城山砦
城山砦は、前田砦のある上村川と飯田洞川合流点から、下流約2.3km（直線距離）の蛇行部にある山に築かれている。
前田砦同様に上村合戦時には遠山方の拠点であったようだが、武田の強勢に敗れ、岩村に進駐した武田勢力圏の城として手が加えられ使われたことと思われる。
郭・堀名は宮坂武男（2015）『信濃をめぐる境目の山城と館 美濃・飛騨・三河・遠江編』、戎光祥出版に準拠、同書を基に記述します。
大手は東のようで、馬出となる郭2を配し、後方西はウ・エの二重堀で守りを固めている。馬出機能の郭２を守る横堀アは竪堀オを放射し、また堀切には竪土塁を沿えた補強がされ、武田の改修が色濃く漂う。
主郭南東虎口前から馬出機能の郭２
土橋
主郭南東に堀イで隔てて配され、主郭への出入口を守る。
主郭とは堀イ底を土橋で接続。
郭２の前面には横堀状の堀アが守る。その横堀アは竪堀オが放射し、武田の様相を示す。
書きこみなし
土橋北東堀イ
左（城内側）に竪土塁が沿い、侵入を阻止。
土橋北東堀イ
城内側帯郭３に接続。北西からのルートが入ったのであろうか。
南東城外側には竪土塁が設けられ、通行を塞ぐ。
郭２へ
土塁で囲われ穴状の窪区画
窪北下には横堀アからの伸びる帯郭
横堀ア北東コーナーからの土塁も一部伸びている。
北東コーナー
竪堀オが放射（よくわからん）。
これならわかる
郭２南東端
辺縁切岸下には、上で見た横堀アが守る。東に竪堀オを放射し、回り込みを阻止している。下でも見ましょう。
南東隅に城外への虎口。
城外への虎口
横堀ア
前面に土塁を備える。
奥に竪堀オ
横堀から放射する形状は、信濃で見る武田の構造と同一である。武田の改修とみて間違いないであろう。
竪堀オ
右（大手ルート）側に竪土塁が沿う。
主郭へ向かいます。
郭２から土橋で堀イを渡り
南東から回り込むように
主郭虎口に入る
稲荷社鳥居に折れ入るような虎口であったようだ
稲荷社
郭１南東部に小高く祀られている。
稲荷社鳥居前から郭１
長径南北60m、東西最大幅30mの菱形（宮坂）。
南西辺縁切岸下には郭３
長大である
横堀状ではないようである。
（後で降ります）
反対側 郭１北辺縁下
通路程度の帯郭が一筋
郭１北西部
北西は二重堀切ウ・エで遮断されている。
郭１北西端
凄…。
北西二重堀ウ・エと郭３
北西二重堀ウ・エ
竪土塁が沿い、宮坂は武田の改修を推定。
右（堀ウ北）
左（堀ウ南西）
竪土塁の沿い状況が堪らない。
中央から降り乗り越す
ウ・エ間の敷居土塁
敷居は左方（南西）が割れる。
敷居上
北西もう一重堀エ
左方（南西）敷居の割れ
掘エ
右（堀エ北）
ウと比べるとミニ。
左（堀エ南西）
北西尾根道が入ったようだが（後世の山道？）、竪堀土塁付随二重堀切で警戒していたようだ。
堀エを南敷居割れから
掘ウを南から
土塁が低くなり、掘ウ底は郭３と接続していたか。
郭３
主郭切岸は城壁様
うぉ、境目の砦
アクセス
城山トンネル東側
北（右）から登る。
鳥居あり
宮坂図で４とする観音堂を経由
４の平場もその北の22×5mの所も、宮坂は大手筋の大事な備えとする。
主城域南東の鞍部
堀切に見えなくもない
先の大手の大事な備え
南東鞍部から墓地を縫う
墓地の上方
頭上に城山砦横堀ア、郭２
横堀ア南端
横堀ア
登り口から写真を撮り々12分。
参考文献 宮坂武男（2015）『信濃をめぐる境目の山城と館 美濃・飛騨・三河・遠江編』、戎光祥出版