今日は冥王星のコンビネーションについてお話しします。

 

皆さんは、たとえば「最も”冷たい”天体のコンビネーションは何でしょう?」と問われたらどのコンビネーションを思い起こすでしょうか。 この「冷たい」という言葉の意味によって答えは違ってくるでしょう。愛(金星)にとって最大の冷たさはおそらく土星です。それは金星にとって「冷たく、頑なな拒否」の形であり、「あなたとは仲良くなれない」という意思表示です。

 

ただ、一般的に「最も冷たいコンビネーション」といった場合、私の頭に浮かぶのは「天王星/冥王星」です。このコンビは非常に無機質なイメージで、冷たい金属を連想させるコンビです。このコンビの特質は「人の情が入る余地がない」ということです。つまり「無慈悲な強制力」なのです。たとえば、重大な疾患の告知、逮捕と裁判、債務の請求、等々、「私だって一生懸命がんばっているのよ」という叫び、言い分がほとんど意味をなさない状況を指します。

 

他方、金星と土星のハードには「愛の苦悩」という極めて人間的な色調があります。金星が土星から悩まされている形です。しかし天王星/冥王星はどちらも悩んでいません。天王星、冥王星には悩みを感じる「情」がないからです。たんに厳しい状況を示しているだけなのです。ここに冷たさのエッセンスがあります。

 

天王星/冥王星の次に冷たいのはおそらく「土星/冥王星」です。これは死と喪失のコンビネーションです。「細胞の死」を連想させる消滅のイメージです。土星/天王星もハードとしては厳しいコンビですが冥王星の強制力ではないぶんだけ幾分マシといったところでしょうか。

 

冥王星が他の天体と関係をつくるとき、それが60度や120度といった「穏やかなアスペクト」なら何ら弊害はありません。5度差のスクエアやオポジションでも両者のハーフサム(中間点)に=がなければ実害はほとんどないでしょう。問題になるのは「ハーフサムの形成」と「3度未満の合、スクエア、オポジション」です。

 

冥王星は関係する感受点の意味を極限化します。

 

海王星なら空想と迷妄を。天王星では機械的に突発的に、あるいは異常に。土星なら困難と貧困、疾病と死。木星では記録的達成。火星は暴力と事故・負傷。金星は性的魅力あるいはエロティシズム、酒と宴。水星では英知か神経過敏。月は情緒の問題と母の事情。太陽では権力の問題と父の事情、等々。

 

極限化という言葉は木星の「膨張、拡大、表面化」という概念に似ています。けれど木星の膨張には穏やかな色調があり「常識の範囲内で」というニュアンスがあります。それに対して冥王星の極限は「最後まで、徹底して」というイメージです。

 

ハーフサム事典の言葉を厳密に受け取る必要はありません。大切なのはコンビネーションの質的な色調なのです。

 

今日は冥王星という基本的にハードな色調の強い天体を取り上げましたが、私はいつも星のコンビネーションをまずはイメージで受け取ります。皆さんも日常生活で無意識に「人相占い」をしています。「おや? 今日は機嫌がいいね、何かいいことあった?」。私もチャートを見てまずはチャートの印象を受け取ります。

 

 





巨人軍の阿部慎之介監督が25日逮捕され翌26日監督を辞任したというニュースには驚きました。報道によれば5月25日(月)の夜、二人の娘の喧嘩を「うるさい!」とたしなめたところ18才の長女が口ごたえしたためカッとなって投げ飛ばしたといいます。長女は19時ころ児童相談所を訪れ「父に殴られた」と。職員が110番通報、逮捕にいたった、とのこと。

 

児相の職員の対応に問題はありません。どんな事情かわからない、どんな父親かわからない、被害を訴えている人間が目の前にいる。通報していい、というより、通報すべきでしょう。ごく経度の問題であればその後、警察が適切に処理してくれるはずです。

 

この問題は子を持つ親にとって「他人事」ではありません。暴力がいけないことは誰でも知っています。けれど親も人間、子供の態度や言動にカッとなることはあるでしょう。もし”愛の一発(?)”の打ちどころが悪かったら ―― 。

 

ほとんどの方は毎日を良い意味で平凡に暮らしていますが、実は人間の平和で平凡な歳月は運という非常に微妙なものによって支えられているのです。

 

