さてこのプラーナヤーマですが、

結論を言うならば、自身の五気を動かすことで、自分を取り巻く大気のプラーナを制御する技術なのです。ですから「調気は外部的と、内部的と、静止的なはたらきとからなり~」(2-50)という話になるわけです。

 

ところで大概の解説者は、ここですぐに調気法=クンバカと誤解してしまうのですが、それでは「内外の対象を排除したものが第四の調気である」という2-51の句を説明することができません。ですからここは『内外のプラーナを動的&静止的に制御し、さらに進んで、内外の境をなくして統合的にコントロールする』と文字通り解釈すればよいのです。ですから調気法を呼吸法と同じだと解釈するのは適切でないと言えます。

 


もしもプラーナヤーマがきちんとできれば、自分を取り巻く大気の質が一変しますので、それは周囲の人たちにもわかります。空間が波立ち、歪んでくるからです。初めての方はかなり驚かれますが、それが本来のプラーナヤーマの姿なのです。


ヨーガのレベルは、外見的には難しいアーサナの形の出来具合で判断されがちですが、その程度ならば、バレリーナや新体操の選手等でも簡単にこなします。でもプラーナヤーマとなりますと、そう簡単にはマスターできないでしょう。少なくとも1~2年の練習が必要だからです。


汗を流すだけの体操系のヨーガに満足できなくなったら、次はプラーナヤーマに取り組まれては如何でしょうか。きっとヨーガの本質に一歩近づくことができるはずです。