ども、名人です。
今から37年前の1986年12月12日にファミコン版の
ドラえもん が発売になりました。
このゲームは、コロコロコミックで連載されているキャラクターで、逆に言えばこのドラえもんの為に作られたのがコロコロコミックなのです。
1986年3月に発売した「忍者ハットリくん」の大成功を受けて、その次に選ばれたのがドラえもんでした。
ハットリくんの時と同様に、「作って貰うならハドソン」という推薦が有ったから実行出来た事でもあります。
先日の札幌のトークイベントの時にも出ましたが、このゲームの開発の時の話を、開発者の一人である野沢さんから聞きながら、私が小学館担当だった故に受けた指摘に対して、どんな感じで社内で話が進んだのかも、面白おかしく話させて貰いましたが、その当時は面白おかしくなんて事では無く、電話を受けた時には顔が青ざめる様な状況でした。
その話は、以前にもブログに書きましたが、小プロさんに制作途中のサンプルロムを渡した後で、すぐに連絡が来たのが…
「名人、ドラえもんのヒゲが2本しかありません。」というものでした。当時のキャラクターは頭が16×16ドット。その下にボディが同じ16×16ドットという、16×32ドットで描かれていました。
そこに詰め込んだ結果がヒゲ2本なのですが、これを3本にするには、少なくともどこかで2ドットを削らなければいけません。
なので、私もかなり粘ったのですが、「ヒゲは3本です」と言う事を負けて頂ける事はありませんでした。
その後は直ぐに札幌の開発に電話をして、「なんとか3本で出来ないか?」と、こちらの状況も合わせて修正依頼をお願いしました。
開発でもプログラマーさんにはあまり負担にはなりませんが、デザイナーの負担が非常に高かったと思います。
そこで行われた作業は、ボディを削って顔を伸ばすという事ですが、顔が縦長になってしまっては、再び修正が入るかもしれませんので、とにかく出来たデザインのデータだけを送ってもらい、そのまま小プロで提出して確認&許可を頂いたという流れです。
この修正が出来なければ、ハットリくんと同様に発売が延びたかもしれません。
とにかく、いろんな意味で大変だったゲームです。
ちなみに、どういう分けかエンドクレジットに私の名前が掲載されていますが、野沢さんいわく、「メモリーが余っていたから、関係者は全員載せた」のだそうです。
確かに、このゲームは1.25Mbitのロムで、この前年の同月に発売したボンバーマンは、256Kbitなので1年で約5倍に増えています。
野沢さん曰く、「途中のシューティングが縦と横になっていたのは、メモリーを減らすため」とも言ってましたので、よほど余っていたんでしょうね(w
とにかく、誕生日おめでとうございます。