阿部慎之介 1979年3月20日生まれ

 

太陽が正午時点で28魚座54。蟹座の木星と正確なトライン(120度)、阿部氏が誠実な人間であることを示しています。

 

P(プログレス)が問題でした、

 

2026年5月25日のPでは、P火星 135度 P土星(00分離26)で、P火星/P土星=P太陽(00分離23)となっています。さらに、P月の位置が問題です。事件となった25日19時00分のT(トランジット)月の27乙女座35も問題です。PとTの月を見て私は「不運だったな」と感じたのです。憎くてやったのではない瞬時の行為が事件となり、監督辞任という「社会的制裁」となったのです。

 

なお、T月を指摘しましたが、言うまでもなく、T月で日々の運を見るなどということは通常はほとんど意味のないことです。ただ、特別な出来事が起きた場合はチェックしてみてよいのです。実はT月の27乙女座35は阿部氏のNの「土星/冥王星(28乙女座44)と接近1度の合でした。この合が起きるのは月に1回です。けれど、子供と一緒にいる時間は多くても1日数時間でしょうから五分の一とすると、この合が子供と一緒にいる時間帯に起きる確率は年に2回ということになります。これを「不運」といわずして何というべきでしょう。

 

幸いお嬢さんもほとんど外傷はなかったようで、親子の関係に深い傷跡が残らないことを祈るばかりです。しかし、代償があまりにも大きかったですね。

 

 





西部劇ファンなら誰でも知っている映画「シェーン」、この映画は西部劇の名作です。とてもリアルな内容でありながらワイオミングの大自然をバックに人の情もしっかり描かれていて、少年が「カムバック! シェーン」と叫ぶラストシーンは有名。音楽も俳優陣も素晴らしい。

 

この映画、公開は今から73年前の1953年ですが今見ても全く古さを感じません。私はイタリア西部劇、いわゆるマカロニウェスタンのファンで、一番好きなのがフランコ・ネロ主演の「続 荒野の用心棒」ですが、西部劇の名作を1つあげるとしたら、やはり「シェーン」なのです。まだ観ていない方にはお勧めします。時間をとってゆっくりとした気持ちで鑑賞していただければこの映画の良さを感じていただけると思います。

 

シェーンを演じたアラン・ラッドの出生時刻は不明ですが、太陽が乙女座、月は天秤座で、品の良い雰囲気があるスターです。ただ、シェーン以降はヒット作に恵まれず、シェーン公開から9年後に自殺未遂を起こし、その2年度の1964年に50才の生涯を終えます。睡眠薬とアルコールの過剰摂取が原因とされていますが自死かもしれません。この事実は私に衝撃を与えました。この衝撃が「シェーン」を忘れがたい映画にしている側面もあるようです。

 

アラン・ラッドは1913年9月3日、アーカンソー州ホットスプリングス 34N29 093W03 +6:00 生まれ。正午の設定では木星が留(S・ステーション)しながら太陽に2度36差の△です。

 

ステーションの意味は「とどまる」です。太陽△木星が「シェーン」の成功を含んでいたことは間違いのないところですから、このステーションの意味は、シェーンが名作として半永久的に残るということでしょう。

 

シェーンが公開されたとき、P木星は正午時点のN太陽と0度18差の△でした。木星は彼を長く応援し続けたのです。Nには土星、火星、冥王星の合などもあり、50年の生涯でしたが、彼の太陽の乙女座とシェーンの舞台であるワイオミングの大自然が重なるように感じるのは私だけでしょうか。

 

なお、こんなことはあまり書きたくないのですが、感じたことですので書いておきます。

 

5月5日の配信「越境者」で取り上げた俳優・松田優作さんは1949年9月21日生まれの乙女座で40才で癌で死去。1960年代のグループサウンズ時代をけん引したブルーコメッツのボーカリスト井上大輔さんは1941年9月13日生まれの乙女座で58才で自死。映画「白い巨塔」で大スターとなった俳優、田宮二郎さんは1935年8月25日生まれの乙女座で43才でやはり自死しています。そして、アラン・ラッドが50才でした。

 

