「君たちに明日はない」 垣根 涼介 | 明治書院

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リストラ請負人・村上真介

彼の仕事は、クビ切りの面接官。

「仕事を通して世界を見る」とはなるほどこういうことなんだと感じる作品だ。

「バカバカしい」「俺はここで何をしている?」そんな疑問を誰しも持つはずだ。金のため、家族のため、愛人のため、会社のため、「やりたくねえならやめちまえ」と本気で言える人などマジでいないだろう?
それでも前に行くしかねえから、それでも自分でいたいから、それでも、この仕事が好きだから。

そんな人達に真介は引導を渡すべく、仕事を遂行する。

指名解雇は法律では禁止されているから、自己都合退職に持っていく。
三度の面接の中で被面接者に決めてもらうまでが仕事で、断固拒否の場合もある。

仕事にモチベーションが必要になったのは何時ごろからだろうか?
誰かに勧告されるまで、自分自身にさえ決定できない自分の人生や仕事とは何だろうか?

そういうものを、とてもドラマチックに面白く作られた作品です。


君たちに明日はない/新潮社
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