藿香正気散(かっこうしょうきさん) 勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)

 

中国宋時代の漢方書「和剤局方(わざいきょくほう)」に記載されている処方です。
藿香正気散(かっこうしょうきさん)は、「湿邪しつじゃ」を取り除き、脾胃(胃腸機能)の働きを高めてくれる漢方薬です。湿邪とは、多湿の環境や水分の摂り過ぎなどにより体調不良を引き起こす過剰な湿気のことです。

日本は湿気が高いため湿邪に侵されやすい環境にあります。湿邪が多いと胃腸の働きが弱まる(食欲不振、吐き気、下痢)、体が重くてだるい、などの症状が出ます。

 

こんな方にお勧め

 ・冷たい飲食物を摂取すると食欲不振や下痢をしてしまう方

 ・梅雨や湿度が高いと、頭重感、身体の重だるさや全身倦怠を感じてしまう方

 ・胃腸が弱く麻黄湯や葛根湯などの発汗作用の強い漢方薬が合わない方

 ・夏風邪や胃腸症状の風邪でお困りの方

 

 

胃腸が強くない方や冷たい水分を取り過ぎている方などは、湿度や蒸し暑さ、冷房などによる影響を胃腸に受けやすく、胃腸炎、夏風邪、疲労倦怠感、アレルギー症状などを起こすととがあります。

特に暑い日に冷たい飲食物(清涼飲料水・果物・生物)を摂り、冷房で胃腸を冷やしてしまう事で下痢・食欲不振などの胃腸症状・全身倦怠などが起こります。

処方解説

藿香正気散(かっこうしょうきさん)は 、独特の香りによって湿を取り除く芳香化湿薬や気(体のエネルギー)の巡りを良くして脾胃(消化器系)の働きを調整する理気和中薬・邪気を体外に発散させる解表薬を配合した漢方薬です。

 

主薬の藿香(カッコウ)は胃腸の消化力を高め、嘔吐、下痢、発汗、解熱作用があり、蘇葉(シソヨウ)・白芷(ビャクシ)・桔梗(キキョウ)は発汗や解熱、鎮痛作用をもち、厚朴(コウボク)・陳皮(チンピ)・大腹皮(ダイフクヒ)は胃腸の蠕動運動を高めて膨満感やガスの改善、半夏(ハンゲ)・生姜(ショウキョウ)は制吐作用・痰を取り除いて咳を止める作用がそれぞれあります。甘草(カンゾウ)・大棗(タイソウ)は、胃腸の回復や諸薬の調和に役立ちます。

 

これらの作用によって悪心・嘔吐・胸苦しい・重だるい・食欲不振などの症状とともに悪寒・発熱・頭痛なども改善する働きがあります。
 

藿香正気散は、胃腸症状悪心・嘔吐・腹痛・下痢・食欲不振などを伴う感冒・暑さによる食欲不振・急性胃腸炎・下痢・全身倦怠、にもおすすめの漢方薬です。