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宇吹萌ブログ

劇作家・演出家・Rising Tiptoe主宰 宇吹萌のブログです

文化庁委託事業 2019年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業
日本のオペラ作品をつくる~オペラ創作人材育成事業 第II期 試演会

Japanese Operatic Work Creation Project 2020


選出作品 The Final Selection
《咲く~もう一度、生まれ変わるために》
 SAKURA -reborn
 作曲:竹内一樹   台本:宇吹 萌
 TAKEUCHI Kazuki, Music/USUI Mei, Libretto
 作品紹介(1.03MB)

 

 

 

【日本のオペラ作品をつくる~オペラ創作人材育成事業について】
 本事業は、文化庁委託事業として、我が国の文化に根ざした日本語によるオペラ作品を創造する新しい 創作人材の育成を目的に、気鋭の作曲家と台本作家を公募して2018年度よりスタートしました。
 事業2年目の2019年度は、初年度の試演会で選ばれた作曲家・台本作家4組が、新作オペラのピアノ版全 幕完成を目指しワークショップを重ねてきました。
 メインファシリテーターは、初年度に事業の発進を見守った中村透氏(2019年2月逝去)から2年目は池辺 晋一郎氏へと引き継がれ、ファシリテーターの郡愛子氏、齊藤理恵子氏、アドバイザーの李建鏞(イ・ゴニョ ン)氏に加えて、ゲスト講師として佐藤信氏(演出家・劇作家)、清水寛二氏(能役者)、星出豊氏(指揮者)らが、豊かな経験から 大所高所より助言してきました。
 本日は、今年度の成果を発表する場として4作品の公開試演会を行い、次年度に創作を継続する1作品を選出します。選出された作品は、2020年度にオーケストラ付オペラ作品として完成して演奏会形式による全 曲初演を行い、来年以降には日本オペラ協会による舞台上演も予定しています。
 本事業が、日本語による新たなオペラ作品の世界発信へ向けたひとつの契機となることを願ってやみませ ん。そして本日参加するすべての若きオペラ創作人材たちに、心からのエールを贈ります。

About the “Japanese Operatic Work Creation Project”
Commissioned by the Agency for Cultural Affairs, this project was launched in the fiscal year 2018 to foster new talents that can create Japanese operatic works rooted in Japanese culture by recruiting up-and-coming composers and scriptwriters by public invitation. In the end of the first year, four pairs of composers and scriptwriters were selected as a result of an open-public trial performance of the recruited candidates’ works. Through a series of workshops of the second year, the pairs completed acts of their operatic works in piano. After the passing of the main facilitator NAKAMURA Toru, who was involved since the project launch in Feb. 2019, IKEBE Shin-Ichiro succeeded the position. Ikebe along with co-facilitators, KORI Aiko and SAITO Rieko and advisor LEE Geonyong have ensured the project continues. Accomplished director and playwright SATO Makoto, Noh actor SHIMIZU Kanji and Conductor HOSHIDE Yutaka have also assisted as guest instructors using their artistic perspectives and rich experience to offer precious advice to project participants. Today, another public performance of the works of the four pairs, with one being selected as a continuation project for the following fiscal year. The selected work will be completed as a fully-developed opera with orchestral accompaniment, and its entire acts will be premiered in a concert during fiscal year 2020. Later, the completed work will be available for performance by the Japan Opera Association. We would like to give our enthusiastic encouragement to all the participating young talents and sincerely hope the project is a way for new Japanese operatic works to reach opera audiences all over the world. (Translated by Hiro Takiguchi)

メインファシリテーター 池辺 晋一郎 
IKEBE Shin-ichiro, Main Facilitator
ファシリテーター 郡 愛子
KORI Aiko, Facilitator
ファシリテーター 齊藤 理恵子
SAITO Rieko, Facilitator
アドバイザー 李 建鏞
LEE Geonyong, Advisor
コーディネーター 馬場 紀雄
BABA Norio, Coordinator
昭和音楽大学オペラ研究所 石田 麻子
ISHIDA Asako, Showa University of Music Opera Research Center

試演会 実施内容
2020年2月28日17:00 昭和音楽大学 ユリホール
主催:文化庁  昭和音楽大学    企画協力:公益財団法人日本オペラ振興会

 ※本試演会は当初一般公開を予定しておりましたが、新型コロナウィルス感染症の予防対策として急きょ公開を取りやめさせていただきました。

[1] 試演 創作者による作品紹介/抜粋演奏

《ヒメアザミ》作品紹介(1.02MB)
The Vengeance of Cirsium
作曲 /永井 みなみ 台本 /中屋敷 法仁
Music / NAGAI Minami Libretto / NAKAYASHIKI Norihito

