28 ガン予防隊 〜若いうちは自前で間に合うが〜 | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

 がんといえば、逸見(政孝)さんの名前がでてくる。かれは教訓を二つ残してくれた。

 ひとつは、がんのおそるべき手ごわさだ。もうひとつは、医者先生がなかまの事件をすっぱぬいてくれたことだ。

 近藤誠氏というレッキとしたがん専門医の本によると、がんか、がんでないかの見わけがいいかげんだから、がんでないものを切っちゃうことがめずらしくない。日本ほど手術の好きな国はない。がんの検診にはほとんど意味がない。ないないづくしってことだな。

 最近、肺がんの検診がはじまったが、これは肺結核専門医の救済策だともある。

 ボクは医者じゃないからがんの治療のことなど考えちゃいない。予防一点張りだ。その立場からすると、がん発見にいたる十九年前に何が起きたかを、とりあげなければならないことになるだろう。

 実は十九年前どころか、毎日毎日、がん細胞は何千個もうまれているって話がある。

 活性酸素がエネルギーづくりでも発生、ストレスでも発生、喜怒哀楽でも発生、農薬や添加物の解毒でも発生、細菌やウィルスの感染でも発生、中性洗剤でも発生、紫外線やX線・放射線でも発生ってことを知っていれば、この話がホラじゃないことがわかるんじゃないかな。

 そのひっきりなしに出てくる活性酸素はいろいろな悪さをする。そしてDNAを痛められる細胞が一日に数千個ということだ。スカベンジャー(活性酸素をしまつしてくれる物質の総称)をあたまにおかずにいたら、こりゃあぶない。

 もともと若いうちは自前のスカベンジャーでだいたいまにあう。四十の坂をすぎたら気をつけなけりゃダメだ。

 血中にはNK細胞という名のものがパトロールしている。これの本名はナチュラルキラー細胞だ。がん細胞やウイルス感染細胞をみつけると、どてっぱらにトンネルをあけて殺してしまうのが役目だ。こいつががん予防隊を結成しているんだ。

 NK細胞についてだいじな情報は二つある。ひとつはインターフェロンやキトサンなどがそれを活性化すること、もうひとつはストレスがあると、これが死んでしまうことだ。

 インターフェロンはビタミンCとタンパク質があれば自前でできる。キトサンはカニの甲羅やキノコやカビにあるんだな。

 

 

本原稿は、1994年7月22日に産経新聞に連載された、三石巌が書き下ろした文章です。