偶然私の中で重なっただけだと思います。ですが、どうも、乙女座太陽の男性にはどこか弱いところがあるようにも感じるのです。情緒的な発言で申し訳ありません。「どこか弱いところがあるなんて、ほとんどの男性、いや、人間に共通することだから意味のある言葉じゃない」と言われれば返す言葉もないのです。ただ、太陽は「熱とエネルギー」を象徴する天体、太陽が乙女座にあると熱とエネルギーがやや弱くなるように思われるのです。乙女座の女性は自身の弱さを素直に受け入れてしまうような印象があるのですが、男性は男性社会が力と成果を求めるため「男なんだから頑張らなくては」と、結果、追い込まれやすいのではないでしょうか。

 

自身に負荷をかけすぎると命が脅かされます。自分の弱さとどう折り合いをつけるか。ダメな自分と感じてもなお「自分が好きな自分」でいられるか。大人の教養課程ですね。

 

 

 




ゴールデンウィークを旅行や外出で楽しんでいる方は多いことでしょう。一方、ゴールデンウィークでも特に外出しないという方はもっと多いのではないでしょうか。

 

今日は「3ハウスと外出」についてお話しします。

 

3ハウスは「コミュニケーション」「知的活動」「交通(流通)」のハウスです。手紙と電話のハウスで、今は「メール」ということでしょうか。全ての「学び」がこのハウスの概念です。そして「乗り物に乗って移動する行為」が3ハウスの現象です。

 

N(ネイタル・出生図)の3ハウスに活性があれば、人とのコミュニケーションが活発になり、知ること、学ぶことへの積極的な取り組みが行われ、外出も多くなります。ただし、そこに土星が関与すれば「制限」が加わります。

 

たとえば、わたくし工藤の3ハウスにある金星は土星から3度差の衝(オポジション)を受けています。土星は9ハウスのカスプ(始点)にあります。9はハウスは海外。私はこれまで日本を一歩たりとも出たことがありません。おそらく死ぬまで日本を出ることはないでしょう。土星は私のASCルーラー。つまり、外国に行かないということは「自分の意思(ASCルーラー)」なのです。

 

金星「衝」土星は形としては「喜び(金星)の制限(土星)」です。金星は3ハウス。これは外出(3ハウス)そのものを制限します。私には外出を楽しむという習慣がありません。用事がない限り家を出ることはありません。そんな私ですが昔は恋人とたくさんデートしました。それが金星と月(7ハウスルーラー)の1度差の△(120度)です。つまり、一人では決して”楽しみのための外出”はしない、けれど、女性に誘われれば出かける、のです(笑)。まことに単純な構造ですがこの基調はおそらく生涯変わりません。私の木星はIC(4ハウスカスプ)にあり、家(4ハウス)が居心地が良いのでしょう。

 

私の娘の3ハウスには木星があり、太陽/木星=月(牡羊座)の準直接が作られていて娘は何後も外国に行っています。私が行ってみたいのはヨーロッパだけ。しかし長時間の飛行に自信がなく(酔いの懸念)あきらめています。それが金星「衝」土星なのです。それでも私の3ハウスは悪くはなく、金星は9ハウスルーラー、占星術(9H)を通して多くの女性と接点(△月)を持つことができています。月は11ハウスで「代々木レッスン」も同志たち(11H)との学びの場(3ハウス)という形であり、このブログもまた3ハウスの喜びです。

 

3ハウスには実に多くの意味と「含み」があります。ぜひ皆さんもご自身の3ハウスの意味を考えてみてください。

 

なお、3ハウスの最悪の出方は精神疾患と交通事故ですから、3ハウスに重大な懸念がある場合は交通事故に注意が必要です。もちろんそれは特別に損なわれている場合のみです。1つや2つハードがあることは問題にはなりません。

 

 





今から35年前の1991年、長崎県島原半島の雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ 標高1483m)が大噴火し、逃げ遅れた報道関係者や消防団員など計43名が命を落とすという戦後最大の火山災害が発生しました。

 

前年1990年11月に最初の小さな噴火が起き、1991年2月に再噴火、5月に最初の土石流が発生、溶岩の噴出が確認され、6月3日15時57分大規模な火砕流が発生。そして、16時08分、溶岩ドーム底部がついに地すべり的に崩壊、火砕サージ(高温爆風)を伴う大規模な火砕流が発生、時速100~200Kの速度で山肌を下り落ち、43名が逃げることもできず死んでいったのです。

