上海から飛行機で約3時間、香港に到着です。上海から名古屋へは、2時間ちょっとで到着するので、日本へ帰国するよりも長くなります。

 

2泊3日の弾丸ツアーでしたが、短い間にもじっくり体感できた香港のお茶文化をご紹介したいと思います。

 

 

一日目クローバー

 

大雨の香港。荷物も多かったので、セントラル(中環)の飲茶屋さんで食事をしました。

 

 

席に着くなり、すぐにお茶が出されます。

 

 

じゃじゃ、ジャーーーーーン。

 

 

 

 

これが、噂のプーアル茶パンダ

 

 

日本のお冷の代わりに、香港ではプーアル茶(ちょっとぬるめ)が出されます。

 

噂には聞いていましたが、やっぱり香港はプーアル茶なんだと、一人お茶を飲んで興奮する怪しい私。

 

 

上海は緑茶か、ただのお湯がポットで出されることが主流です。プーアル茶は、別途注文をしなければ中華料理店で味わうことができません。

 

 

プーアル茶は広東語でボーレイ茶とよばれますが、後発酵の発酵過程を特徴とする黒茶の一種です。産地は雲南省ですが、香港や台湾、広州では食事のときに欠かせないお茶です。胃腸の働きを活性化させるため、脂っこい料理を食べたときに油を流す効果があります。日本でもダイエットに効果があると一時注目されたお茶です。

 

そんなプーアル茶が、こんなに気前良く、食事前にたっぷりガラスコップに入って出してもらえるなんて! お得感満載で、初日からお茶を見てはしゃいでしまう田舎者丸出しの私でしたニヤリ

 

 

2日目クローバー

 

ラマ島の地元民から親しまれているという飲茶屋さんへ

 

ラマ島はセントラル(中環)からフェリーで約30分。香港島をぐるりと半周、景色をみている間に着いてしまいます。都会の喧騒から離れてこの島に住み、フェリーで香港まで通勤している人も多く船の乗船客の7割以上がイギリス系の人たちでした。広さ13.6平方キロメートル、香港ではランタオ島、香港島に次いで3番目に大きい島だそうです。

 

ラマ島には日本の友人が住んでいるため、行くことができましたがそんなご縁がなかったらきっと一生、訪れる機会もなかったかもしれません。ラマ島に呼んでくれた友人に本当に感謝です音譜

 

 

 

高層ビルが立ち並ぶ香港島と違って、一番高い建物でも3階建て。フェリー30分で別世界です。

 

様々な国の文化が溶け混み、不思議で怪しいオリエンタルな魅力満載の島。

 

そんなラマ島で地元の人たちから人気だという飲茶のお店に朝から行きました。

 

 

 

香港では朝、飲茶を家族で味わうことから始まります。

 

そして、またもや興奮してしまったのが、席に着いてすぐ出された、お茶ポットと透明ボール。

 

ポットからジャスミン茶をボールに注ぎ、食事をする前に自分のお皿をボールに入れて洗うのです。消毒させることが目的ですが、地元の人達の手付きがしなやかで、くるくると器用にお皿をボールの中で回転させていく様子は、とてもかっこよくて茶芸を見ているような気分でした。

 

この所作を「洗杯(サイプイ)」といいます。

 

衛生管理も整ってきている、香港島のレストランなどでは「洗杯」の習慣がなくなってきているようですが、地元の小さな飲茶のお店などでは、まだこの習慣が根強く残っていて、特に年配の方がしなやかな手つきで、楽しそうに行っている姿が印象的でした。もちろん、私も早速、見よう見まねで挑戦です星

 


パンダ一般的な洗杯のやり方パンダ

 

飲茶の一人前のセットは平たいお皿、小碗、湯呑み、レンゲと箸です。


1 まずはボールにレンゲを入れ、次に箸を立てて入れ、箸の中ほどから静かに箸に沿ってお茶を注ぎます。

2 お茶が溜まったままのボールに湯呑みを入れ、くるくると指で回しながら洗います。

 

ちなみにこの「洗杯」、私が見たテーブル席では一人の方が他の人たちの器も洗っていました。飲茶は家族など大人数で味わため、器を洗うのもお茶をつぎあうのも、香港での大事なコミュニケーションの一つなのでしょう。

 

 

 


この儀式が終わってから、湯飲みにジャスミン茶を注ぎ、美味しい点心と一緒に味わいます。

 

ゆったり時間をかけて味わう香港飲茶。お湯の継ぎ足しも自由です。

 

エビの蒸し餃子も最高のお味、毎日こんな所で朝からゆっくりお茶を味わい美味しい飲茶を食べれるなんて、何て羨ましい暮らしでしょうラブラブ

 

 

 

 

 

ジャスミン茶を味わいながら、

 

オールド香港の魔力で、時間が止まってしまいそうな不思議な感覚におそわれた、香港ラマ島の朝でした。
 
 

3日目クローバー

 

 

そんなお茶に反応している私を見て、是非案内したいお茶屋さんがあると言うことで、翌日案内してもらったセントラル(中環)にある紅茶専門のティーサロン『TEA WG』。世界各国に店舗展開を進めている、シンガポール発祥の高級紅茶ブランドであり、東京にも何店舗かお店があるようです。

 

今までのオリエンタルな魅力からガラッと世界が変わって、イギリス式の高貴なラグジュアリー感たっぷりなサロンですコーヒー

 

 

そして、驚きはその扱っている茶葉の種類の多さ。このメニューの裏表いっぱいに、紅茶のブレンドを中心とした各国のお茶が取り揃えられていて、また、そのお洒落なネーミングに、どのお茶も美味しそうで迷ってします。

 

 

この日、私は「White Earl Grey」にしました。

 

詳細の説明はメニューとは別のTEA BOOKに記載されています。英語はまるで駄目な私ですが、眺めているだけでも飽きません。

 

 

 

中国茶の1種類である、白茶(白毫銀針)とアールグレイをブレンドした、繊細で上品な味わいです。爽やかで繊細な味わいのお茶に、マカロンとの組み合わせも最高ですピンクマカロン

 

英国式ということで、あえてお砂糖を入れて味わってみました。もともと紅茶は、中国ではストレートで味わうものだったのですが、イギリスへ茶葉が渡り大流行となった時期、上流階級では、お砂糖も流行り紅茶に砂糖を入れて味わうことは特権階級のシンボルだったようです。

 

 

 

 

紀元前2737年に神農皇帝によって発見されたと伝えられるお茶は、数千年に及ぶ中国の歴史と深く結びついています。茶葉を乗せた船が香港を経由してヨーロッパに出荷され、これが後の英国紅茶となります。

(香港とお茶の歴史について  神戸・上海・香港〜〜港町から思いを馳せる

 

 

 

様々な歴史を飲み込んで、今のお茶文化を織りなしている香港。

 

 

 

 

毎日味わう一杯のお茶から、普通の観光とはまたちょっと違う角度で、多面的な香港の魅力を体感することができました。

観光ガイドBOOKの世界では味わうことのできない、地元の生活習慣を肌で感じることは、何だかその土地のパワーを体いっぱいに吸収できるようで、人を元気にさせてくれるものです。

 

中国茶の先生がよく、「中国茶の魅力は多様性のある所。様々な地域のお茶を味わい、その土地のお茶文化を体感することが大事。いくら知識を詰め込んだとしても、体感しない事には始まらない」と言っていましたが、私もやっとその一歩を踏み出せたかなと感じられた「香港発 お茶の たび」でしたキラキラ

 

 

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