正月太りの危険要素 | 分子栄養学のススメ

分子栄養学のススメ

分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。



分子栄養学のススメ





年末から年始にかけて

ぷくぷく*´Д`*としてきた方多いのではないでしょうか?



正月太りという言葉があるようにこの時期は太りやすい要素が揃いやすいのです!!


高カロリーな食品の継続的な摂取

消費カロリーの低下

生活リズムの乱れ(夜型)

冷え

腸内環境の乱れ(便秘)


なんと悪循環な要素ばかり♥akn♥


恐ろしいですね。。。




ただ、三石巌も小太りぐらいが健康を維持するためには丁度良いといってきたのだから

太ってもいいじゃないか!!!!


と思う方も多いと思いますが、それは大きな間違いで、

太りすぎは、健康を害することに繋がりかねないのですbikkuri+.




太るということは、脂肪量が増加することを意味しますが、この脂肪にもいくつか種類があることをご存知ですか?


■皮下脂肪

■内臓脂肪

■異所性脂肪


3種類あります。


脂肪細胞は、エネルギーを溜め込む組織として知られていますが、

それだけではなく

身体の調節機能に関わる生理活性物質を分泌している大変重要な内分泌組織なのです!!



脂肪細胞が分泌する生理活性物質をアディポサイトカインといいます。


アディポサイトカインは、大きく分けて正負2つの相反する働きがあります。


*アディポネクチン、レプチン

(糖代謝の向上、動脈硬化抑制、抗炎症、食欲を抑えることなどを促す)


*TNF-α、PAI-1

(高血圧、高血糖、脂質異常、炎症、血栓合成などを促す)



この2つは、面白い関係性があり

どちらも同じ脂肪細胞から分泌されているのですが、

標準的な脂肪量であれば正のアディポサイトカイン(アディポネクチン、レプチン)がバランスよく分泌され、

脂肪の蓄積量が多くなると、分泌量が減ってしまいます。

それに変わって、増えてくるのが負のアディポサイトカイン(TNF-α、PAI-1)です。


その結果、脂肪の蓄積量が過剰になりすぎると、糖尿病や高血圧、高脂血症、動脈硬化、心筋・脳梗塞、ガンなどを引き起こしやすくなってしまうのです。



このような仕組みがあることから、脂肪は多すぎても少なすぎても問題があり、小太りぐらいが丁度いいということがよく理解できると思います。



ただ、同じ肥満者でも、

・どこにも異常の見られない健康レベルの高い方

・糖尿病や高血圧を併発しているような健康レベルの低い方

の2パターンを見ることがあると思いますぶー


この差は、皮下脂肪より内臓脂肪の割合が多いことがあげられます


負のアディポサイトカインは、皮下脂肪より内臓脂肪の方が活性が高いため、代謝異常を引き起こしやすくなります。

だから、特に内臓脂肪の蓄積増加が注意され、メタボ検診などの指導が盛んに行われているのですね~。


また、負のアディポサイトカインを過剰にし悪循環化させる要因は、炎症です。

負のアディポサイトカイン分泌→炎症→さらに負のアディポサイトカイン分泌増大→さらに炎症拡大・・・という具合ですsei



そしてもう1つの要因は、異所性脂肪の存在です。


異所性脂肪は、皮下脂肪でも、内臓脂肪でもなく、第3の脂肪として別で存在しています。



通常の脂肪細胞の働き(エネルギー貯蔵や生理活性物質の分泌)は示さず、

蓄積した組織の正常な働きを阻害することから、毒性の脂肪とも呼ばれていますdoyon*


異所性脂肪は、内臓脂肪が過剰になった際に起こる炎症によって、

壊された脂肪細胞が、各組織に蓄積することにより形成されてしまいます。



このことから


内臓脂肪の割合が多い


    ↓


負のアディポサイトカインの分泌過多異所性脂肪の蓄積促進


    ↓


メタボ(代謝異常)を生じやすい



という流れが出来てしまい、

これらをさらに悪循環・慢性化させてしまうのが

 『 炎症 

なのです。



一般的なメタボ対策には、

■運動

■食生活の改善

■禁煙

■薬物でのコントロール

などが言われていますが、炎症や異所性脂肪の存在を考えると、それだけでは対策不足ですakn


根っこの問題となる炎症への対応を強化することが進められています。




[炎症対策]


◎炎症を引き起こす要因への対応

・食べ物の改善

脂肪細胞を増大させる食品としては、糖質・脂質の過剰摂取が上げられます。特に、糖質の過剰摂取は問題視されており、中でも吸収しやすい糖(ジュースや菓子パン、スナック)の形での摂取はご注意しましょう。

脂質に関しては、トランス脂肪酸や過酸化脂質(多価不飽和脂肪酸)の摂取は、炎症を増大しますので、控えることが賢明です。

・免疫バランスの調整(腸内環境の正常化)

炎症を引き起こす要因の一つに免疫の異常が言われています。

そのため、免疫の7割を担うといわれる腸内環境の改善が重要になってきます。

腸粘膜の正常化には、良質タンパク、ビタミンA、レシチンを強化し、腸内細菌の調整には、水溶性食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖などを取り入れてバランスを整えていくことが大切です。


◎起こった炎症への対応

炎症を断ち切るためには、抗酸化作用のあるビタミンC、E、コエンザイムQ10、植物ポリフェノール、カロチノイド、炎症性サイトカインの調整に働くEPA、γ-リノレン酸などが必要です。




炎症がこれほどメタボに関係しているとは驚きのことだと思いますha*


しかし、メタボ検診では、炎症や異所性脂肪の診断はなく、ウエスト値、血圧、血糖値、中性脂肪・コレステロール値のみで診断されているのが現状です(><)


その結果、健康日本21や特定検診などのメタボ対策が試行してきましたが、プラス効果どころか、男性では肥満者が増加し、糖尿病患者数も690万人から890万人に増加するなど失敗に終わっているのです・・・。


また、メタボが代謝異常を生じる疾患群であることから、代謝の正常化に必要な栄養素であるヒトフード(良質タンパク、ビタミンB群、C)が大事だということも分かります♪  


このようにトータルで考えた対策を考えていかないとなかなか解決し難い問題なのではないでしょうかピンクのブタ





メタボの問題を抱えている方もそうでない方も、今後の対策や予防に

炎症対策

を取り入れていかれることをお勧めします。



さらに、今後は、炎症に加えて、免疫バランス、腸内細菌などの係わり合いも出てくることが予想されますので、広い視野で捉えてメタボの問題を考えていくことが必要になることでしょう。





(厚生労働省 メタボリックシンドローム)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo02/index.html







motonaga