第5章 一睡もできなかった富士登山から帰ったら宇宙の中に私が飛んで行った話
前回も山で起こった出来事を書きましたが、この頃の私は休みの日に1人で自然の中に行くことが習慣になっていました。
病院の勤務でとても疲れていたので、自然の中へ行き元気を取り戻すための時間がとても大切でした。
そんなある日のことです。4才年上の仲良しの姉が「富士山に登ってみたいから一緒に行かない?」と私を誘ってきました。
この姉からの誘いには本当に驚きました。
なぜなら姉は私とは全く違う超インドア派で、時間があれば家でゲームやクロスワードなどを一日中しているようなタイプだからです。おまけに虫が大嫌いなのです。
そんな姉が「富士山に行きたい!」と私を誘ってきたことに驚きましたが、私も一度は富士山に行ってみたいなと思っていたので、この機会に姉と一緒に行くことを決めました。
富士山に登れる時期は限られているため、行ったのは真夏の8月、お盆の時期でした。
福岡からまず富士山の登山口まで行くのが大変でした。レンタカーを借りて麓の旅館にまず一泊して次の日の登山に備えました。朝から富士山5合目の登山口に向かい、そこからたくさんの人の行列に加わって姉とゆっくりと休み休み登りながら、その日は富士山の7合目にある山小屋を予約していたのでそこまで頑張って登って行きました。
夕方近くなり山小屋にたどり着いた時は本当にほっとしました。夕飯を食べてすぐ、明日に備えてもう休もうということになり狭い山小屋の部屋で早々に布団に入りました。
そして、眠ろうと目を閉じると、耳元で「パチン!」という音が聞こえました。
まるで、耳のすぐ真横で輪ゴムをパチンと弾かれるような音です。
聞いたら目が覚めるような、はっきりとした音と、衝撃です。
またまた幽霊なのか、富士山の精霊なのか、何の存在なのか分かりませんが私に向かって輪ゴムを弾いたような「パチン」と言う音を鳴らすのです。
私は深いため息をつきました。
もうこれまでに何度も何度も正体不明、聞いたこともない意味もわからないそんな不思議な現象が私に起こっていたので
「またか」
「富士山でも??」
という気持ちでしたが、いささかもうそんなことには慣れっこになっていて、こうなったらもう「諦めるしかない」と
外に出て富士山の山の夜を過ごしました。
それからまた山小屋に戻って、何度眠ろうとしても同じイタズラ??をされて、結局出発する早朝までほぼ一睡もできませんでした。
こんな状態で本当は山頂への登山を続行しない方が良いのでしょうが、隣で寝ていた姉は眠れていたようだし、ここで山頂に行くのを断念するという気持ちは全くありませんでした。
一睡もしていない割には体調も悪いわけでもなく、きっと無事に登る、という気持ちしかありませんでした。
夜が明けて周りが明るくなってから、山小屋から山頂に向かって登りだしました。
ひたすら、ガレキの道を登って行きました。
8合目を過ぎ、9合目に来たあたりで、不思議なことが起こりました。
頂上に向かう登山道はほとんど一本道なので、行列になって登って行くのですが、周りの方々はけっこう高山病になっていたようで、頭が痛いとか、気分が悪いと言い出して、休憩しながら登っている方もたくさんいたのですが、
私は逆に山頂に近づいていくほど、体が宙に浮くようにどんどん軽くなっていき、楽にすいすいと登れるようになっていくのです。周りの方の足取りが重くなって、登る速度が遅くなっていくのに逆行して、私は山頂に近づくほど空気の上を歩いているようなそんな気持ちの良さになりました。
ついにそのまま山頂に到着し、私より遅れて姉がやってきました。そして山頂で休憩。
「ここが日本で一番高いところか~」と、下の景色を見てちょっと神様が下界を見るような気持ちかなーと思いました。
登ったら今度は降りていかないといけないので、あまりゆっくりもできず今度はブルドーザー道をひたすら下って下の駐車場まで暗くなる前に戻らないといけません。
2人はもうひたすら無言で山道を下っていきました。5合目まで戻り、車で予約していた宿に行き、そこで一泊しました。
「富士山に無事に登れて、帰ってこれて本当に良かったな」とその日はゆっくりと眠りました。
そして次の日の朝から福岡に戻り、姉と別れて自宅に帰って来た時にはもう夜になっていました。
行って良かったけど、自宅に無事に帰ってこれた安心感、ほっとした気持ちは特別です。
早々とお風呂に入り、ゆっくり眠ろうと思っていました。
寝る準備を済ませ、布団に入り目を閉じた瞬間、突然私の体にものすごい重力?がかかりました!!
