登場したレオがダーウィンを撮影していたけれど、韓国版ではバッグを肩からかけているだけでした。

あれは、日本版のオリジナル演出だったのですね~。

あの演出は、本当にエグかったと思います。

あのビデオが元になって、次世代でも悲劇が繰り返されることが暗示されているような気がして、暗澹たる気持ちになりました。

対して韓国版では、ラストシーンでのルミの描き方に、一筋の希望を託しているようにも見えました。

さらに深い深淵の運命を暗示する原作ラストと、次世代の悲劇を暗示する日本版には相似性を感じましたが、韓国版のミュージカルのラストは原作とも日本版とも少し違う感性で、ラストの余韻が印象的でした。

 

 

インソンダーウィン&スンデニースのヤング父子の魅力に撃沈された公演。

韓国版ダーウィンヤング、観ることができて本当に良かったです!