指揮…平野 桂子  ピアノ…石渡 洸貴
きく…丹呉 由利子  佐備山伴内…中井 亮一  柄田惣右衛門…大塚 雄太

《父から継いだオペラハウスを1年で黒字化する10の方法》作品紹介(1.00MB)
Going Concern
作曲 / 藤代 敏裕 台本 / 重信 臣聡
Music / FUJISHIRO Toshihiro Libretto / SHIGENOBU Takaaki

指揮…芳賀 大和  ピアノ…上路 実早生
ひかり…長島 由佳 哲…普久原 武学 守…中井 亮一 悠太…曽我 雄一 舞…丹呉 由利子 チャオ…大塚 雄太 古川婦人…佐藤 みほ

《咲く〜もう一度、生まれ変わるために》作品紹介(1.03MB)
SAKURA -reborn
作曲 / 竹内 一樹 台本 / 宇吹 萌
Music / TAKEUCHI Kazuki Libretto / USUI Mei

指揮…平野 桂子  ピアノ…石渡 洸貴
飯田聡子…丹呉 由利子 桜…芝野 遥香 飯田俊幸…大塚 雄太 タロー…曽我 雄一 飯田貴美子…佐藤 みほ

《あなにやし‒古事記外伝‒》作品紹介(1.01MB)
ANANIYASHI -The Side Story of KOJIKI
作曲 / 茂木 宏文 台本 / 山口 茜
Music / MOGI Hirofumi Libretto / YAMAGUCHI Akane

指揮…芳賀 大和  ピアノ…上路 実早生
ナギ…中井 亮一 ナミ…佐藤 みほ ヒルコ…長島 由佳 月夜見尊…大塚 雄太 アキ…丹呉 由利子 ワズラ…普久原 武学 ヘツカ…曽我 雄一

【演奏 PERFORMERS】
 指揮 芳賀 大和 HAGA Yamato, Conductor
 指揮 平野 桂子 HIRANO Keiko, Conductor
 ソプラノ 芝野 遥香 SHIBANO Michika, Soprano
 ソプラノ 長島 由佳 NAGASHIMA Yuka, Soprano
 メゾソプラノ 佐藤 みほ SATO Miho, Mezzosoprano
 メゾソプラノ 丹呉 由利子 TANGO Yuriko, Mezzosoprano
 テノール 曽我 雄一 SOGA Yuichi, Tenor
 テノール 中井 亮一 NAKAI Ryoichi, Tenor
 バリトン 大塚 雄太 OTSUKA Yuta, Baritone
 バス 普久原 武学 FUKUHARA Takehisa, Bass
 ピアノ 石渡 洸貴 ISHIWATA Kouki, Piano
 ピアノ 上路 実早生 JOJI Misaki, Piano
 合唱 日本オペラ協会 Japan Opera Association, Chorus

[2] 講評&ディスカッション
 李 建鏞(ビデオメッセージ:字幕翻訳 延智美)  LEE Geonyong (Video Message: translated by YON Jimi)
 池辺 晋一郎 IKEBE Shin-ichiro 
 郡 愛子 KORI Aiko
 齊藤 理恵子 SAITO Rieko
 石田 麻子 (モデレーター)  ISHIDA Asako (Moderator)

 

 

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有難いことに、私の作品が選出されました。

審査結果が出てから3日以上経ってしまいましたが、遅ればせながらこの場を借りて応援して下さった皆様、先生方、ペアを組ませて頂いている作曲家の竹内一樹さん、素晴らしい演奏をしてくださった指揮者・歌手・ピアノの皆様、事務局の皆様、家族に厚く御礼申し上げます。

 

この事業は2018年にプロ作家・プロ作曲家限定の公募からスタートしました。書類選考・課題選考・1年目の試演会選考・2年目の最終選考、と度重なる審査で絞られてゆき、最終的には4ペア8人の台本作家・作曲家で切磋琢磨してきました。

この事業を通して出会った作家・作曲家の7人は、それぞれ活躍している本当に素敵な方々ばかりでした。

皆とても仲も良く、この歳になってこんなにもレベルの高い環境で学べることが嬉しかったです。

毎月のWSは私の楽しみで、WS前日は遠足の前の子供のように楽しみで眠れなくなることもありました(笑)

 

最初は「私にオペラが書けるのかな?分からないけど、やってみよう!」という感じでしたが、書き進めてゆくうちに、実はとても合っていることに気づきました。

「詩」なのです。

 

