本物のグローバルスタンダード 『ニッポン式ビジネスを変える グローバル仕事術』著者:山本 昇 | 明治書院

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ニッポン式ビジネスを変える グローバル仕事術

山本 昇 著

(1,400+税)

四六判・248ページ

 

  『ニッポン式ビジネスを変える グローバル仕事術』では、「働き方のグローバル・スタンダード」として、契約をベースにして個人で決定し、実行し、責任を持つ仕事の仕方を、私がイギリスの職場で見聞きしたエピソードをもとに紹介しました。このようなグローバル企業の職場では、自分の権利も義務もはっきりしており、自分の基本的人権は、自分で守らなくてはならないことを痛感します。

 

 この本は当初、西欧型の組織で働く人のために書きましたが、最近の日本のビジネスの現場での成果主義の矛盾と、その家庭や社会への深刻な影響を見るにつけ、日本のすべての人に読んでもらいたいと思うようになりました。
 

 例えば、少子化の問題も、若者がルールもなくがむしゃらに働かされる今の日本の仕事の仕方を変えない限り、決して解決しないと思うからです。

 

 日本では、国の法律や、スポーツのルールなどはあっても、個人と個人の間で契約を交わす習慣がほとんどありません。一般に、契約は面倒なものとされ、従業員と雇用者との間の雇用契約も、一部でしか結ばれていないようです。そのため、例えば会社でその日に何をして何時に帰るのかさえ、自分で決められません。個人と個人の間の契約や約束が、最も身近なルールであることが見過ごされています。
 

 一方、西欧においては、契約というものはギリシア・ローマ時代の頃からあり、あまりにも当たり前なことで、その大切さを説く人はいません。契約を支える様々な習慣や暗黙のルールについても同様です。
 

 本来は、契約が法律と一緒になって近代社会の発展を支えてきたのです。

 

 日本では、契約に代わるものとして、入社式や三々九度などの儀式があります。何事もグループで決め、実行し、見張ろうとし、問題が起こると、いわゆる臨機応変の対応、関係者の談合、有力者による仲裁などで事後に処理しています。
 

 このような、日本式の企業ルールの常識は、グローバル企業の常識とはまるで正反対で、この比較対照については、本書の付録ページにまとめました。

 

 うわべだけの偽りのグローバル・スタンダードではなく、本物のグローバル・スタンダードを知ってほしい。そして正しいルールに従って、限りのある時間を有効に使い、実りある人生を送ってほしい。本書はこうした願いをこめて書いたものです。

 

(『ニッポン式ビジネスを変える グローバル仕事術』著者:山本 昇)