第4章 ついに私の分身が現れた!!山で起こった数奇な出来事
これも病院で働いていたのお話です。
その頃の私は病院での仕事で患者さんから病気などの重いエネルギーを受け取っていたのか、とても疲れていて仕事が終わると毎日ぐったりとしていました。
休みの日は何とか元気になろうと大好きな自然の中によく出かけていって、空気のきれいな場所で瞑想をしながらストレス解消やリフレッシュすることが増えていました。
私はもともと自然が大好きで植物や動物を見ると本当に癒されるし、何とも言えない幸せな気持ちになります。生まれ育った家の窓からは近くの山が見えて、毎日その山を見ることが日課でした。
小さな頃から父がその山に登山に連れて行ってくれていたこともあり、山に行く事は私にとって特別なことではなく自然なことでしたが、その頃はまだ今のような登山ブームでは無く「山ガール」と言う言葉なども全くない頃で、私のように1人で山に登る若い女性などほとんど見たことはなく、山にいるのは大体男性ばかりでした。
毎週仕事の休みになると近くの山だったり電車に乗ってちょっと遠くの山などに出かけて、周りに人がいなければ座ってゆっくり深呼吸をしたり瞑想していたのですが、その日は電車で1時間ほどかかる北九州市にある山に行きました。
その山に行くのは初めてで、そこを選んだのはこれまでに行ったことがなかったこと、電車の駅から登山口までがわりと近かったのでアクセスがしやすいからでした。
そこへ行く途中、ちょっとした事件?がありました。JR博多駅の切符販売機で目当ての駅までの切符を買い、電車の出発時刻が迫っていたので急いでホームに向かいました。無事に電車に乗れてホッとしたのも束の間、私はあることに気が付いて顔面蒼白になりました!!
「おつり取ってないやん!!」
切符の販売機に1万円を入れて切符を買い、急いで切符とおつりの小銭だけ取ってホームに走って来ましたが、なんと9000円のおつりを受け取らずそのまま来てしまったのです!!
気づいた時にはすでに数駅を過ぎていました。たくさんの切符売り場がある、たくさんの人が切符を買う博多駅。
「もう、無理やろうなー」とかなり落ち込みましたが、一応電車が追い越しで止まっていた時に博多駅に電話をして9000円のおつりを取り忘れたことを伝えました。
「こちらには届いていませんが、もし届いたら連絡しますので電話番号を教えてください」と言われ電話番号を伝えたものの、きっと出てくることは無いだろうなと、9000円の大金を自分のミスで失ってしまったことにけっこうショックを受けていました。
でも、今更引き返してもお金が戻ってくるわけでもないし、気を取り直して山に行こう!となるべくそのことは忘れるようにしました。
無事に登山口最寄りの駅に到着し、30分程歩いて登山口に到着しました。登り始めると、そんなに高い山ではなかったので1時間ほどで頂上に着くことができました。
その山は山頂から尾根伝いに隣の山に行くことが出来るようになっていて、その隣の山にも行ってみたいなーと思っていました。でも隣の山に行ってまた戻ってきて下山して電車まで歩いて電車に乗って家に帰るともう暗くなる時間なのでそのゆとりがなさそうでした。
その山頂にはベンチがあったのでそこに座って休憩し、隣の山に行くのは諦めた方が良さそうだけど行ってみたかったなーと思いながら目をつぶり風の音や木々の匂いを感じながらゆっくりと深呼吸して瞑想をすることにしました。
そこは山頂といえど殆ど人が通ることもなく20分くらいそこで過ごしていたでしょうか。すると人の足音が聞こえてきました。
「誰か来るな」と目を開けると、行きたかったけど行けなかった向こう側の山の方から1人のおじさんが歩いて来ました。
そして私の近くまで来て私の顔を見るなり「あんた早かったね!あれいつ追い越されたかな?さっきあっちにおったのに!」
と言ったのです。
私は何のことかわからず唖然としていると、そのおじさんは「じゃぁお先に」と言って私の登ってきた山を降りていきました。
今おじさんに言われたことが何度も頭の中で繰り返していました。私があっちの山にいた??確かにそう言ってた。私はここに座ってあの山に行きたいなーって思ってたけど。
不可解な気持ちで「もしかして」と思い、しばらく待ってみましたが向こう側の山から私のほうに来る人は1人もいませんでした。当時私のような若い女性が1人で山にいることは稀だし、しかも私はオレンジ色で目立つ色のパーカーを着ていたのでどう考えてもそのおじさんが間違えたとは思いません。
私が向こうの山に行きたいと思う気持ちが私の分身を生んでしまったのでしょうか??山ではよく不思議なことが起こると言われています。
あの時私はその場所でしばらく待っていましたが、もし本当に自分の分身に出会っていたらと思うと後から考えると怖いので、会わなくて良かった!!と思います。
あのおじさんが見たもの(人)は一体なんだったのか・・・
いや!待てよ!!もしかしたら、あのおじさん自体がもしかしたら人間じゃなかったのかも・・・
不可解に思いながらまた来た道を戻って下山し、電車に乗って帰ってきました。
そしてちょうど博多駅に着いた時、携帯に電話がかかって来て私が取り忘れた切符のおつり9000円をどなたかが届けてくれていていたことを知らされたのです。本当にありがたいなーと思いながら無事に9000円を受け取り、家路についたのでした。
これが、私が体験した山での不思議な出来事です。
次回は、ついに富士山登山へ行った私、山小屋で起こった出来事と帰ってきた夜の出来事をお届けします。
「第5章 一睡もできなかった富士登山から帰ったら宇宙の中に私の意識が飛んでいった話」
今日もお読みいただきありがとうございました
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