肉体感覚が完全になくなるのは、真我独存に近づいた時ですので、ここでは単に境が消失して、どこまでが自分の肉体なのかわからなくなっている程度ですが、それでも空間に融けてゆく感覚はとてもリアルに感じられます。

 これは禅の世界ではしばしばあることですし、ここがヨーガ瞑想のスタートラインなのです。


 この皮膚脱落時に、前述の光輝系の五気の波を、自分の中に透過させますと、真我の浄化が可能になります。真我が浄化されれば、輝きも増しますし、透明度も高まります。ヨーガスートラでは、自身の真我(プルシャ)を観照することを説きますが、その為には幾つかの条件を満たす必要があります。


①   真我を身体の中府(鳩尾辺り)に安定させること
②   真我の輝きが一定の強さ以上であること
③   肉体感覚がほとんどなくなっていること
④   心の作用の止滅がある程度達成されていること etc
 

 以上が揃えば、自分で自分の真我を観ることができます。

 実践せずに頭で考えているうちは難しく思えますが、各段階で正しい理解と技術を用いれば、それ程困難なことではありません。


「サマディは、単なる思い込みではなく、実体験に裏付けられたリアルなものでなければならない」

それが私の結論です。