【カバー裏側の内容紹介より引用】
5年生存率が8・5%と低く、他のがんと比べても特にタチが悪いと知られる膵臓がん。膵臓は胃の後ろにあるため通常のエコー検査などでは見つけにくく、がん細胞が周囲の組織や臓器に染み込むように速く広がるので手術で切除するのも難しい。だが最近では超早期に治療すれば5年生存率90%超という成績もあり、いかに早く見つけるかが生死を決める鍵になる。黄疸や背部痛ほか特徴的な初期症状から、検査法、化学療法、ロボット手術など最先端の治療法まで、膵臓がんのエキスパートがわかりやすく解説。
【引用終わり】
⚫︎膵臓には、「インスリンなどのホルモンを生産・分泌して血糖をコントロールする役割(内分泌機能)」「消化酵素を含む膵液を生産・分泌して食べ物の消化を促す役割(外分泌機能)」がある。
⚫︎お腹の中の臓器として一番背中側に位置しており、検査、手術がしづらい場所にある。
⚫︎強力な消化液・膵液が膵管の外に溢れ出ると膵臓自身を消化してしまう(膵炎)。
⚫︎慢性膵炎は、膵臓の細胞がじわじわと破壊される病気。大量にアルコールを飲み続けている人は慢性膵炎にかかりやすい。そして慢性膵炎の人は膵臓がんになりやすい。
⚫︎活性化した膵液が漏れて炎症を起こす急性膵炎は、原子炉のメルトダウンのようなもの。
⚫︎膵臓がんは、好発年齢は60代半ばから70代。男性がやや多い。周囲に染み込むように広がるタイプ(浸潤性)のがん。
⚫︎膵臓がん全体の5年生存率は8.5%と極めて低い。理由は大部分がステージ3、4で見つかっているから。転移前のステージ0で発見できれば5年生存率は85.8%。
⚫︎ステージ1以上の膵臓がんの多くは、手術だけでは治らない、再発しやすいがん。手術よりも抗がん剤治療の方が優先される。
職場の同僚を膵臓がんで亡くしたことがありますが、その方もがんが発見された時には、ステージ4で手遅れの状態でした。
さまざまな治療薬や治療法の開発により「治るがん」が増えてきていますが、膵臓がんだけは、なかなか検査では発見できず、自覚症状が出た時にはステージが進んでいることが多い「やっかいながん」です。本書は少しだけ希望(?)を持てる新たな治療法を紹介しています。
「膵臓がんの何が怖いのか」本田五郎(幻冬舎新書)
【2月26日読了】
【オススメ度★★★】