温清飲(うんせいいん)

 

「温清飲」は、漢方の古典医書『万病回春[マンビョウカイシュン]』に収載されている処方で、炎症をしずめる働きのある漢方薬「黄連解毒湯」と血を補う「四物湯」が合わさった漢方薬です。

 

当薬局では、温清飲をアトピーなどの皮膚炎や婦人科系(月経不順や更年期症状)によく使用しています。

 

①皮膚の改善

温清飲は、からだにある病的な熱を冷まし、炎症(赤みやかゆみ)を鎮めながら、全身に血(栄養)を補うことで肌の乾燥を改善します。

体が温まると赤みやかゆみが出るタイプで、皮膚は乾燥しているような湿疹・皮膚炎におすすめです。

②のぼせ、ほてりなど更年期症状や月経不順の改善

温清飲は、四物湯で婦人科系の血液(栄養)を補い、血液循環を整え、月経を調整し、黄連解毒湯で熱症状や炎症を鎮めたり出血を止めたりする働きがあります。

効能・効果

体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの次の諸症:月経不順、月経困難、血の道症(※)、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎
(※)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

 

  • 皮膚がカサカサしてかゆい、温まるとかゆい

  • 熱感や赤みのある皮膚のトラブルがある

  • 体内に熱がこもりイライラや生理不順がある

温清飲の応用

・乾燥が強い-百合、玉竹、麦門冬、天門冬などの滋陰薬を加える

・炎症が強い-大黄、連翹、金銀花、紫花地丁、蒲公英など清熱解毒薬を加える

・分泌液もでる-苦参、竜胆、土茯苓などの清熱燥湿薬を加える

・月経痛が強く、血塊がでる-桃仁、紅花、益母草、三稜、莪朮など活血・破血薬を加える

・イライラなど精神神経が強い-柴胡、香附子など疏肝薬を加える