インドのジャイナ教でもヨーガは重要な修行法の一つです。

「ジャイナ教徒は瞑想(ヨーガ)を行なった。ジャイナ教のサンヴァラの概念とパタンジャリのヨーガの概念は、本質的な意味において一致している。」(「ヨーガとサンキャ哲学」P44)とありますが、かなり昔から身・口・意の三密を重視していました。

 

白衣派のヘーマチャンドラ(12世紀)が書いた「ヨーガ・シャーストラ」には、第5章から第6章にかけて「霊魂を身体から分離させる術」と「霊魂を他人の身体に入らせる術」という大変興味深い記述があります。

 

ジャイナ教の技法について詳しいことはわかりませんが、私の体験からの理解では、真我(霊魂)を運転活用するには、その前提として、”自己の内に完全に鎮めること”ができなければなりません。

そして独存状態を確定したのちに肉体から分離するわけです。

ですからヨーガスートラの説く真我独尊が、終境地だとは思いません。

 

ところで前述の「霊魂を身体から分離させる術」と「霊魂を他人の身体に入らせる術」は、原理的には共にシャクティパッド能力に直結しますので、とても大事な練習です。

ただ、ジャイナ教の場合はわかりませんが、ヨーガのシャクティパッドの場合は、霊魂ではなくシャクティそのものを動かすことになります。

 

また、タントラのシャクティパッドの場合ですと、前者の「霊魂」は自らの真我ですが、後者の「霊魂」は神我になります。つまり「無のエネルギー」を相手に注ぎ込むわけです。

 

どのチカラを使うかによって当然やり方も異なりますので、そのあたりは特にきちんと学んでおく必要があります。