「ヨーガスートラ」によって古典的なヨーガの体系はほぼ確立されますが、

その中核は次の8部門になります。


①五禁戒(ヤマ)、②五勧戒(ニヤマ)、③坐法(アーサナ)

④調息(プラーナーヤーマ)、⑤制感(プラチャーハーラ)

⑥凝念(ダーラナ)、⑦静慮(ディヤーナ)、⑧三昧(サマディ)。


このヤマとニヤマは「ヨーガ根本経典」(佐保田鶴治博士著)によれば

「ヨーガ行を修習するにあたっての予備条件」(P45)だそうです。

 

ちなみに坐法、調気、制感の三部門も「ヨーガ行法の本命ではないから、外部の部門とよばれています」とのことで、博士はここまでをヨーガにおける「準備段階」とされています。


では何がヨーガのメインディシュなのかというと、

博士いわく「凝念から以後の三部門がヨーガの本命」なのだそうです。

 

つまり一般にヨーガのメインアイテムと思われている呼吸法やアーサナは「外部の部門」であり「準備段階」なのですから、それが上手くできるようになったからといって軽々しくヨーガをマスターしたなどと思わない方がよい、ということのようです。本当はそこからが長い道のりなのですから。


このヨーガスートラは、ウパニシャッドなどと比べても、内容はしっかりしていますし、かなりよくまとまった文献だと思います。ヨーガに真面目に取り組もうという方には必読書の一つだといっても過言ではないでしょう。