以前から書かなくてはならないと思っていたテーマです。しかし、多くの分析と考察が必要で躊躇していました。

 

当時10才の少年だった私はTVニュースで、ケネディ大統領が狙撃され頭部がガクンと後ろに傾いた瞬間を見てビックリ仰天! ジャクリーンがパニックになり車の上を這っていた姿を今でも鮮明に覚えています。

 

この事件とジャクリーン、そして、ケネディの運はここで書きつくせるほど生易しいものではありませんから、今日は主にジャクリーンの立場からの分析を試みてみます。彼女は世界一の権力者である米国大統領の妻となり、そして、夫の暗殺を「隣で」経験しました。それはチャートにどのように示されていたのでしょうか?

 

 

 

ジャクリーンは、1929年7月28日、14時30分、ニューヨークで生まれました。(40N53、72W23、時差+4:00、ASC17蠍座59、MC28獅子座55)

 

 

最初に気づくのは、蠍のASCに上昇するドラゴンテイルと、MCに接触する海王星です。ドラゴンテイルについては私はまだ定義づけが確定していませんから略しますが、海王星の位置とセットで考えると「不穏なムード」を感じることは否めません。

 

 

彼女が「大統領婦人」になったのは、MCが獅子座で、そのルーラー太陽が同じ獅子座にあり(つまり、本来の座にある)、そのハーフサム(MC/太陽)が=ASCであることが大きいのです。

 

ASC=MC/太陽は「権力」の表示です。

 

 

さらに、DEC(7ハウスカスプ)を見ると、7ハウスの木星と6ハウスの月がちょうどDECを挟む位置にあって直接の=を形成(正確)。そして、そこにはドラゴンヘッドも ――― 。

 

つまり、

 

ASC(DEC)=MC/太陽。

 

ASC(DEC)=月/木星=ドラゴン(直接) 

 

という一連の形成が「大統領婦人」としての地位を表示しているようです。

 

もちろん、太陽セクスタイル木星も見逃せません。

 

 

では「暗殺で夫を失う」という表示はどこにあるのでしょうか?

 

 

7ハウスルーラー金星が8ハウスにあって、土星とオポジションであることは明白な表示ですが、これだけでは不十分です。

 

 

夫は通常「太陽」とされます。さらに、大統領婦人としての立場はASC=MC/太陽が示しています。としたら「夫の死」は「立場の喪失」を意味していますから、太陽が関係していると考えるのが、考え方の筋です。

 

 

 

太陽/土星=MC、海王星。

 

 

「太陽/土星のハード」に接触するMCと海王星。ここでわかりますね。MCに海王星が接触している意味が ――― 。

 

 

 

夫が暗殺された1963年11月22日、彼女は34才でしたが「1日1年法」によれば、P.ASCは14射手座46で、Nの火星と□。火星は10ハウスにあります。

火星は6ハウスルーラーですが、古典に従えばASCルーラーでもあることになります。私は最近、蠍座のルーラーは冥王星というよりも火星であるという古典の主張がより適切と感じています

 

 

N火星はもともとNで=太陽/月、ASC/天王星です。

 

火星N=太陽/月Nは彼女の活力と社会的立場を補強するアスペクトですが、火星N=ASC/天王星Nの方は穏やかではありません。

 

エバーチンの著書によれば「ASC/天王星」のコンビは「エキサイトしたり、アプセット(転覆、気の転倒、混乱)を経験している状態。突然の出来事、事故」と記されていますから、P.ASC=火星N=ASC/天王星Nが「暗殺事件」を意味していることは確実です。

 

 

 

ジャクリーンは生涯「お金に困らない人生」でした。再婚した海運王・オナシスの莫大な遺産も手にしています。

 

2ハウスを見ると土星があります。わかりますね。2ハウスに土星があるからといって「あなたは金運がないわね」なんて鑑定しちゃだめですよ(笑)。

 

 

この土星がMC、月とGトラインを持っていることは財運を示す1つの表示ですが、私としては7ハウス木星(2ハウスルーラー)と月の=DECも強い表示としたいですね。

 

彼女は「浪費癖」があったとされています。しかし、2ハウスの土星は「財政的コントロール」であり、私はどう考えても批判的には考えられません。彼女は女癖の悪い(?)夫に我慢していたのです。買い物で「憂さ晴らし」して何が悪いのか?・・・(笑)。

 

 

 

女癖で言えば、彼女は夫とモンローの関係についても知っていて苦悩していたはずです。強く嫉妬もしていたでしょう(ASC蠍座)。ジャクリーンとモンローの星を比較してみると、モンローの8ハウスの火星(セックスエネルギー)に対してジャクリーンの太陽が正確に45度。「コノヤロ~」と思っていたことは間違いありません。

 

 

さて、ジャクリーンはオナシスと再婚しましたが「愛のない生活」であったとされています。ASCと、9ハウスの水星のハーフサムが=土星であることに注目しましょう。ASCと水星の=は「コミュニケーション能力」ですから、そこに=土星は「言葉の抑制」を意味します。7ハウスルーラー金星のオポジション土星を見ても、彼女は「夫(太陽)との間で会話が不十分だった」と考えられるのです。これは、ケネディとの間でも同じであったでしょう。彼女は「満たされないもの」を常に抱えていたわけです。

 

 

最後に「子供運」を考えてみましょう。

 

 

彼女はケネディとの間に4人の子供ができましたが、1人は死産、1人は生後まもなく死去、1人は若年死(J・F・ケネディ・Jr)、成長したのはキャロライン1人です。

 

5ハウスの天王星が大きいようです。冥王星とスクエア、そのハーフサムが=MC/海王星。また、MC、海王星が出てきました。

 

また、この天王星と月のハーフサムが正確に=冥王星。これも大きな表示です。

 

 

 

私は、ジャクリーンは偉大な人物と結婚したけれど、決して「幸せ」だったとは言えないような気がします。もいろん、7ハウスの木星が示すように「幸福」もあったのですが、あまりに「死」の影が強すぎます。

 

 

けれど、ジャクリーンが「かわいらしい女性」であったことも確かだと思います。

 

 

太陽/月(15変通23)=金星/木星(15変通40)

 

そして、

 

ASC/月(21変通48)=金星(21双子座46。誤差00度02!)

 

蠍座のASCと牡羊座の月との間の=金星ですから、とても愛情については真剣で、夫が彼女を愛し続ければ、彼女は「忠実に」愛を返そうとする人だったと思います。


 

ケネディもオナシスも社会的には偉大だったのですが、彼女の愛の前では子供だったのかもしれません。男は愛情面では女性には到底かないません。