【カバー袖部の内容紹介を引用】
一九八二年から二〇一四年まで約三二年間にわたり放送された国民的人気番組『笑っていいとも!』。
戦後の闇市から発展した新宿でスタジオアルタを拠点とし、タモリが司会を務めた、いまだ語り継がれるテレビ番組である。
司会者タモリおよび『いいとも!』を考察することは、テレビのみならず戦後日本社会を考察することにもつながる。
それは、現在のネット社会におけるテレビの可能性をも浮き彫りにさせることになるだろう。
衝撃のグランドフィナーレから一〇年を迎える今、改めて「いいとも!』とは何だったのかを問う。
【引用終わり】
「漫才ブーム」があり、『オレたちひょうきん族』が流行った時代。「必要以上に前に出ない」「密室芸人」で、世間のブームとはかけ離れた一般受けしにくい芸人タモリがなぜ司会に抜擢されたか?
それは、プロデューサーの横澤氏が「知性」を感じられる息の長いバラエティ番組を作りたかったから。
タモリが優れている点は「観察力」。それで不思議な立ち位置の司会者になり得た。
毎日ゲストを繋いでいく「テレホンショッキング」。ぶっつけ本番の面白さ。ハプニングを楽しむ。
仕切らない司会。攻撃的知性。「国民のおもちゃ」を演じる。意味や思想を拒む「無」への志向。
有能な素人を出演させる。素人をコントロールしない司会。観察し面白さを発見する。
タモリはルール(守る/守らない)より、リズム(合う/合わない)が好き。
たけし、さんま、タモリのお笑いビッグ3に共通するものは、ニヒリズム、成功や権威に執着しない潔さ、したたかな軽さ。
出演回数が多かったレギュラー。関根勤、鶴瓶、中居正広、香取慎吾、草薙剛。
社会学者による、僕にとっては『どーでもいい能書き」の本ですが(笑)、
懐かしいなぁと昔を思い出しながら読みました。
「「笑っていいとも!」とその時代」太田省一(集英社新書)
【7月17日読了】
【オススメ度★★★】