まず準備トレーニングですが、最初に全身の血流を内観(観察)。瞑目して、両手の指を軽く広げたまま、掌を顔の前に。少し離れたところから徐々に顔に近づけてゆき、前頭葉に圧力感を感じた位置で間隔を決めます。そこで大脳皮質部分を観察しながら、親指と人差し指の先端をゆっくりと触れ合わせます。そして親指と中指、親指と薬指、親指と小指の順で同様に行います。

 

 その時、指の組み合わせが変わるごとに、脳内の動きの変化が感じられるようになれば、「脳と肉体のムスビ」の第一段階が整います。これはそれほど難しくないので、少し練習すればほとんどの方ができるはずです。

 

 次に、両手の指先を触れ合わせることなく、少し近づけるだけで同様の変化を感じ取れるようにします。ちょうど和音が変わるように、脳内で内呼吸の高まるポイントが移動するのがはっきりとわかるはずです。「脳が動いた!」と、初めての体験で、驚くことでしょう。この技術はほんの一例ですが、ヨーガには、このようにして脳を開発する技法が目的別に数百種類もあります。


 この様にほんの少ししか体を動かさないのに脳が活発に動くわけですから、もしも全身を使ってアーサナを行えばどれだけ脳に影響があるか、推して知るべしです。

 つまり「アーサナの練習は、瞑想に耐えられる強い脳を作るために役立つ」といっても過言ではありません。なぜならハタ・ヨーガなどの密教ヨーガは、元々ラージャ・ヨーガ瞑想のための有効な準備としてあるわけですから。