消風散(しょうふうさん)

消風散は、漢方の古典医書『外科正宗(ゲカセイソウ)』に収載されている処方です。
梅雨や夏の時期に悪化する皮膚炎(アトピー性皮膚炎など)によく使用されます。
患部が赤く、かゆみが強く、かきむしって分泌液がでるような皮膚炎の効果があります。
効能効果
体力中等度以上の人の皮膚疾患で、かゆみが強くて分泌物が多く、ときに局所の熱感があるものの次の諸症:湿疹・皮膚炎、じんましん、水虫、あせも
 

消風散の構成生薬(13種の生薬から構成されています)

・防風・荊芥・蝉退・牛蒡子-袪風、疏散作用があり、痒みや患部が広がるのを抑える作用があります
・蒼朮・木通-利湿作用により、水疱や分泌液を改善します
・苦参・知母・石膏-清熱作用があり、発赤、熱感を改善します
・地黄・当帰・胡麻-補血、滋陰作用があり、皮膚の乾燥や栄養障害を改善します
・甘草-清熱作用とともに、諸薬の調和があります
 

消風散の応用

炎症がひどい場合-黄連、黄芩、黄柏、金銀花、連翹などの清熱解毒薬を追加
         (黄連解毒湯、温清飲、銀翹解毒散、涼解楽、清営顆粒など)
分泌液がひどい場合-白朮、防已、麻黄+石膏などの利水薬を追加
          (越婢加朮湯、防已黄耆湯など)
乾燥も強い場合-当帰・地黄・何首烏・麦門冬など補血や滋陰薬を増量・追加
           (温清飲、当帰飲子、滋陰降下湯など)
ストレス・イライラで悪化-柴胡、香附子、薄荷、菊花など疏肝解鬱薬・疏散解表薬        
           を追加(加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏など)
その他-併用を検討するとよいもの
      クマ笹エキス(ササヘルス)-慢性化している皮膚炎、アレルギー、皮膚の炎症、痒みが強い、食べ物によって皮膚が悪化、などの場合
      シベリア霊芝・チャガ・ルミンA-皮膚の抵抗力が落ちている場合