〇池田弥三郎の「食前食後」旺文社刊に幕末明治に流行ったしりとり歌が出ていました。最後まで書いてあるのは私としては珍しいので書いてみます。

 

〇池田は慶応大学の国文の先生で、昭和のころにはよくテレビに出てきました。早稲田の暉峻康隆先生や確か筑波大の金田一春彦先生などが、タレント先生としてなじみがあります。

 

〇その四

 

●可愛いけりゃこそ 神田から通う

 

●通う深草 百夜のなさけ

 (小野小町が深草の少将に百夜かよってくれば心を許すと語  

 った伝説)

●ままよ三度笠 よこたに かぶり

         ママ

●かぶりたてにふる 相模の女

 

●女やもめに 花が咲く

 

●咲いた桜に なぜ駒つなぐ

 

●つなぐ かもじに 大象もとまる

     (つけまげ)

 

〇別

 

●隠居さんの 御殿は 築地さん

 

●山谷に浅草 根津谷中

 

●夜中に起こすは 何者じゃ

 

●盲者にくわれて こんな傷

 

●きずに めんこうち コマ廻し

 

●廻しがあって床の香

 

〇廻しは、江戸の女郎は客から金をとっても、特定の時間女を独占するのではなく、いくつもの客の部屋を廻って奉仕したのでこれを俗に「廻しを取る」といいました。

 

〇しりとり歌で私が知っているのは日露戦争時に国内で歌われた「ロシヤ 野蛮国 クロパトキン」があります。残念ながら最後までは不明です。 おわり