第6章 友人との会話中に個人事業で成功する道のりがすべて見えた一瞬
富士山から帰って来た後、自分の意識が突然宇宙空間に連れていかれる、
という体験をした私。
自分という存在が本当はどういう存在なのか、宇宙とは一体何なのか、を言葉の無い世界で理解し
私は宇宙そのもの、それくらい大きな存在で自分以外には何も存在しない、ということが分かりました。
その時の私は感動に包まれ、ようやく真実の自分にたどり着くことができた・・・
そう思いました。
これでもう、元の小さな小さな自分に戻ることはない、私の世界は変わったんだ、と。
けれど、変わったのは私の内面だけで次の日の朝起きてみるといつもと全く同じ家族。
同じ職場、同じ職場の同僚たち、同じ仕事。
変わっていたのは私だけで、他には何一つ変わらない日常と、人間関係がそこにありました。
自分が偉大な存在なんだ、と分かっても職場の中では注意されたり、いろいろなことを指示されたり、
そんな日常とのギャップに混乱してしまった私は完全に精神のバランスを崩し鬱状態になっていました。
以前よりも感覚がとても鋭くなっていて、他人のことも見るだけで手に取るように分かってしまうようなことも
増えたので、その負担は余計でした。
そんな状態で「普通に」仕事をすることもとても辛くなり、仕事も辞めたい、けれど仕事を辞めても何かでは必ず働かないといけないのだからどうしよう・・・そんなふうに悩んでいました。
そんなある日、友人から1本の電話がかかってきたのです。
実は私にはずっと続けていた趣味がありました。それは5歳の時に近所のバレエ教室で始めたバレエです。
ちょっと変わっていた私は家庭でも学校でもあまり馴染めず、バレエ教室に通っていたこの時間だけが唯一私にとって
本当の居場所だと感じられるようなそんな場所でした。
その時のバレエの先生はものすごく厳しく怖い先生でしたが、私のことをとても可愛がってくれて先生の家でよくご飯をご馳走になったりときには私の3つ上の先生の娘さんの部屋に泊まらせてもらって一緒にいろいろ話をしたり遊んだりしていました。
私は決してバレエが上手というわけでは無かったのですが、そのバレエ教室で20才までずっとバレエを続けることができました。
それから福岡市内に引っ越した私は、友達からの紹介でまた別のバレエ教室に通うようになり、年に1度ぐらい大きな舞台や発表会で踊らせてもらうということを大人になっても続けていました。
その時電話をくれた友人は、私の通っていた中高一貫の女子校の大親友で、彼女もまた私とは違う別の教室でバレエをずっと習っていました。お互いのバレエの発表会を見に行ったり、一緒に遊びに行ったりよくしていた仲です。
バレエが本当に大好きだった彼女は、高校卒業後プロのバレーダンサーを目指し上京していったのです。
そして見事狭き門に合格しプロのバレエダンサーとして東京で活躍していそれからました。
その後約10年が経ち彼女は東京で知り合ったご主人と結婚し子供が生まれ地元の福岡に帰ってきて自分のバレエ教室を開くことを決めて帰ってきたのです。
その時も時々彼女とは会っていて、近況を聞いたりまた彼女の踊る舞台を見に行ったりしていました。
東京でプロのダンサーとして活躍をして帰ってきた彼女の踊りは、昔の幼さが全く残っていなくて洗練された大人の本当に素敵な踊りになっていて私は心から感動しました。
その友人からかかってきた電話をとると、
「今度の〇〇日〇〇劇場で〇〇さんのバレエの舞台があるから一緒に見に行かない?」
と言う誘いの電話でした。
その電話を受けた瞬間、突然私の脳裏にある一連の映像が浮かんで来ました。
私はその親友と一緒にバレエの舞台を見に行き、終わった後その親友のバレエ教室を先生として手伝ってくれないかと誘われて
それを引き受けます。
それをまた自分の習いに行っているバレエ教室先生や、その他ある2人の知人(それが誰かもはっきりと分かりました)
に話すと、そこからもバレエの講師の仕事を頼まれます。
そしてどんどんその仕事が増えていき、バレエ講師として独立し自営業になっている私のビジョンでした。
時間にしてほんの一瞬の間のことなのに、その1年間くらいの流れや私が関わる人々にどんなふうにそれを話しているかと
言う言葉までが全て見えました。
そんなことは生まれて初めてだったので、驚きながらも私は親友に「一緒に見に行く」と返事をしました。
「あれはなんだったんだろう??」そう思いながらも、でもそれが必ず現実になるような確信も少しありました。
約束のその舞台の日を迎えました。
そして素敵な舞台を親友と一緒に見たあと、やはりあの時見たビジョンの通りに
「私の教室をバレエの先生として手伝ってくれない?」と一言一句変わらずに言われたのです。
私は半ば驚きながら、そして半ば「やっぱりそうか」と思いながら、もちろんいいよと返事をしました。
それから、その親友のかわいい生徒たちと一緒に大好きなバレエを教えながら夢のような時間を過ごしました。
好きなことを仕事にできるなんて、そして好きなことでお金がもらえるなんて!
こんな私が先生になるということを1度もそれまで考えたことがありませんでしたが、「先生」と呼んでもらえることが
本当に嬉しくて、心から感動しました。
もちろん、そのわずかな週一度だけの講師料だけでは生活していけないので、他にアルバイトをする必要がありましたが、
他のアルバイトでどんなに頑張ってでもこの仕事だけはずっと続けていきたい!そんな気持ちでした。
そしてあの時見たビジョンの通りに、私が通っていたバレエ教室の先生やその他2人の知人に私がバレエの講師の手伝いを始めた話をすると、やはり即座にその先生達みんなが「じゃぁうちでも手伝ってよ」とあのビジョンの通りに言ってくれたのです。
こうして私は一年もたたないうちにバレエの講師の仕事が次々と増えアルバイトもしなくていい位に収入を得られるようになったのです。そしてそれから15年経った今でも、講師の仕事を続けることができています。
あの時一瞬でこの道のりがすべて見えたビジョン・・・
あれは一体どこから、どうやってきたのかは未だに全くわかりません。
けれどもこれは私の身に起こった奇跡の始まりだったのです。
講師として順調な生活を送っていた私は、30歳を過ぎて
「結婚したい」と焦りを感じるようになります。
その焦りが、私の人生最大の不幸を呼ぶのですが、そこでもまた奇跡が起こっていくのです。
その話は次回
第7章モラハラ夫との結婚、そして逃亡した夜、一文無し同然で借金をして夢の国へ①
に続きます。
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