新しい扉を開くことができました。

オペラのリブレットを書くことになるとは想像だにしていませんでしたが、私の人生の流れとして「必然」だったような気がしています。

現代詩詩人として物書き人生をスタートし、詩心を活かして演劇の世界へ飛び込み、そしていま、詩が音楽に翼を与えるオペラの世界の扉を開けました。

『咲く』の登場人物の「タロー」のアリアの歌詞に「一周回って 突き抜け 進め」とありますが、私はまさに「一周回って」現代詩に帰ってきた気がします。

 

私のオペラ人生が始まりました。

こんなにワクワク、ドキドキするのは本当に久しぶりです。

人の魂を揺さぶるようなリブレットをこれから沢山書いていきたいと思います。

 

改めてどうも有難うございました。

今後もよろしくお願い致します!

 

 

文化庁委託事業「日本のオペラをつくるーオペラ人材育成事業」試演会(最終選考)無事に終えて帰宅しました。 

 

結果はまだ分かりませんが、ここまで支えてくださった皆様、応援して下さった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。 

いま感謝の気持ちでいっぱいです・・・!

 

 

文化庁委託事業「日本のオペラをつくるーオペラ創作人材育成事業」試演会(最終選考)いよいよ明日が本番です!

 

今日は最終リハーサル(ゲネ)を行い、初めて4作品通しで聴くことができました。

これまで別々の部屋で同時に稽古していたため、実は自分以外の作品の全貌は楽譜と台本上でしか知りませんでした。

「こんな感じかな?」と想像していた作品を実際に耳で聴くことによって、なるほどなぁ・・ 素敵だなぁ・・ 難しいなぁ・・(笑)など、色々と思いを巡らせていました。

 

コロナウィルスの拡大防止のため一般公開は取りやめになってしまいましたが、私たちが2年間積み上げてきたものが舞台上で生きていました。

 

最終選考なので、この試演会の後に残れるかどうかは分かりませんが、ベストを尽くして楽しもうと思います!

 

1作品目:「ヒメアザミ」 台本: 中屋敷法仁 作曲: 永井みなみ

2作品目:「父から継いだオペラハウスを1年で黒字化する10の方法」 台本:重信臣総 作曲: 藤代敏裕

3作品目:「咲く~もう一度、生まれ変わるために」 台本:宇吹萌 作曲:竹内一樹

4作品目:「あなにやし -古事記外伝」 台本:山口茜 作曲: 茂木宏文

 

 

2020年 明けましておめでとうございます!

昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願い致します!

 

2020年は少しゆったりしたペースで活動したいと思っています。

上半期にカフェ公演(2018年の「ネジ」の再演、もしくは「ネジ」のような二人芝居になるかも知れません)

9月には池袋演劇祭に参加する予定です。

オペラの新作も書きたいと思っています。

 

プライベートでは少し前に流行った「洋服を100日間買わないチャレンジ」に遅ればせながら挑戦したいと思います。

「衣装に使えるかも・・」という免罪符でついつい色々と揃えてしまったり、なかなか断捨離できずにいるのですが、パンパンに膨れ上がったクローゼットの前に立ち尽くすのは卒業します!

 

・・来年このブログを読んで「何か言ってたよ」と自分でツッコミを入れずに済みますように笑い泣き

 

皆様にとって2020年が2019年以上に素晴らしい飛躍の一年になりますように!

 

令和2年元旦 宇吹萌

 

2019年もあと5日ですね!

 

こちらのブログ、放置しぱなっしで・・なんと今年は「2019年スタート」という年頭のエントリー1つだけ・・

そして「今年もあと5日」って・・・ガーン

 

言い訳がましいですが、2019年は本当に忙しかったんですゲロー

まず、公演スケジュールに無理がありました。7月に座・高円寺、9月頭にザ・スズナリ、10月に合同公演

すべて下半期に集中、しかも一ヶ月間隔でゲロー

 

3公演中2公演は台風にやられましたし滝汗

『咲く』は最終日のバラシ後の直撃だったので、お客様には影響が出ず、これは本当に運に味方されました。

数時間ズレていたら、公演中止になっていたはずです。

10月の合同公演『レッスン』(堀川炎さんに素敵に演出して頂きました!感謝!)も、12日はさすがに中止になりましたが、これまた役者の宿泊先を確保してくれた炎さんのお陰で13日は公演を打つことが出来、私の単独主催だったらこうはならなかったと思います。最小限の被害に留まり、炎さんに感謝。(当の炎さんはこれまで3回「公演中止」に見舞われた経験があるそうです。そう考えると私の主宰人生では今回が初めての「中止」だったのは、この13年間本当に本当に恵まれていたのですね!)

