超:秋沢健太朗
海:日野真一郎
紅:加藤梨里香
浅草SMOKE7回め。
身体的な相似性もあり、鏡合わせのような秋沢超と日野海。
生命の煌めきを放つような清冽な印象の加藤紅。
それぞれの内部が共鳴し合うような三人で、「The SMOKE」とでもいうべき芯の通った公演だったように思います。
冒頭の拘置所のシーンで机に指で四角形をぐるぐると描くのが印象的だった秋沢超。
終盤の拘置所のシーンで日野ヘギョンが同じ仕草で回収していくのが熟練の技っぽくて素敵でした。
2回目の観劇となった秋沢超でしたが、前回に引き続きよくお泣きになっておられて・・。
かなりの泣き虫超さんなんですね~!めっちゃ好み!!
「Song16.それでも私はあなたを」で海と紅が対峙している時、片隅で膝をかかえてうずくまる姿が儚くて可哀想で、すごく小さく見えてそのまま消えてしまいそうな感じで胸が痛みました。
「Song18.墜落するすべてのものには翼がある」では、右眼から一筋の涙が流れ続けていたのが、とても美しく切なかったです。
海の発砲寸前には、涙を流しながらも右手で加藤紅を優しく包むように抱いていて・・。
しっかと海を見据える眼差しには、昏い絶望の色ではなく何かが昇華したような透明感を感じて、まさに「終着点」という雰囲気だったのが印象的でした。
本編では強く儚く激しく格好良い超だったのに、カテコでNブロックに向けて挨拶する時、落ちている紙を踏まないようにピョコっと後ろに下がった姿がとても可愛らしくて、そのギャップに萌え萌え!
対して、日野さんは構わず紙をガシガシ踏んでいくスタイルww
その対比も面白かったです♪
日野海はややカリカチュアされたような幼さで演じられるけれど、その歌声には深さと落ち着きがあって、そのアンバランスさが不安定な人格を表しているようで独特の魅力を感じました。
そして、統合されたヘギョンになると、印象が一変。
深い絶望にとらわれながらも、その底から這いあがってくる様子がとても感動的でした。
原稿をごみ箱から取り出し、皺を伸ばして丁寧に重ね、そしてそれをぎゅっと抱きしめる姿。
文章を書き始めた時の、書き進めるペンの速さの高速さ。
生命の終わりが目前に迫っているような切迫感で、まさに「分かち書きをする間もなく一気に・一気に」書いていて、そんなところも胸に迫りました。
加藤紅は凛とした佇まいで、愛も孤独も傷も痛みもすべてを内包し、海にも超にも共鳴し共振しあっているような印象。
「Song18.墜落するすべてのものには翼がある」での加藤紅の「飛べるわ」という歌詞が言霊のように感じられ、その言葉が超にも海にも共振し増幅し、ラストの飛翔へと繋がっていったのではないかと思えてなりませんでした。
秋沢超・日野海・加藤紅。
このお三方のケミもめっちゃ良かったです!
公演ごとに様々な色合いを感じる「SMOKE」。
その魅力からは逃れられそうにありませんww