春からこの夏にかけて、家族にわがままを言って気の向くままにお茶のたびをしてきました
どこでも貴重な経験ができて、印象が強かっただけに、上海が遠い存在のように感じてしまいます。
そんな一抹の寂しさのようなものを感じて、また訪れたくなったのが北外灘にある中国茶カフェ。
煌びやかな外灘の中心部よりも、ちょっと奥まった側にある北外灘の雰囲気に惹かれてしまうのですが、その窓口となる代表的な建物として「外白渡橋」があります。
外灘の北を流れる蘇州河にかかる橋で、外灘と虹口を結ぶ道路として利用されています。
初代は1856年に建設された、木造の橋でした。イギリス人の威爾斯などの20名(そのほとんどが洋行経理もしくはアヘン販売の元締め)が共同出資して設立した会社が投資して建てられたそうです。
外国人からはろくに橋の通行料を取らず、一方で中国人には厳しく取り立てていたなど様々な歴史の物語を残す橋です。
橋を渡ると、「浦江飯店」があります(現在は閉館して、改装中。今後は博物館になるそうです)
イギリス租界が生まれる契機となる、南京条約締結から4年後の1846年 。上海港開港後初めてイギリス人が経営するホテルとして創業した、ヴィクトリア朝バロック様式の華やかで重厚な雰囲気のホテルです。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、物理学者のアインシュタインや喜劇王チャップリンをはじめ、誰もが知る有名人たちが宿泊したことのある上海を代表するホテルです。
ちょうど、先日上海の美術館にてチャップリンの展示会が開催されていましたが、上海へ訪れた時の写真が何枚か展示されていました。
母も、上海の中でもここ北外灘の雰囲気に惹かれて、こちらのホテルに宿泊したことがありましたが、とても素敵なホテルでした
そこから歩いて、徒歩5分。
紅茶を商っていた英国商社の歴史建築物の中に中国茶カフェとショップがあります。
高い天井に刻まれた彫刻はリーフをモチーフにしていて、優雅で華麗な趣のある店内です。
お店の紹介文や展示品を読んでいると、ティークリッパーの風景が浮かんでくるようです
2か月前に訪れた香港で、中国紅茶の歴史に触れてきましたが、1842年に清国が英国に対して香港を割譲し、上海など5港の開港を認めることでアヘン戦争は終結しました。▶️神戸・上海・香港〜〜港町から思いを馳せる
その後、上海では1843年英国より上海に領事が派遣され開港した後、川沿いの外灘地区を英国租界地とし、茶やシルクなどを商いました。まさに、「外白渡橋」や「浦江飯店」などが誕生した頃です。上海は貿易港として発展し、1860年より世界最大の紅茶輸出量を誇ります。
上海の港からティークリッパーがイギリスまで中国紅茶を運ぶために出帆していたとは、香港に行ったからこそ改めてここ上海の歴史を感じることができました。(何度か通ったことのあるお店だったのですが、歴史の深さまで目が留まっていませんでした)
夏のたびも終わりましたが、たどり着いたところが上海の港の紅茶商社の歴史を刻む中国茶サロン。
いつもは、ショップでお土産用の茶葉を購入するだけなのですが、今回は、サロンの方でゆったり過ごそうと白茶を注文しました。白い産毛のついた新芽だけを集めて軽く発酵させて作られる高級茶です。
爽やかでほのかな甘みのある繊細な味わいがします。
歴史ある土地、歴史ある建物の中で味わうお茶は
なんとも贅沢な味わいがします
またここ上海の港街で、中国茶のある暮らしを大切にしていきたいです。
住所 上海市黄浦区滇池路100号
最寄駅 地下鉄2号線・10号線「南京東路」駅より徒歩8分
営業時間 ショップ 10時〜20時
サロン 11時〜20時
いつもありがとうございます