クンダリーニは生命の根源的な力を指す用語ですが、その真実についてはほとんど知られていません。一般にクンダリーニの覚醒というと光輝系ではなく生気系を指しますが、これは単に体内のエネルギーが大きく動いたというだけなので、ボディとマインドには一定の作用が及びますが、スピリットに対してはほとんど影響はありません。ですから大きな期待をしているとガッカリすると思います。


他方、ジニャーナ・ヨーガなどの顕教ヨーガによる光輝系クンダリーニの覚醒は、ヨーガの核心ともいえるサマディに直結します。

 

「クンダリニ」の著者アランデール師は、クンダリーニを4段階に分けて説明していますが、この一連の光輝系クンダリーニの覚醒は、まさに霊性の浄化と解放への階梯に他なりません。

 

真我独存を経て、プルシャが身体から離脱(本当は分魂なのですが、とりあえず離脱と書いておきます)、そして無(宇宙の最高原理)と合一し、さらにプルシャから分離されたアートマンが無と融合するまでのプロセスなのです。


紀元前8世紀頃から編纂された古ウパニシャッドに一貫している思想は、アートマンとブラフマンのウパース(同一化)です。カタ・ウパニシャッドによれば「ウパニシャッドの知識とヨーガの全規定を得て、ブラフマンに到達し、汚れを離れ、死を超越する」と説明されています。

 

ですから、真我独存を目標とするヨーガスートラは、言わばウパニシャッドの準備段階程度を説明する文献に過ぎません。実際に取り組めばすぐわかる事ですが、実は真我独存してからが長い道程なのです。