 

この災害では警察の避難勧告に従わなかった記者たちにも批判の目が向かいました。しかし、記者たちに(ほかの死者に対しても)その危険性をしっかり認識させることができなかったという点で行政の責任でもあるのです。ただ、それを伝える行政官にしても十分な裏付けが得られなかったという不運な事情もあり、この災害は多くの教訓を私たちに与えるものになったのです。

 

43名をのみこんだ大火砕流発生時刻

 

1991年6月3日、16時08分 普賢岳 32N45 130E17 ASC=02蠍座36

 

このチャートの最大表示は IC 合 土星(00接近28)で、次に、ここに衝(180度)を成す天頂の火星と木星です。火星はASCルーラーで、獅子座にあって木星、MCと合は明るい色調です。しかし、火星/木星=MC(直接)はICに土星があるため同時に火星/木星=(衝)土星となります。

 

獅子座で合する火星と木星はいかにも「高温」で噴火を連想させるものですが、噴火という現象には「抑えられてきたものが(限界点を超えて)爆発する」というイメージがあります。その抑圧するものがここでは土星なのでしょう。そこには土星に接近する同じく水瓶座の月の形成もありました。

 

天頂の火星・木星と天底の土星と月、そして1Hにある冥王星を見てください。度数を見てすぐに「ハーフサムが作られているかも?」と感じたら好センスです。

 

冥王星/火星(26乙女座27)=土星/月(11水瓶座06)

 

複合形成ですが、この実質的なT角がこの災害(土星)が多くの死者(火星/冥王星)を出した表示です。これを「冥王星は月とは2度差のスクエアだけど土星とは11度差だから弱い」と見るのは”アスペクト占星術”の見方です。そのような見方では43名の命が奪われた甚大な被害を説明することはできません。ASC/土星=火星(誤差0度02)も単なるT角ではなく「厳密なハーフサムによって作られているT角」なのです。

 

このチャートの火砕流の発生という現象は、火星・木星 衝 土星・月によって表示されており、ASC、MCが「その時」を示しています。

 

最後にもう1つの観点に触れておかなくてはなりません。それは甚大な被害を生んだ結果としての「認識の不十分、判断の誤り」という人間の側面から見た表示です。ここに大きな問題があったため43名が命を落としたのであり、もし死者がゼロであったならこのチャートにおける「火星/冥王星=土星/月」はなかったともいえるのです。

 

月と土星のある水瓶座が「知性の星座」であることに注目しましょう。そして、この土星が「知的判断」のハウス、3Hのルーラー(主星)であることにも注目しましょう。さらに、3Hには山羊座の天王星と海王星があることにも注目できます。太陽/月=天王星、太陽/月=天王星/海王星が作られています。

 

水瓶座のハードの基本的意味は「知的判断の不十分、証拠の不備」、3H山羊座の色調は「情報不足」、そして、「時の星」土星のハードはタイミングの悪さ(不運)、そして「遅さ」を意味します。

 

太陽と月は知性の風象サインの△で本来なら「良い判断力」の意味です。しかし、これが3H山羊座の天王星、海王星に=となると「乏しい、不十分(=山羊座)な情報(3H)で納得(△)、処理してしまう」という現象を生むのです。まして、月は土星と合で、理論的に納得しなければ動かないという水瓶座の特性を主張しています。つまりこのチャートの水瓶座は獅子座を噴火させる引き金になっていて、同時に3Hと関連して「人間と情報の問題」を提示しているのです。

 

チャート判断において大切なことは、

 

① アスペクトを単体として評価せず、必ずハーフサムとセットで考えてみる。

 

② アスペクトの角度によって「良い悪い」を即断しない。「何と何の組合せ(関係)か」を重視する。

 

③ 誤差1度00以上の間接ハーフサム(直接でも準直接でもない=)は強い形成ではない、など、重要な形成と重要でない形成を区別する。

 

④ サイン(星座)からその形成の色調という人間的側面を考えてみる(これが面白いのです)。

 