 

グダグダと前置きが長くなりましたが、一つづつ振り返ってみたいと思います。

 

『皿の裏』

日本劇作家協会プログラム作品として、2度目の座・高円寺1でした。

↓プログラム説明会の様子(私は2列目、佐藤信芸術監督の斜め後ろに映っています。撮影:中島多朗氏)

こちらの作品は初演が2015年、ザ・スズナリでした。再演はとにかくスペースをどう制覇するかが勝負!

スズナリと比べて座・高円寺は天井も15メートルと高く、間口もとても広いのです。「世界観」を創るにはとにかく美術!美術!美術!

ということで、ここは腹をくくって(?)マネキン84体ゲロー ホース1500メートルゲロー その他ゲロー

一言で言えば大散財ワークス。床一面、こんな感じでした↓

 

 

 

 

散財した甲斐あって!劇場に入った瞬間「うわっ!」と言って下さるお客様もいらして、心のなかでガッツポーズをしていました(笑)

大人数の公演だったので、座組をまとめる作業もいつも以上に大変でしたが「作品のために」「作品優先で」を常に心がけ、乗り越えることができました。

終わってみれば、プラスマイナスゼロ、ではなくプラス・プラス・プラス。鈴木佳さん、石井寿美さん、柴田愛奈さん、加藤えりーさん、早川みゆきさん、など『チョコチップクッキー』『おしゃべり』組に加えて、かけがえのない出会いをくれた公演でした。

支えてくれた仲間に感謝です!

 

 

『咲く』

7度目のザ・スズナリ、新作。

民藝の前田真里衣さんのために書きました!3年ぶりに真里衣さんに御出演頂いて、稽古帰りに一緒に電車で話をしたり、普段からも頻繁にやり取りしながら、作品内容を深めていきました。

『皿の裏』がザ・ティップトーな作風なのに対して、こちらは10本に1本しか書かないようなハートフルな作品でした。『皿の裏』の反動かな?(笑)

ザ・スズナリは私にとって一番の勝負の場です。守りに入らず、常に新しいチャレンジをすることを許してもらえる場。

『咲く』でも新しい可能性を見つけることが出来ました。

命の話だったので、稽古中は(特に初期)本を読んで泣いてしまうこともあり(自分の本なのにお恥ずかしい・・)正しくは、本を読んで泣いてしまうキャストを見てつられてしまうことがあって、感情でぶれない様に仕上げてゆくのがとても難しい台本でした。

命の繋がりについて描いた根源的な作品だったからなのか、期間中にこれまで築いてきた人間関係の見直しもさせてくれるような、全てを見透かしているような、なんとも不思議な作品でした。

そして、こちらの作品は、演劇雑誌『テアトロ』に舞台写真と劇評も掲載され、とにもかくにも「結果」を残せた作品でした。

↓『テアトロ』11月号(写真の回転のさせかたが分からない・・・)

       

 

 

 

『レッスン』

世田谷シルク+Rising Tiptoe合同公演として、堀川炎さんに演出して頂きました!炎さんとの出会いは、2014年にまで遡るので割愛しますが、これまで私の作品を演出してくれた演出家の中では、ダントツの方でした。

センス・スピード・人柄・処理能力、色々な面で信頼をおいてお任せすることができました。

台風というトラブルにも見舞われましたが、炎さんのお陰で最小限の被害に留めることができました。座組の皆も素敵な方ばかりでした!

再演で「大森」を演じた廣井大輔さんが、炎さんの演出でまったく違ったキャラクターに化けていたり、コメディーパートだった「奈々ちゃん」が不思議とサスペンス調(!)に演出されていたり、岡村はあくまで岡村だったり(笑)と、上げるとキリがないのですが、通し稽古や本番を観て一番楽しんでいたのは私かも知れません。当たり前ですが、演出家が変わるとこうも変わるのですね!

主演の田中智子さんは、初演の「皿の裏」で「シナモン」を演じてくださった女優さんで、今回久しぶりに出演してくださいました。あの長い台詞を覚えてくださって、頭が下がります・・!!なにせ一番長い台詞は丸々1ページもあるんです!お見事でした、本当にお疲れさまでした!

完全素舞台でしたが、ギャラリー・ルデコが何もしなくてもお洒落で、陽のさしかたによって表情が変わるのもとても面白かったです。

炎さん、キャストの皆様、改めてどうも有難うございました!!!

 

 

とりとめもない文章になってしまいましたが・・・・

 

2019年、とても充実した素晴らしい一年でした。

いつも支えてくださる皆様、改めてどうも有難うございます!

 

来年はもう少しブログも頑張ります笑い泣き