ハタ・ヨーガやクンダリーニ・ヨーガなどの密教ヨーガは、広義のシャクティ派に属しますので、様々なアーサナ等を通じて、特に生理的な側面からタパスにアプローチしようとしています。


しかしながら、古ウパニシャッドの時代には、中村元博士も言うようにジニャーナ・ヨーガやラージャ・ヨーガに代表される顕教ヨーガが主流でしたので、現在行なわれているようなヨーガ体操の類はほとんど採用されていませんでした。

 

ですからヨーガスートラやそれ以前の代表的な古ウパニシャッドには、チャクラやクンダリーニといった言葉は全く登場しません。

 

では顕教ヨーガではどのようにして生命力を制御しようとしたのか、というと、

肉体的な鍛錬(エクササイズ)ではなく、五気(プラーナやサマーナなど)を様々な段階で、動的&静止的、内部的&外部的、そして統合的&解放的に制御する事で、自らの生命(真我)を支える各要素に直接働きかけようとしました。それはヨーガスートラやウパニシャッド等に明らかです。