私たちは自分のチャートのハードな部分を気にしますが、そのハードの意味を考えるときに忘れてはならないのがサインの色調です。水瓶座の土星が問題なら「水瓶座の土星にはどんな色調があるのか」考えてみるのです。もちろん神経質になる必要はありません。人間は誰にでも長所の裏返しがあります。欠点を知り、開き直って生きる。それも生き方です。

 

 





先週の配信を休みましたが、最近私の配信が少し不活発になっているとお感じになっている方がいらっしゃるかもしれません。そう感じることは正解です。

 

人の活動は年代によって少しづつ変わっていきます。身体が若い時代、それは活発な生産・開発が行われる時代です。そして、歳を重ねていくうちにエネルギーは鈍化し、人生のあり方も違った形になっていきます。

 

さて、私には以前から「出生時刻を知りたい人物」がいました。しかし、その願いは今も満たされていません。

 

俳優、松田優作 1949年9月21日~1989年11月6日 山口県下関市出生

 

いうまでもなく、日本テレビ「太陽にほえろ」(1973年~)のジーパン刑事役で注目され、角川映画「蘇える金狼」(1979年)、東映映画「野獣死すべし」(1980年」で人気沸騰、米映画「ブラックレイン」(1989年)公開後の11月6日、癌で40才の生涯を終えた日本映画界の鬼才です。

 

もう亡くなってから36年がたちましたから若い方には馴染みのない名前でしょうが、今も彼の人気は根強く残っているように私にとっても、とても気になる俳優なのです。

 

先日、「越境者 松田優作」2010年7月1日 新潮文庫 著・松田美智子 という本があることを迂闊にも初めて知り、すぐ購入し、読み終えました。松田美智子さんは松田優作の最初の奥さんで、彼との間にひとりの娘さんがいます。

 

松田優作は日本人の男性と韓国人の母親との間に生まれ、父は彼が生まれる前に家から去り、彼が生まれたあとすぐ亡くなっています。法律上、彼は本名・金優作という韓国人でした。1973年12月に念願の帰化申請が許可され松田優作が本名になりますが、それまでの彼は長い間、自分が法的に韓国人であること、遊郭の一角で生まれ育ったことに強いコンプレックスのようなものを抱えていたと松田美智子さんは記しています。

 

松田優作のチャートにある、乙女座の月と土星のコンジャンクション を見てなるほどと感じました。このコンジャンクション(合)に対して神経質であるとか、暗いなどの”性格判断”を披露することは間違いとはいいませんが、とてもつまらない、陳腐なことです。私たちはアスペクトを言葉にする前に、そのアスペクトの色調を感じることから始めなくてはなりません。彼の乙女座における月と土星は何を経験し、どんなことを感じながら生きてきたことを意味するのか。私たちはいろいろと想像してみることができるのです。

 

松田優作の独自の魅力は、太陽=金星/冥王星(直接)にも表示されています。金星/冥王星のコンビネーションは「魅了する」という意味です。太陽が乙女座ですから「乙女座的な魅力」ということで、あの男性的な表現の中にある微妙な陰影がいかも乙女座的です。

 

太陽/天王星=冥王星(直接)が彼の命を制限した形成の1つですが、彼の仕事に対する峻烈ともえる姿勢は命の危険があるにもかかわらずブラックレインに出演したことでも明らかで、彼は「長生き」を目指していたわけではなく、己の生の意味、存在の意味をこの世で証明しようとしたのではないか、その渇きに似た衝動こそ松田優作の根源であるように感じます。

 

松田優作は政治的影響力があった妻・松田美智子さんの父の力を借りて帰化を実現しましたが、結婚生活は6年で終わりました。彼の前にその後2番目の妻になる若い女性(美由紀さん)が現れたからです。それでも亡くなるまで美智子さんとの間に生まれたお嬢さんの誕生日には3人で会っていたようです。

 

松田優作の「疾走するような生き方」はASC射手座を連想させますが、まだASCの確信は持てません。とにかくめいっぱい生きたのだと思います。

 

