梅雨の季節を元気に乗り切りましょう。

湿気の多い梅雨の時期は、体がだるい、頭が重い、頭痛、顔や手足がむくむ、食欲不振、下痢など、体内に不要な水分が溜まりこんで起こる症状が現れやすくなります。
 

梅雨の時期に体調が崩れやすい人の特徴

・もともと胃腸が弱い
・体の新陳代謝が弱く、むくみやすい、冷え症
・舌がぼってりと大きくて、舌の脇に歯型が付く、舌に厚い苔がある
・色白でぽっちゃり体型     など
 

日常生活の注意

・冷たい物を摂り過ぎない
・下半身や腹部を冷やさない
・ウォーキングなど適度な運動をする
・お風呂にゆっくり入る
 

梅雨の時期に役立つ漢方薬

藿香正気散(かっこうしょうきさん) 勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)

藿香正気散(かっこうしょうきさん)は、「湿邪しつじゃ」を取り除き、脾胃(胃腸機能)の働きを高めてくれる漢方薬です。湿邪とは、多湿の環境や水分の摂り過ぎなどにより体調不良を引き起こす過剰な湿気のことです。

こんな方にお勧め

 ・冷たい飲食物を摂取すると食欲不振や下痢をしてしまう方

 ・梅雨や湿度が高いと、頭重感、身体の重だるさや全身倦怠を感じてしまう方

 ・胃腸が弱く麻黄湯や葛根湯などの発汗作用の強い漢方薬が合わない方

 ・夏風邪や胃腸症状の風邪でお困りの方

 

胃腸が強くない方や冷たい水分を取り過ぎている方などは、湿度や蒸し暑さ、冷房などによる影響を胃腸に受けやすく、胃腸炎、夏風邪、疲労倦怠感、アレルギー症状などを起こすととがあります。

特に暑い日に冷たい飲食物(清涼飲料水・果物・生物)を摂り、冷房で胃腸を冷やしてしまう事で下痢・食欲不振などの胃腸症状・全身倦怠などが起こります。

 

○五苓散(ごれいさん)

五苓散も水分代謝を改善する代表的な漢方薬です。

のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う水様性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔などに使用します。
雨の降る前の頭痛に効果がある場合が多いです。

 

○半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

 もともと胃腸が丈夫でない方で、湿度や疲労、冷たい物の摂取などにより起きためまい、頭痛、頭重感、悪心、嘔吐、食欲不振、全身倦怠感などによい漢方薬です。胃腸が弱く、痰湿(水毒)による副鼻腔炎・後鼻漏にも効果があります。

 

○苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

苓桂朮甘湯は、体内で不要な水分が溜まり、頭部や精神・意識をコントロールする「心(しん)」に悪影響が及んだ時に用いる漢方薬です。めまい・立ちくらみ・耳鳴り・のぼせ・動悸・息切れ・神経症などにも使用されます。

 

日常生活の見直しや漢方薬を上手に使って、元気に梅雨の時期を乗り切りましょう。

 

                                         漢方相談 明正薬局

                                           薬剤師 福本哲也