「レイシズムとは何か」梁 英聖〜自分の正義感に潜む差別性に気づき、脱私即的で生きよう | 乱読家ぽちんの独り言

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【『はじめに』より引用】

レイシズムは単なる差別ではない。レイシズムは最悪の暴力現象を組織する差別だ。

その秘密はレイシズムが一種の「正義」に依拠している点にある。人種差別や暴力を引き心すとき、人は「社会は防衛しなければならない」というレイシズムの正義に衝き動かされているのである。

(中略)

「敵人種」を「できるだけたくさん」殺すよう レイシズムに衝き動かされ、世界各地でヘイトクライム(差別を動機とする犯罪)が頻発している。このままでは世界はレイシズムによって社会と民主主義を徹底的に破壊されてしまうだろう。

(中略)

「日本にレイシズムは本当にあるのだろうか?

(中略)

疑問にズバリ答えよう。二つの答え方ができる。

最初の答えは「はい、日本にレイシズムはありますょ」である。朝鮮人差別、アイヌ差別、沖縄差別はすべてレイシズムだ。国連人種差別撤廃委員会からそれら差別は全て人種差別だと公認されており、包括的差別禁止法を制定するよう勧告されている。

日本社会に人種差別は存在する。それなのに、見えない。なぜだろうか。

わかりやすい原因の一つは日本政府によって人種差別が隠されていることだ。国内で頻発している人種差別について、日本政府は調査白せず、統計もとっていない。

(中略)

実はレイシズムは反レイシズムという対抗的な社会規範があってはじめて「見える」ものだ。

(中略)

そして第二の答えはこうだ。「はい、あなたの疑問にもレイシズムが隠れています」だ。

日本人朝鮮人や同じ「黄色人種」だということ自体がレイシズムである。

というのも、人種など存在しないからだ。本文で述べる通り生物学では遺伝的な意味で人類をサブカテゴリに区分できる人種は存在しないことが定説となっている。

重要なことは、人種は存在しないが人種差別は存在する、ということだ。人種が存在したうえで人種差別が起こるのでは全く無い。逆に人種差別という実践や慣習があるからありもしない人種がつくられるのだ。これが本書で述べるレイシズムの人種化作用である。

たとえば「肌色」という言葉を考えてみよう。日本で市販されているクレヨンや色鉛筆には長らく「はだいろ」が使われていた。

【引用終わり】


『レイシズムとは、人種化して、殺す(死なせる)、権力である。』


僕の人生を振り返ると、、、ある種の「人種化」を受けて、何度も何度もレイシズムを受けたことがある。

そのレイシズムのは、「あの人は◯◯◯だから」「◯◯◯な人だから」、あの人はもっと不幸になってもいいの、社会から排除されてもいいの、あの人から友達を守ってあげなくちゃという、「正義感」が元になっていたように思う。


そして、僕自身の心の中にも、そのようなレイシスト(加害者)に対するレイシズムが有る。

僕をここまで苦しめる悪魔のような◯◯は、排除してしまった方が良い。みんなで協力して排除しよう、、倍返しだ、、と。しかし、それは、形を変えたレイシズムでしかない。


結局、レイシズムは、レイシズムvsレイシズムの構図を生む。

この構造から抜け出す為には、、、、

「負けるが勝ち」と「やられっぱなしの状況」を受け入れる強い気持ちと、

「私はどのように生きたいのだろう」「私が生まれてきた意味はなんだろう」と自分の生き方を見直し、自分の生き方を貫く覚悟を持つ。

これしかないように思う。


ドラマ半沢直樹の「バンカーとしての志」を貫こうとする姿勢には共感するが、「やられたらやりかえす、倍返しだ!」は、手段が目的化している典型である。

バンカーとして誤った行動を改めさせるのが目的であり、倫理観の低いバンカーを銀行から追い出すのが目的ではないはずだ。


日本人を拉致した北朝鮮、慰安婦を問題化した韓国、ウイグル人にジェノサイドを繰り返す中国、、、、その行為は改めさせる必要はあるが、かといって朝鮮民族、漢民族を攻め立て、差別を煽る論旨は成り立たない。


虎ノ門ニュースなどの保守系の番組に出ている保守系論客の中でも、時々仲間割れが起こる。最近では、百田尚樹氏と上念司氏がTwitter上でバトっていた。どちらか正しいのかのフェアな議論ならばいいのだか、互いの人格攻撃にまで発展するのは、やり過ぎである。


何年か前、青山繁晴さんに対して、百田尚樹氏、KAZUYA氏、有本香氏らによるバッシングが繰り広げられたことがあった。しかし、青山さんは、彼らに対して一切反論されないばかりか、その件についてはオンザレコードの場では僕の知りうる限り、一切コメントをされなかった。これが脱私即的なのだと、学ばせていただいた。


そう、脱私即的であれは、レイシズムは起こらない。。。。


【令和3年5月20日読了】

【オススメ度★★★☆☆




さて、最後に今回もやります『直観読みブックマーカー』。

一つ前に読んだ書籍の中から哲学的問いをたてて、今読んだ書籍から直観読みで選んだ答えをもらいます。(無茶振りですが)。。。


【問い】「よみがえるとは?」

《一つ前に読んだ「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争」庭田杏珠×渡邉英徳より出題》


【答え(本作品「レイシズムとは何か」梁 英聖より、直観読みで選んだ文章)】

「差別禁止法ないのにヘイトスピーチを無くそうとする日本は、道路交通法がなくて民家や歩道に車が規制なく走って事故が多発しているのに、シートベルト着用やチャイルドシートの是非を論じるのに似ている。」(149ページ)


【乱読家ぽちんによる直観的解釈】

「人や物がよみがえるためには、よみがえるための道理が必要だ。」


直観読みブックマーカー公式サイト


http://www.mawashiyomishinbun.info/wp-content/uploads/2013/10/tyo.jpg



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尼崎サマセミでセンセイをします。

よろしければ、ご参加ください!!


【テーマ】

一日一冊、誰にでも出来る直観読書法講座


【センセイ】

乱読家ぽちん


【時間】

令和3年8月7日(土) 11時10分〜12時


【場所】

小田北生涯学習プラザ 学習室6(音楽室)

(尼崎市潮江1丁目11-1-101ラ・ヴェール尼崎1階・2階)


https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/map/1000380/1000418/1000825.html


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乱読家ぽちんのmy Pick