主城部虚空蔵山城と、南に派生する尾根筋に構えられた城のうち、ケムリの城を書きました。
今回は、稜線上の連珠砦を、西から高津屋城(C地区)、鳥小屋城(高津屋城A・B地区)へと辿ります。
いつものような、こってりに城というよりも、登山紀行気味です。
各城とも構造はシンプルなので概念図は書きませんが、宮坂武男(2013)『信濃の山城と館3』、戎光祥出版、pp252-5を参考に、堀・郭名を同書に準拠し、辿ります。
林道からの取り付き地点(虚空蔵山城記事とおなじ写真です・地図URL同記事貼付)
稜線上登山道
必ず帰るから、待っていて
1分4秒で物見城への分岐
しかし、藪で踏み込み不可。
降雪直前あたりの再訪を祈念。
我等を待つは、登り
これより前にケムリへの分岐(写無)。
稜線を伝う登山道は整備されている
皆、背がウキウキである
GW、他に楽しいことはないのだろうか
楽しい…
もしや、ここで休憩?
怖くないのだろうか
しかし、眺めはいい。
上田側
さすが信濃である。
坂城側
どちらかというと、こっちが好き。
越後人心理。
我々は、あの上で憩っていた…
かわったやつらである。
先を急ごう。
高津屋城
あの上が高津屋城
振り返り、下方に和合城
高津屋城C地区主要部
中央付近に仕切るような土塁が、かろうじて残る。
他、構造はよくわからない。
村上連珠砦 高津屋城の標記版
林道から31分。
彼方に目指す虚空蔵山
高津屋城C地区から北東に降下
3本掘り切る。
城内側から堀ア、イ、ウ
一本目 堀ア
岩利用の左(北)片流しで、右は土橋状。
岩
塁越に土橋
いがいに厳しい。
二本目 堀イ
三本目 堀ウ
振り返る
鳥小屋城(高津屋城B地区)
鳥小屋城B地区北西下二削平段
上方はB地区主郭。
虎口は右(南)側面に開口。
上段8×5
主郭虎口は、先行入郭する登山道ではなく、南に開口する。
下の8×4
私はB地区主郭1南下導線を進む
右(南)下は、横堀状構造ととれそうな段がある。
私は虎口から入郭
高津屋城B地区主郭1西の登山道入郭部付近から)
虎口付近で湾曲段差がある。
また郭1は囲郭されている。
私が入った虎口
郭1は北東に窄まる
北東から郭1
いったん降下し高津屋城A地区へ
虚空蔵山城はまだ彼方
鳥小屋城(高津屋城A地区)
鞍部 北東ー南西に土塁と細長い削平区画を設けている
左(北西)に土塁並走がわかるであろうか
右下に削平段。
二段構えで、下段は土塁を備えるようだが、先方衆に遅れ気味のため、確認しなかった。
待ってぇー
馬念さんがいる辺りがA地区(鳥小屋城)主郭2への虎口
鳥小屋城主郭南西虎口下
同方向連続開口だが、馬出し様に一郭配されている。
南西開口部から主郭2
三角形に囲郭されている。
今、入ってきた手前南西端、左北西中央、右南東端に虎口が開口する。
南西虎口前導線
鳥小屋城主郭2中心部
林道から52分。
峠を意識したためか、3地区のうちで最もしっかり造られている。
郭2北部
北西虎口
この写真のほうが、土塁開口がわかるであろうか
虎口下導線
二郭ほど結節している。
そのうちの19×6の大きな郭
この郭は、右を郭2北端から降る竪土塁によって守られている。
北端
郭内北部は低い。
囲郭土塁は北端から北西下方に竪堀として延びる。
下方に延びる竪土塁
右(東)の峠に備えた構造か。
左には先のに19×6の郭で、その郭を守るようだ。
直上から
下方に6段配され、石積を備えた郭もあるようだが、虚空蔵山へのぼる体力を温存するため、降りなかっ。
南東虎口
信濃先方衆は、虚空蔵山への参道を守る仁王と狛犬のようだ(サングラスをかけたヤンキーにも見える…)。
開口下
まっしぐら。
約24m下方に堀エ
堀エ
エの東は、物見のようだ
この先、4分降下し、古道が乗り越す虚空蔵山城東下鞍部(虚空蔵山城記事へ続く)へと至る
参考文献 宮坂武男(2013)『信濃の山城と館3』、戎光祥出版