初盆のご当家からご依頼がございましてお盆のご供養にお伺いさせて頂きました。

お身内の方がお亡くなりになると言う事は計り知れない苦しみであることは想像に堪えません。お釈迦さまは生・老・病・死は苦であると説かれております。死は亡くなる本人もそうかもしれませんが残されたご遺族にとっても苦であると思われます。少しづつ前を向いていけるようになるには時間が必要なのだと思います。

 お盆は仏様の世界の門が開き三泊四日の里帰りが出来、ご遺族や仏様にとって、とても大切な期間であることは言うまでもございません。初盆のご供養で和尚を呼んでいただくご当家には施餓鬼供養のためのお供物の用意をお願いしております。先程三泊四日の里帰りと申しましたが、仏様の世界は平等なので門が開いて帰る家のある仏様だけでなく帰る家のない仏様も今世に来られます。ご当家にはご負担をお掛けいたしますが、そのような仏様方に供物をご用意して戴き、和尚が真言密教の作法によりご当家の仏様と共にご供養させて頂きました。ご自分の家の仏様だけでなく、供物も帰る家もない仏に自前のご負担で施しをして頂けるご当家には感謝の一語につきます。

初盆の慌ただしさのなか和尚を呼んでいただき施餓鬼供養のお供物をご用意頂きましたご当家にこの場をお借り致しまして敬意と感謝を表しお礼を述べさせて頂きます。

       

             {ありがとうございました。}

 

報われない仏に施しをして頂いたご当家には家紋繁栄吉祥ならんことをご祈願させて頂きます。

              明正寺 沙門 妙智               合掌