タントラとヨーガ 考-101
ヨーガとタントラについて技術的な側面から解説します。(「ヨーガの極意」より)*********************************************** 老子が道徳経に於いて、「道可道 非常道」と説いているように、真理の核心を言葉で伝えることは不可能なのです。この伝承方法に似たものは、仏教のみならず、ヨーガ、丹道、古神道等にも多く見ることができます。私も各地で数百回体験しましたが、エネルギーのやり取りを通して、静寂の内に、無言で伝承が行なわれるものです。バジアン師が来日されたときに習った技法の多くは、3HOのマニュアルにはほとんど掲載されていませんが、仮にあったとしても、その場で練習することにこそ、真の意義があったものと思います。なぜなら「場」が違うからです。また、幸いにして師からはシャクティパッドといわれる特殊な訓練を、米国公使官邸においてマンツーマンで何度も受けることができました。私自身、チャクラやクンダリーニの明確な体験を得られたのは、そのときが初めてでした。一人で努力するのも大切なことだとは思いますが、もっとも大事なのは、然るべき師の居られる前で練習することなのです。仮に摩訶迦葉のような天才であったとしても、良師との邂逅の場数を踏まずに、マニュアルなどを頼りに独習していたら、果たしてゴールに至れるかどうか、とても疑問です。弟子を悟り体験に導くことこそ師の果たすべき役割なのですが、その手段の一つがシャクティパッドであり、外見的には粘華微笑の世界なのです。なぜなら奥義伝承は、言葉を越えた次元で行なわれるからです。