ただ、同書の最後で松田美智子さんが「ひとつ残念なのは、入院中の優作が4人の子供たちをほとんど寄せ付けなかったことだ。飯田さんの証言によれば再婚後に生まれた3人の子供たちが見舞いに来ても、すぐに追い返していたという」と記しています。彼は死の少し前から怪しげな精神世界に入って行ったようです。「彼が自分の血を受け継ぎ、未来へとつなげてくれる子供たちを抱きしめ、語りかけて、一緒に過ごす時間を持っていれば、般若心経を唱える以上の幸徳があっただろうと、私は思う」と結んでいます。

 

著者、松田美智子さんの誠実で暖かい視線の中に、冷静に評価する目があります。医師の在り方にも少しの疑問を投げかけています。

 

341Pには、優作が「悪い星を持っている」と話したフローレンス・ジョイナー(米短距離界の金メダリスト)は、1998年、くしくも優作の誕生日と同じ9月21日に心臓発作で死亡している。享年38才だった。

 

とあり、占星家の私はこの一文にビビッときます。松田優作は星という運命の概念を持っていたのでしょうか?

 

来月20日で「代々木レッスン」はまる3年を終え、4年目に入ります。東京代々木は私が師・門馬から教えを受けた、私にとっては聖地ともいえる場所です。そこで立てた旗をできるだけ長く、ヨレヨレになるまで(笑)立て続けたいと願っています。

 

 





ホルムズ海峡が封鎖され、政府は備蓄の2割にあたる30日分の石油の放出を決めました。石油は大丈夫なのでしょうか? 今年の日本春分図を評価してみました。

 

2026年3月20日、23時47分 東京 ASC=13射手座45

 

このチャートの最大の表示は明らかに、IC(天底・4Hカスプ)に合する太陽です。誤差は0度22、正確(1度00未満)です。この太陽は海王星と1度46差の合、土星と4度07差の合。この3星の合、太陽、海王星、土星のコンジャンクションが2026年度の世界情勢の基本になります。

 

土星と海王星のコンビネーションは経済的には「不景気」の意味です。心理的には土星は「安全志向」ですから、そこに海王星が重なることは「安全への不安感」をもたらします。土星と海王星の合を所有する(合する)太陽はそうした意味を持っていて、その太陽が日本のIC(天底)にあるのですから「日本はその意味の当事者」になるのです。

 

しかし、だからといって、今後もずっとも日本に石油が来なくなるとは思いません。

 

かつて日本への石油が禁輸された時代がありました。1941年です。アメリカが日本への石油輸出を停止し、日本は危機的状況に陥りました。この年の日本春分図((3月21日、9時21分)には、ASC=火星/冥王星(真正)、=太陽/ジュノー(直接・真正)、ASC/MC=太陽/冥王星(0度10差)などの厳しい形成がありました。中国からの全面撤退か、アメリカとの戦争か。冥王星(強迫感)とジュノー(権利の主張、生き残るための苦闘)の意味がハッキリと出ていました。

 

今年の日本の春分図のASCは=MC/天王星、太陽/天王星、月/冥王星。ASC/MCは=木星/天王星、=太陽/木星など良い形成があります。MCだけは=太陽/海王星(準直接)でハード優勢ですが、このMCと太陽には=火星/木星(両者は△)があります。

 

木星は8Hにあり、8Hは「相手の財産」ですから蟹座の木星は相手国の原油と仮定できます。その木星が輸送の3Hにある火星と△で、火星/木星=IC、太陽なのです。

 

さらに、MC△天王星がつくられていますが、天王星は3Hルーラーです。これら一連の表示は「やがてまた日本に石油が来る」ことの意味にしか見えません。

 

そもそも日本が石油危機に立たされて”トク”をする国などありません。石油輸出国はもとより、アメリカも日本が弱化することを望んではいないはずです。トランプ大統領は頭の中が商売人で太陽双子座らしく言葉がクルクル変わりますが心の中にあるのは政権維持と「損得」です。そのトランプ大統領が”商売相手・日本”の苦境を放置するでしょうか?

