前回引き続き、スマートホンの危険性の話です。
②娯楽性について少し書かせていただきます。
スマホの問題点としてドーパミンを放出させ脳内報酬系を刺激することに伴う依存性が問題となっていますが、
ドーパミン刺激を求める言動に引き付けられやすいADHDの病態をしばしば目にする立場の目線では、スマホとは「ささいな手悪さ」の最適解なのではないかと思うことがあります。
ADHDの患者さんではしばしば身体集中反復行動症の傾向、つまりは手悪さのような言動に悩まれる方がいます。
爪を噛む、むしってしまう、髪を抜く、かさぶたを取ってしまう。にきびを触ってしまう、、
などの行動です。
お子さんで上記のような症状をよく認めるのですが、スマホを持つとこれらの行動が減ることが少なくありません。
おそらくどちらも「ドーパミン刺激が得られるささいなマルチタスク」であり、スマホは身体反復行動の欲求を満たすことができるのでしょう。
昨今、認知されつつスマホの継続使用に伴う問題点(集中力の低下やスマホ依存、学力低下、睡眠の質の悪化、メンタルヘルスの悪化)があったとしても、
それでも多くの方がスマホの利用時間を減らすことが難しいのは「中毒性」が原因です。
メールやSNSの着信があると見ずにはいられない衝動に駆られて、スマホを手に取りSNSをチェックする。そのついでに関連するページをめくるたびにドーパミンが放出され脳内報酬系を刺激されるループにハマってしまう
このスマホという「中毒性が高くメンタルヘルスの脅威である生活必需品」に対する付き合い方を問題提起したいです。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
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