「やばい源氏物語」大塚ひかり(ポプラ新書) | 乱読家ぽちんの独り言

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貴族の女性たちだけでなく、一条天皇、藤原道長、藤原公任ら一流の男からも愛読された源氏物語。

その書かれた当時の人たちからすれば、型破りで、斬新で、ラディカルで、やばい、実験文学だった。


その理由は、、、


●史実をベースに描かれてあること。

正式な文書が漢文だった時代に、物語こそ真実を伝えるものとして仮名で書いた。


●ブスが多く登場。 

主人公の妻や恋人として登場した3人のブスを詳しく描写。ブスを悪役に描かない(源氏物語以前はブス=悪役だった)。逆に美女はあっさり描写。


●実在した天皇や嫂(あによめ)をモデルに。桐壺帝は醍醐天皇がモデルとなるなど。


●心霊スポットや墓域を舞台に。


●初めて「生き霊」を描く。


●その他、嫉妬心、病気、貧困、身体模写、ヘンタイ、恋愛観、毒親など。



今を生きる我々は、「今」の視点で過去を見て評価しがちですね。

日本文学の古典である「源氏物語」についても、「今」の視点で評価しがちですが、当時の人たちの視点で「源氏物語」を見ると、メッチャやばい物語やったという内容の本でした。



「やばい源氏物語」大塚ひかり(ポプラ新書)

【5月4日読了】

【オススメ度★★★】