セックス、暴力、偏見といった進化心理学で説明できる自己中心的な心理は、家族重視、宗教、政治、世界経済といった他者中心的な心理と密接に結びついている。
本書の要点は、次の5つ。
《単純で利己的なルール》
進化の文脈で人間行動を検討すると、日常における意思決定の根底に
は、単純で利己的なルールがたくさんあることがわかってきた。
求愛とセックスといった基本的な
行動に加え、芸術的な創造性、経済的な消費、宗教、政治にまでつながっている。
《単純なルールだからといって私たちが単純だということにはなら進化の過程で身につけてきた意思決定のルールは、ガチガチに硬直したものじゃない。むしろ、環境に合わせて柔軟に変わるのだ。
人は誰でもいくつかの違った下位自己(例えば、チームプレイヤー、野心家、よき配偶者、親など)のあいだを行き来している。
《単純だからといって不合理だということにはならない》
人間が生来もっている意思決定のルールは、ときには不合理に見えるふるまいを引き起こすこともあるが、私たちの最近の研究結果からは、単純なルールそのものが私の言う「深い合理性」を示すことがわかっている。一見すると不合理な判断の奥底で、最も合理的な経済学者たちさえ夢にも思わなかったほどの賢さが見られるのだ。
《利己的ルールだからといって、利己的な人間が生まれるわけではない》
各人の頭の中にあるルールは絶妙に調整されていて、他人の輪にスムーズに入り込めるようになっている。だ。
《単純なルールは社会の複雑性へと展開する》
人間社会で見られるあらゆる種類の複雑性(宗教活動、政治運動、経済など)は、個々人の頭の中で働く単純なルールの動的な相互作用から生まれている。
一人の人間の中には複数のパーソナリティ(あるいはサブ・パーソナリティ)が存在する。
良好な人間関係があり、良質なコミュニケーションを行っていれば、良質なパーソナリティが表面に現れる。
しかし、それが真逆となり、猜疑心ある人間関係になり、不完全なコミュニケーションを行えば、悪質なパーソナリティが表面に現れる。
僕がリスペクトし続ける心理学者のカール・ロジャーズは、「パーソナリティ変化の必要にして十分な条件」として、「受容・共感・自己一致」を上げている。
それは正に、目の前にいる人間から良質なパーソナリティを表面化させる条件である。
他者に対する怒りや憎しみ、恐怖は、相手から立ち現れる前に、自分自身の相手への態度が原因なのだ。
どのような状況になったとしても、目の前の相手を信頼し、真摯な態度を取り続けること。
それが、自分自身を守る事でもあり、人生を豊かにさせる秘訣なのでしょう、、、、
知らんけど(笑)