動作法研修会報告 | めいとく日和

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出張復命書

           平成211222

                                           所  属   生活支援員



  このたび、下記により出張したので、その概要を報告します。

                 記

主催者

熊本心理リハビリテイション研究会

用 務

平成21年度第1回研修会【ボディワーク】

用務先

JA熊本教育センター

期 間

平成2112月12()13:0016:00

用務の概要(会議等の概要)

今回の研修では、知的や身体的に障害を持つ人々に対するコミュニケーション方法を「動作法」の技法を用いて学んだ。研修は実技で行い、トレーニーとやり取りを行う際の注意点や体の使い方などを、支援者がトレーナー、トレーニー役となり、動作法の実際の動き(ボディーワーク)を干川先生やスーパーバイザーの講師の先生方に教えていただいた。

(動作課題)

ピタフワ

手のひらを使ってトレーニーとやり取りを行う。トレーナーの手のひらをトレーニーの手の甲に力を入れず、包み込むように乗せる。乗せながら「ピタ」、離しながら「フワ」と声を掛け、触れられることが苦手なトレーニーに対して「触っても大丈夫なんだよ」という気持ちになってもらえるように取り組む。またピタフワのやり取りを行っている際はトレーニーの反応をよく見て、注意をトレーナーに向けるように心掛ける。

 ピタフワは手のひらだけではなく、トレーニーの一番落ち着く部位を考えて、肩や足の裏などを使って行う方法もある。

躯間のひねり

 トレーニーが仰臥位になった状態で仙骨部を中心に下半身を左右にひねり、肩を開きながら肩の力を抜く訓練を行った。

どこから始めて、どこまでで終わるのかをトレーニーが理解できるよう分かりやすい声掛けで伝える。トレーニーが自分で力を抜きながら反っているのか、力を入れて反っているのかを区別しながら取り組む。力が抜けることは気持ちいいことをトレーニーに体験してもらう。また動作に慣れていないトレーニーに対しては腰をブロックして行わずに、肩が抜ける感覚を覚えてもらうことが大切である。

腕上げ

トレーニーに仰臥位になってもらい、左右の腕をトレーナーの指示に従って上げてもらう。

躯間のひねりと同様、どこから始めて、どこまでで終わるのかをトレーニーが理解できるよう分かりやすい声掛けで伝える。課題はトレーニーによって変える。初めは手首を持ってやり取りを行い、徐々に支える箇所を減らしていき手のひらから指先のみを持って取り組み、トレーニーはトレーナーと同じペースで腕を上げてもらう。

   腕上げの動作が慣れてきたら、トレーナーが途中で手を止めたりしてトレーニーがトレーナーと息を合わせられるか試してみる。また課題の途中でひじを曲げるなど、指示にうまく答えることが出来なかった際は、間違った動きをした瞬間に「違うよ」と声を掛けて元の位置や動作に戻す。

   仰臥位の体勢が苦手なトレーニーに対しては体を起こした状態で行う方法もある。また腕上げの動作に慣れていないトレーニーに対しては最初から腕を上げた状態にして降ろすだけの動作でやり取りを行う。

あぐら座位での股関節の緩め

   トレーニーにあぐら座位になってもらい、トレーナーがゆっくり背中を押しながら股間節の緊張を緩める。

   あぐら座位で前屈してもらうと腰周りが硬く、肩に力を入れて前屈してしまうことが多い為、股間節を緩めることから取り組む。腹式呼吸を行い力を抜きながら、へそを前に出すようにゆっくり前屈を行う。トレーナーはトレーニーの動きを待って、ゆっくりと緩めながら前屈を行う。その後は両膝に頬を充てる感じで左右に前屈をしてもらう。トレーナーはトレーニーを背後からただ押すのではなく、トレーニーの股関節が緩んだ際にゆっくり押すようにする。

背そらせ、軸つくり

   トレーニーとトレーナーが前後に座り、トレーナーの両膝をトレーニーの背中(みぞおちの裏あたり)に当てて、首をしっかりと支えながら後方に反ってもらう。背反らせを行う際は、腹部を前後に出し入れすることをイメージして腰を伸ばしながら反ってもらう。また同時に背中、首を伸ばすことで「たて」の状態にする。トレーナーの当てる膝の位置でトレーニーがやり難くなることもあるので、動きや位置をよく確認して背そらせを行う。その後は再びあぐら座位になってもらい、「たて」をイメージしながら軸つくりを行う。トレーナーはトレーニーの背中の丸まっている部位に手を当てて、顎を引いてもらい「直線」を作る。軸が出来た状態で体を起こす。軸が出来た状態を感じてもらう為に親指をやや強めに背中に押し当て、そのまま下方向に力を入れる事で体重が腰に乗っているか確認する。

ふしつくり

   背中を伸ばしたままの状態で腰だけを使って背中を伸ばす。あぐら座位での動きが難しい場合は正座で行うと腰の動きが良く分かるので、正座の状態で腰の動きを確認する。また仰向けの状態で腰を動かす方法もある。

【感想】

 動作法は体の動きを意識することでトレーニー(ご利用者様)とコミュニケーションを取る技法であるが、これまでは動きばかり気になってしまい本来の意味でのコミュニケーションが図れていなかったことが分かった。動作法は普段からのやり取りがあって始めてコミュニケーションが成立する方法であり、支援する側が常に「動作法的な関わり」を行うことが重要であると考えた。また、動作法を行う上では支援する側が一方的になっては意味がなく、常に相手の動きや視線を意識することが重要である。このことは言語でのコミュニケーションが困難なご利用者様との関わり持つ上では必要なことでり、今後は動作法の動きや技法に囚われずに、ご利用者様と意思の疎通が図れるような支援に繋がればよいと感じた。 追立

【感想】

今回、動作課題を取り組んでいる際、動作の形ばかりに意識がいってしまい一番大事な「始め」と「終わり」を伝えること、褒める声掛けを怠っていることに何度も気づくことがあった。実際の現場で同じような状態で動作課題を取り組んだとしても、トレーニーは不信感を持ってしまい動作課題を最後まで取り組むことは出来なかったと思う。やりとりをすることでトレーニーは安心感をもち、トレーナーと一緒に動作課題を取り組むことができることに今回の研修では改めて気づくことができた。

今後も引き続き動作法を学び、ご利用者様に実践できるようにスキルを身に付けたいと思います。 今冨

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