現代を生きる子と | 明治書院

明治書院

公式ブログ

近代について総体的な視点で確認すると、


①経済的→資本主義である


②国家的→帝国・国民国家である


③政治的→民主主義である


④人間論的→個人主義・共同体である


近代から現代にかけて、日本という国が良くなる為に起てられたイデオロギーは、もう曲がり角にきて二世代は過ぎている。


ある病院で医療費を払えない母親を見た。

その母親は高熱で真っ赤な顔をした赤ん坊を抱いていて、病院の受付に、健康保険証がないと訴えていた。

保険料が払えなくて保険証が無効になっていたらしい。

診療代と薬代で八千円近い代金だったがその母親にはそれだけの金がなく、ただひたすらに謝っていた。

貧乏というのはこういう具体的なことだと思った。

アメリカやイギリスには決定的な貧富の差があって、日本はそれだけは免れている思っていたが、どうやらそうではなくなったようだ。

なんだか途方もなく悲しかった。


階層がはっきり分かれてしまうということは、文化として決して幸福なことではないはずだ。


今関寿夫「アメリカ・インディアンの詩」から


美が私の前を舞う


美が私の後を舞う


私はその中で静かに老いるだろう


美しいものにかこまれて

増補改訂 日本という国 (よりみちパン!セ)/小熊 英二
¥1,260
Amazon.co.jp

社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)/見田 宗介
¥819
Amazon.co.jp

単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜/小熊 英二
¥3,990
Amazon.co.jp