すごく辛い訳ではないが、気になる症状ってありますよね。

 

今回は、まぶたのピクツキについてのお話です。

よく起こるまぶたのピクツキは、通常片方だけに起こり、睡眠不足、ストレス、過労などが原因といわれています。

両側に強い痙攣が起きたり、まばたきに影響があるような時には、目や脳の神経の病気の可能性もあるので眼科を受診される方がよいでしょう。

 

また、まぶたのピクツキ自体は大した症状ではないかもしれませんが、睡眠不足、ストレス、過労などが原因といわれているように、心身が疲弊してきている信号でもあり、ここで体調を整えるようにしておかないともっとひどい不調が起きてしまう可能性もあります。

 

 

漢方医学では、まぶたがピクピクと痙攣するのは、まず肝の機能の不調によるものと考えられています。

 

※肝とは、血液を蓄え、汚れた血液をきれいに浄化する機能と情緒や精神面を安定させる機能をもった臓腑で、現代医学で言う肝臓以外に目や筋肉・筋・関節・自律神経などと深い繋がりがあります。月経周期とも深いつながりがあります

 

肝の機能を乱す要因として、睡眠不足、ストレス、飲酒、過労などがあります。

 

まぶたのピクピクが頻繁に起こる場合は、肝の不調ととらえ、肝の機能を良くする漢方薬が用いられます。

以下の漢方薬がよく使用される処方で、まぶたのピクツキ以外の症状、体調によって選ぶと良いです。

 

1.肝気鬱結・肝血虚(かんきうっけつ・かんけっきょ)

 まぶたのピクツキ以外に、イライラ、ゆううつ感などの精神症状や生理不順、生理痛がある。

 逍遙散(逍遙顆粒しょうようかりゅう)、加味逍遙散、抑肝散加芍薬など

 

2.肝血虚(かんけっきょ)・気血両虚(きけつりょうきょ)

 まぶたのピクツキ以外に、貧血、ふらつき、動悸など血が不足している状態、疲労倦怠、立ちくらみなども起きる場合もあります。

 四物湯(しもつとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)など

 

3.肝陰虚・肝腎両虚(かんいんきょ、かんじんりょうきょ)

 まぶたのピクツキ以外に、目の疲れ、ドライアイ、視力の減退など。足腰のだるさ、生理不順、小水の不調なども起きる場合もあります。

 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

 

4.肝血虚・痰湿(かんけっきょ・たんしつ)

  まぶたのピクツキ以外に、むくみ、体が重だるい、雨の日に調子が悪い

 人参当芍散(にんじんとうしゃくさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

 

上記が肝の不調による目のピクツキによい処方ですが、人によって肝の不調ではなく、水毒(水分代謝)が悪くて起こることもあります。

その場合は、五苓散(ごれいさん)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)などの利水薬が適します。4の人参当芍散や当帰芍薬散にも利水の働きがあります。このタイプの人は、冷たい飲み物を控え、暖かい物を摂るようにしましょう。

 

また、漢方薬にプラスして、肝臓に良い栄養剤・ミラグレーンやレバコールなどを併用すると一層体調改善に役立ちます。

まぶたのピクツキは、心身の不調の前兆と思い、しっかり睡眠をとり、適度の運動と休養、ストレスを溜めないよう感情のコントロール、生活環境の改善などを心がけると良いと思います。