プラーナヤーマというとすぐに呼吸法だと想われる方が少なくないと思います。
しかしながら佐保田鶴治博士は「ヨーガ根本経典」の中で次のように述べておられます。
「調気法プラーナヤーマは呼吸法と同一ではない。」
ではプラーナヤーマと呼吸法は何がどう違うのでしょうか?
その答えがわかりませんと、ヨーガスートラの境地を体験することはできません。
なぜならアーサナにおける「安定」(2-46)の重要な鍵を握っているからです。
佐保田先生は「気(プラーナ)というのは体の中と外の世界にある生命のエネルギーであって、カラダもココロもこの気によって動き、はたらくのである。これをコントロールするのが調気である。」と説明されていますが、この「体の中と外の世界」というのがキーワードなのです。
大自然には生命活動を支えるプラーナ気が満ちています。
これはウパニシャッドにも記されている通りです。
そして自らに眼を向けますと、身心はプラーナ気をはじめとする五気(プラーナ、サマーナ、アパーナ、ウダーナ、ヴィアーナ)によって支えられています。五気は、それぞれ肉体の特定のエリアを活動拠点とし、生命活動をサポートしています。この五気を総称してプラーナという場合もありますが、できれば五気の各性質をよく理解されることをお勧めします。