 

今年の日本の春分図。2Hにジュノーと冥王星がありますが両方とも目立つ存在ではありません。2Hルーラー土星が太陽・海王星と合になっている形だけが「経済的不安感」を示すネガティヴな表示ですが全体としては悪いチャートではありませんから、あまり心配する必要はなさそうです。ただし経済的には問題があり、物価高という基調とも政府は戦わなくてはならないでしょう。

 

なお、天王星やジュノーがハードとはいえませんから今年度、日本に大きな地震が来るとは思いません。ただ、海王星がICに接近し、その中間に太陽を入れていますから中程度の地震は大いにあり得る形です。

 

最後に。3Hで水星が留(Sステーション)しています。これは日本、日本国民、またはその両方が「情報」や「輸送」といった3Hの事柄に鋭敏に注視し続ける1年間になることの意味です。

 

たった今、トランプ大統領がイランへの軍事作戦を中止すると発表したとのニュースが入りました。記者に問われて「イランの核能力を破壊した」と言ったようですが、また嘘をついてますね。

 

 





22日の代々木レッスンのテーマは「3ハウス」。私はそこで3ハウスの一般的な概念「知的活動とコミュニケーション」について事例をお話ししましたが、3ハウスで忘れてはいけないのが「交通」の意味であるとお伝えしました。自動車、航空機を含め、全ての乗り物とその安全を司るのが3ハウスで、そこには物品の輸送「物流」も含まれます。

 

事例にあげた交通事故は2019年4月19日12時25分ころ、東京池袋で起きた暴走事故。”上級国民”なる造語を生み出した87才老人の「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」事故により、10人が重軽傷、31才の主婦とその3才になる娘の命が奪われました。このときのチャートを出してみると、T月が3ハウス、9ハウスに太陽と天王星があり、月/天王星=太陽(誤差0度25)がつくられていました。

 

講義の休憩時間、娘が20日名神高速道で起きた6人死亡事故について指摘しました。私は忙しく、その事故のチャートを立てていませんでした。参加者の方がさっそく娘から日時を聞いてチャートを出してみたところ、Tが3ハウスだったのです。

 

新名神高速道6人死亡事故

2026年3月20日 2時20分ころ(産経新聞による) 三重県亀山市(34N51 136E27) ASC=15山羊座36

 

工事による車線規制でトンネル出口で渋滞となっていたところに大型トラックが追突、子供3人を含む6人が死亡するという惨事となりました。チャートを見ると2Hから3Hにかけて、火星、太陽、海王星、土星、月と並び、ひとめ太陽と月の中間に土星が入っている形です。

 

太陽/月=土星(直接 誤差0度33)

太陽/土星=海王星(直接 誤差0度10)

月/海王星=土星(直接 誤差0度44)

 

土星はASCルーラー。ASCルーラーはイベント(出来事)の最大の当事者を示し、事件・事故では加害者を指します。海王星は「不正確、不明瞭、不確認」などの意味。54才ドライバーの供述「前をよく見ていなかった」ことと一致します。

 

なお、このチャートのDSC(7Hカスプ)に正確に乗っている木星に「?」とお感じかと思います。木星は幸運の星なのになぜ? と。当然の疑問ですがイベントチャートではままあることなのです。木星のコンジャンクション(0度)はマンディーン(社会占星術)では幸運ではなく「大きな出来事」の意味として表示されることがあるのです。

 

また、時刻(ASC、MC)が「この時の事故」を示してないよね、と気づかれた方、優秀です。時刻に関してはわかりにくいチャートですが「ジュノー」の位置をハーフサム一覧で確認してみてください。何か見えませんか?

 

今回の事故では海王星が強く関与していますが、池袋暴走事故でも海王星はハッキリと関与しています。海王星は本来強いハード天体ではありません。人に例えるなら、火星は不良少年、土星は頑固爺さん、天王星は変質者、それに対して海王星は妄想者、あるいは騙される人、ですから悪質性は低いのです。しかし、海王星のハードが持つ「いいかげんさと不注意」は結果としてこのような悲劇を生むことがあるのです。海王星は「自覚なき犯罪者」を生む土壌です。

 

6人の方のご冥福をお祈りします。

 

自分は「凶器」の上に乗っているということを忘れてしまうドライバーがいるのですね。

 

 





今日はリターンチャートの簡明な評価法についてお話しします。

下記はわたくし工藤にとって特別な意味を持った良い年のリターンで、見事な共通点があります。

 

1974年R MC△太陽(00度29差)

1976年R MC△冥王星(00度02差)

