疎経活血湯(そけいかっけつとう)


疎経活血湯は、漢方の古典「万病回春」(明代)に収載の処方です。

 

血虚(血の栄養不足)と血行不良、水分代謝の不調、風湿痺(気圧の変動や湿度など気候の変動、生活環境による痛み)による痛みやしびれを改善する


四肢の関節や、腰から下あるいは肩、首、腕などが痛んだり、しびれたりして日常生活に支障を来している方が少なくありません。
痛みやしびれは、夜間にひどくなったり、寒冷・湿気で悪化するなど、原因やあらわれ方もさまざまです。




   漢方では「不通則痛(通ぜざれば則ち痛む)」といって、気血水(エネルギーや血液・水分代謝)の流れが悪くなって痛みが生じると考えられています。
疎経活血湯は、血を補いながら、血の巡り、水の巡りを良くしながら痛みを改善する働きがあります。また、羗活、防風、白芷など袪風湿薬と呼ばれる生薬の配合によりしびれや強ばりの症状も改善します。 

●日中よりも夜に痛みがひどくなる。
●過度の飲酒(美食)により痛みが増す。
●急性期には、触ることさえできない激しい痛みが多い。
●慢性期には、一ヶ所に固定したがんこな痛みを訴える。

●半身(特に左側)が痛むことが多い。

 

疎経活血湯の応用

・血流の不調が強い場合は、折衝飲、田七人参、乳香、没薬などの活血薬を追加

・しびれが強いときは、地竜、食用アリなどの通経活絡薬を追加

・冷えの影響が強い場合は、細辛や附子などの散寒止痛薬を追加

・加齢や筋力の衰えがみられる場合は、杜仲や続断、骨砕補などの補腎・強筋骨薬を追加