制感(プラチャーハーラ)について。


ヨーガスートラ8部門の最初の4部門(五禁戒&五勧戒、坐法、調気、制感)は、綜制(凝念、静慮、三昧)に至るための「準備段階」(「ヨーガ根本経典」佐保田鶴治博士)として位置づけられています。

 

前回ご紹介した調気(プラーナヤーマ)は、坐法(アーサナ)に於ける安定を得る為に不可欠な技術ですが、特に「内外の対象を排除したもの」(2-51)という第四の調気をマスターすることが必須となります。

ところが「内外の対象を排除」するのは、かなり難易度が高く簡単にクリアできる課題ではありません。そこで「制感」を練習することになります。

 

「制感とは、諸感官が、それぞれの対象と結びつかない結果、まるで心自体の模造品のようになった状態をいう。」(ヨーガスートラ2-54「ヨーガ根本経典」)


つまり「諸感官が、それぞれの対象と結びつかない」境地を体験し理解することが「内外の対象を排除」する上で不可欠な要件なのです。


さて巷間のヨガ本を開きますと、制感の説明として「感覚を研ぎ澄まし、集中力を高めること」を求めるものが目に付きますが、果たして正しいといえるでしょうか?