1981年R MC△月(01度15差)

1989年R MC△月(03度07差)

1990年R MC△金星(03度09差)△木星(00度52差)

2019年R MC△金星(00度14差)

2023年R MC△火星(03度09差)△土星(00度48差)

 

全て、MCに対する誤差4度未満の△があります。

 

1974年は上京。自己確立(太陽)の年。1976年は青年学級のリーダー(冥王星)になりました。1981年は結婚(月=女性)。1989年は占星術講座の講師(月=多くの女性受講者)になり、翌90年には教室で親しい女性ができました。2019年にはハーフサム事典刊行。△金星は多くの方々にご支持をいただいた表示でしょうか。2023年は代々木レッスン開始、△火星△土星で、真面目なファイトでしょうか。

 

4月5日で私のR2025が終わります。私は以前「自分のリターン2025の12ハウスには月と火星があり、入院という意味もある」と書きましたが、どうやら無事に終われそうです。ただし、体調は確実に弱化しています。R2025にはMCと△する天体はありません。しかし、R2026では△月(02度35差)△水星(02度23差)がつくられます。

 

良い年になると思いますが、どうでしょうか。皆さんも良いことがあった年のリターンに△MCがあったかどうか調べてみてはいかがでしょうか。

 

 





昨日11日は東日本大震災(2011年3月11日)から15年となり多くの追悼番組がTV放映されました。どの方の経験も涙なくしては聞けません。特に幼いお子さんを失った親御さん、小学校に重なっていたランドセルの映像が私の心に改めて衝撃を与えました。

 

私は占星家ですからこの甚大な災禍を星の観点から改めて眺めてみました。

 

① 2020年春分図 3月21日 02時34分 東京 ASC=23山羊座10

 

② 地震発生時の福島市 2011年3月11日 14時46分 ASC=15獅子座55

 

①は拙著「工藤明彦の占星術の世界」220P、②は219Pに掲載されているもので簡単な解説が加えられていますが、今日はごく簡単な基本について。

 
形成の最大はいうまでもなくコンジャンクション(合・0度)です。これに勝る形成はありません。次がオポジション(衝・180度)です。ハーフサムの直接も強力ですが、今日はアスペクトの視点で①と②を眺めてみます。
 
①で最大の0度、180度は、IC(天底)合 ジュノーの00度06差です。
 
②には太陽「衝」ジュノーがありますが、小惑星の誤差01度28ですから強い衝とはいえません。注目すべきは魚座にある火星、太陽、天王星の並び。火星と天王星の中間点は21魚座22、これは太陽(20魚座18)と01度04差。1度00をわずかに超えていますが、魚座における火星/天王星=太陽は「実質合の直接」ですから極めて強力なのです。
 
「実質合」という言葉は「同じサイン(星座)にある」という意味です。古典では同じサインにある天体を「合」とみなします。たとえば、太陽が天秤座2度、月が天秤座5度、冥王星が天秤座27度にある場合は太陽、月、冥王星は「合」であるとします。私はこれをそのまま採用しませんが古典の主旨(心)はわかります。私も同じサインにある天体は共通点によって結ばれていると見ます。ただし「形成」となると話は別で、3星が2度00前後以内のハーフサムによって結束していることを重視します。
 
②では他に、土星/天王星=冥王星のT角の直接(誤差00度30)という強いハードもあります。
 
私たちのN(出生図)の判断においても最大の表示jは「合」と「衝」です。しかし、本当に強い合と衝は1度00未満です。5度以上離れている合と衝のハードは悩む対象ではありません。私などはNで金星と土星が03度01差の衝で、これは私の人生に暗い影を落としましたし、現在も機能しています。しかしだからといってこの衝が私を不幸にしてはいません。実際は不幸にしているのかもしれませんが私はそれをほとんど感じないのです。チャートはやはり全体評価が大事なのです。
 
 
東日本大震災では2万人以上、阪神淡路大震災(1995年)では6千人以上の犠牲者が出ました。遺族の方々の傷は消えることがありません。人に与えられる試練は人類が生まれた太古から今日にいたるまで脈々と続いています。明らかに私たちは鍛えられているのですが、神が求めている進化を私たちは達成しているのでしょうか。