1月も半ば、寒さが日々増しており、いよいよ受験シーズンの到来を感じます。
毎年、秋ぐらいから受験によるストレスや不安が原因となるメンタルヘルスの相談が徐々に増えてきますが、この時期はいよいよ佳境といったところです。
受験に関する相談の難しい点は、ストレスの原因が明らかである一方、ストレスの回避や休養が行いにくい点です。
試験に対する不安が強い、憂うつ気分が続く、寝られない、体がだるい、朝が起きられない、他にも、自立神経失調症状を認める方が多いです。
極端に不安定な症状であれば受験勉強を置いておいてでも治療を促すパターンもありますが、基本的には、試験が終われば症状が改善することが予想されているため、対処療法を行いつつ気持ちを整えつつ受験勉強を継続していただくケースがほとんどです。
・規則正しい生活 (夜間スマホ使用の制限など)
・希望あれば心理カウンセリング
・漢方薬・薬物治療の検討
受験戦争が厳しいことで有名な韓国では多くの受験生が漢方薬を飲むと聞きますが、確かに眠気などの副作用がなく、身体への負荷の少ない漢方は受験生のメンタルヘルス対策には相性がいいと感じます。
(韓国、中国では精神安定効果にて牛黄清心丸が有名であり処方をお願いされたことがありますが、僕自身は処方経験はありません。)
漢方薬の例:
・補中益気湯
疲れてやる気が出ない、食欲がない、集中できないなど、頑張りすぎて消耗されている受験生の方に飲んでいただきたい漢方薬です。
・抑肝散加陳皮半夏
受験勉強のストレスで神経質になり、イライラや不眠傾向を認める方に合うかもしれません。
・加味逍遥散
女の子の生徒さんでは、月経前症候群など月経に関連した精神的・身体的不調を訴える方が少なくありません。
内服を希望されるなら、受験前から早めに内服することを勧めます。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
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