私の体がどこかに連れていかれたのです(と私は感じましたが実際は私の体は部屋の布団に横たわったままでした)
次の瞬間、私はブラックホールのようなものすごい勢いで渦を巻いているようなトンネルの中をものすごいスピードで通り抜けさせられました。
体感では、スペースシャトルが出発した時のような、それくらいのスピードと力がかかっていました。
そしてトンネルを数秒間抜けたその瞬間、私はぽーん!!と、宇宙空間のど真ん中にいました。
ものすごいスピードや重力から解放された途端、そこは真っ暗で、何一つ、存在していませんでした。
宇宙の中には、私(の意識)しか存在していなかったのです。そして、私はひとつであり、すべてなんだ。すべてはここ(私)から始まって、終わるんだ。
その時、言葉や理性では全く無く「すべて」が分かりました。
その空間にいたのは、たった数秒だったかもしれません。
気が付くと、私はまた元の布団に横になっていました。
元の私と、何一つ変わらない私がそこに存在しているにも関わらず、
たった数秒のその体験をした私は、数秒前の私とは全くの別人になっていました。
呆然としながら、でもその時私が瞑想を始めてからこれまでのすべての不可解な出来事は、
私にこの経験をさせるための準備だったのだ、とそう思いました。
その経験が何なのか、説明することはできません。
けれど、私はその時この経験はきっと一生忘れる事はないだろうと思いました。
本当の私がどういう存在なのかその時初めてわかったのです。私たちは宇宙の中の一部でもともと何もないところから生まれてまた何もないところへ戻っていく、そんな気がしました。そして私たちは自由で制限のない存在なのだと言うことも分かりました。
自分の元の体に戻ってきたとき、私は深く感動していました。これまで自分がどんなに小さな世界で自分を押し込めて生きてきたのか、本当の自由な自分を押し殺して自分の感じること、心や魂よりも常識や理性や考えを優先し、なるべく目立たないように生きてきたこと、そんな自分を思い返しました。
「本当の私はそんな存在ではないんだな」そう深く感じてこの大きな無限の宇宙の空間の中に私たちの魂も同じように無限の可能性を持っていると感じ、これまでの自分の生き方を考え直し、また私たちに与えられたなんてすごい神様からの贈り物なんだろう目から涙が溢れ出しました。
この日以来私の人生は本当に大きく変わりました。私の考え方や心もまた大きく変わりました。あの時見た宇宙空間のように、私はもっと広く大きな世界でこれから生きていこう。そう心に決めたのです。
けれどまた次の日からこの感動の日からは想像もできない違う苦しみが私を待ちかねていたのでした。
朝起きてみると、私だけが世界が変わっていて、周りは何一つ変わっていません。また、いつもの家族で、いつものように仕事に行き、同じことを繰り返して、同じ人たちに会って、一日を過ごす・・・
あの宇宙で感じた壮大な私とはかけ離れている日常の自分。
そのギャップに耐えられず、バランスを大きく崩してしまったそれからの私はしばらく鬱状態になるのです。
それは「どちらの自分もまた、私なんだ」と落ち着くまで続きました。
私の人生の中でも、最も感動した出来事と、最も苦しい日々でした。
鬱状態になった時には、どんなに瞑想をしようとしても意識が全く瞑想状態にはなれませんでした。
混沌とした、深い闇の底に沈んだような意識状態になっていました。
この経験が、瞑想を始めて起こった純粋な不思議な体験のクライマックスでした。
これを境に、今度は私の現実の生活や仕事での不思議な出来事が起こります。
「第6章 友人との会話中に個人事業で成功する道のりがすべて見えた一瞬」
今日もお読みいただき、ありがとうございました
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